フランス南東部の自然保護区での、欧州最大級の「再野生化」実験に注目したいです。

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世界の平均気温が高まっている中、最近は大規模な森林火災のニュースを聞く頻度が増えているように感じます。

自分にとっては、アマゾンとオーストラリアの火災のニュースはかなりの衝撃だったのですが、放火等の可能性もあるので、本件の地球温暖化との相関性はよく分からないものの、「地球温暖化を食い止めないと大変なことになるぞ!」という世界中の人々が急激に増えたのではないか、という仮説を持つようになりました。

上記2件の火災発生の前後を比較した場合、後になって”自然に負荷をかけたくない”という意識を持った人が加速度的に増えたように感じるからです。

コロナの件もそうですが、物事には必ず、「負の面と正の面が共存している」ということを強く認識できるようになったので、年を重ねるごとに人生が楽しくなっています。

今日は、ラベンダーで有名な南フランスのプロヴァンス地方の近くのベロンヌ(Volonne)での、欧州最大級の「再野生化」実験の話題を取り上げたいと思います。

欧州最大級「再野生化」実験、森を手入れせず放任するとどうなる? 仏

フランス南東部バランス近郊のベロンヌにあるグラン・バリー自然保護区(2014年4月24日撮影)。

【AFP=時事】野生のハーブの香りがそよ風に乗って運ばれてくる。人の気配はほとんどない。ここ、フランス南東端のグラン・バリー自然保護区では、欧州最大級の「再野生化」実験が行われている。

 昨今、植樹による森林再生計画が人気だが、再野生化計画は、人が手を加えずに自然の働きに任せて生態系を回復することを狙いとしている。

 国連の専門家組織「生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム」によると、地球上の全陸地は人的活動によって少なくとも4分の3は劣化している。食料と資源への飽くなき需要が高まり、その結果、100万種以上の野生動植物が絶滅の危機にひんし、多くは数十年以内に絶滅すると国連は報告している。

 米国の同様の運動に着想を得たグラン・バリー計画は、野生動物保護協会の統括の下、森林に一息つく余裕を与えようとしている。

 状況が特に深刻なのは欧州だ。土地が狭いわりに 人口が集中している欧州では、手付かずの自然が残っている場所はますます減ってきている。

 フランクフルト動物学会のゾルタン・クン氏は、再野生化の目標は「人が介入しなくても機能する生態系」をつくり出すことだと話す。

 具体的には、間伐を行わず、種の再導入も全く、またはほとんどしない。一歩下がって、自然に任せるのだ。

 プロセスは食物連鎖の一番下から始まる。森林の中で昆虫や小動物の生息数が再び増えるようになれば、草食動物や肉食動物、猛禽(もうきん)類の数も増える。

 活動には、河川の小型の堰(せき)の撤去から、野生動物が道路の上や下を横断する獣道を突き止め、安全な通路を造ることまで、さまざまなことが含まれる。

■気候変動対策にも期待される役割

 ドローム県に位置し、森林が1平方キロにわたって広がるグラン・バリー山地は、全長数キロの岩だらけの尾根に貫かれている。

 森に入ると、そこかしこでかさかさと音がする。シャモア(レイヨウとシカの交配種のような動物)、アカシカ、オコジョ、アナグマ、爬虫(はちゅう)類が動く音、数え切れない種の植物や花が立てる音だ。上空では、イヌワシが戦闘機のように空を切って飛んでいる。ハヤブサ、ハイタカもいる。

 この区域では魚釣り、狩猟、木材の切り出し、耕作、大きな集会、車の乗り入れが禁止されており、適用されている保護措置は、国際自然保護連合の最も高い保護カテゴリーと同レベルで、国立公園よりも厳しい。

 ここの植物相(フロラ)は、「放任」されている。「木が倒れても、そのままにしておきます」とASPAS保護区のコーディネーターのクレマン・ロシュ氏は、倒れた木を指さした。腐っていく木には、動植物が集まる。

 ASPASディレクターのマデリーン・ルビン氏は、グラン・バリー計画は「未来の原生林を再生する」ためのものだと話す。

 再野生化は地域の生物多様性に役立つだけでなく、気候変動対策に関して重要な役割を果たすことを期待されている。

 地球の温暖化によって気候変動が進む中、どの種の樹木が最も環境への適応力があるのかについては科学者らも手掛かりをほとんどつかんでいない。

 自然科学の教授、ジル・レイ氏は、再野生化は、その答えを導きやすくする一つの方法だと指摘。「そのままほっておいて、どの種が最も持ちこたえるのか確認すればいい」とAFPに語った。

■地元からは反対意見も

 だが、再野生化のメリットに誰もが納得しているわけではない。例えばフランスでは、農家や地元当局からは再野生化に反対する声が強まっており、オオカミやクマ、キツネなどの野生の捕食動物が再導入されると家畜が犠牲になるという意見が出ている。

 ASPASの計画に反対する地元の市長、アラン・ジューヌ氏は、「人が森の世話をしなければ、森は窒息してしまう」と主張する。

 ドロームの狩猟連盟のレミ・ギャンディ会長も、再野生化によって釣りや狩りなどの伝統的な経済・娯楽活動が悪影響を受けると批判。理屈の上では賛成だが、としながら、数千ヘクタールの広さで計画を実施しなければ有意義な結果は生まれないだろうと主張している。

 ASPASによると、ローヌ川付近の別の保護区では、狩猟禁止の看板が壊され、地面の上に猟銃の弾薬筒と並べて置かれていたこともあったという。

 だが、再野生化の賛成派はひるまない。

 IPBESのエンリケ・ミゲル・ペレイラ氏は、「欧州の多くの人が、自然には人が必要、自然には管理が必要だと考えている」が、「それはおかしい。生物多様性は人類が誕生する以前にもあったし、人類が絶滅してもあるだろう」と主張する。

 クン氏は、自然に自由を与える必要性について簡潔に述べた。「私たちは神ではないのだ」 【翻訳編集】AFPBB News

AFPBB Newsの2020年11月21日の記事(https://www.afpbb.com/articles/-/3301406?cx_reffer=newspass&utm_source=newspass&utm_medium=news)より抜粋

人類が今後前進する上で、ものすごく大切な試みだと思います。

”枝の剪定等、ヒトの手を加えないと森が荒廃する”という概念がありますが、それは人間が作り上げた森に対する常識だと思います。

人間が生まれる以前の森は、動物、昆虫、菌類等が森林の生態に関わっており、それで生態系が維持されてきたのですから、(特に現代社会の)人間は自然の循環にとっては敵でしかないことがわかります。

野生の本質を理解する上で、「再野生化」実験の今後のアウトプットが楽しみでなりません。

有益なアウトプットが生まれることによって、世界中の生態系を回復するための知恵が広がっていくのではないかとおもいます。

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