先日、英国在住ハーバリストのリエコ大島バークレー先生の講座を受けたときに、”ローズマリーの香りは葉の裏側から放たれている”という情報を頂きました。
【過去の参考記事:英国在住ハーバリスト リエコ・大島・バークレー先生の講座を受けるために宮城県へ行ってきました。】
その後、家に帰ってきてから、庭のローズマリーの葉を観察してみると、「ローズマリーの葉の裏側ってこんな形をしていたんだあ」と根本的な部分に驚いてしまい、植物観察が普段できているようで実はあまりできていないという事を実感しました。
(Instagramでもその時のことをアップしました)
同時に、以前弊ブログで「ハーブの表面を電子顕微鏡で見た世界」について取り上げたことを思い出し、その中に確かローズマリーの表面写真もあったはずだったので、改めて見返してみました。
この記事の中にあるローズマリーの電子顕微鏡写真は以下です。
上に向いている溝の部分が、いわゆるローズマリーの葉の裏側ということになるのですが、フィトケミカル成分が含まれている袋(黄色の部分)が白い毛の中に埋もれているのが見えます。これが香りを放っている源だと思います。
自分自身、複数の品種のローズマリーを自宅の庭で育てる中で、形状だけではなく香りの性質も全て大きく異なるのでローズマリーの世界は奥深いと感じています。
また、先日、いつもハーブティー用に使っている匍匐性のローズマリー(カプリ)と味を比較する目的で、いつも料理用に使用している半立性のローズマリー(品種名不明)をドライにすることにしました。
どんな味の違いがあるのか、今から非常に楽しみです。
以前からそのローズマリーの香りは「記憶の維持」に役立つことは知識としては知っているのですが、記憶の維持をできる理由を突き止めた実験についての情報がありましたのでご紹介します。
記憶力アップに効果的な、ある香りとは?
アロマや香水、あなたはどんな香りをセレクトしている?
イギリス北部のハロゲートで行われた、英国心理学協会の年次総会で発表された最新の研究により、ローズマリーの香りが記憶力を向上させることが明らかになったそう。この内容についてアメリカ版ウィメンズヘルスからご紹介。
イギリスのニューカッスルにあるノーザンブリア大学の研究者たちは、66人の被験者に、ローズマリーの香りが漂う部屋と、何も香りがしない部屋のどちらかへランダムに入室してもらい、テスト(クイズや単語捜しパズルなど)を30分間受けてもらった。実際にこのテストは、彼らの長期的な記憶力を観察するために、本来の試験から被験者の気を散らすように設計されたもの。本来の試験とは、テスト終了時に、指定された時刻に別の作業に取り掛かることや、研究者に依頼されたことを覚えていて実行できるかどうかを評価するもの。被験者たちは、指示を受けたタスクを思い出し、全てを完了するまでにかかった時間に基づいて採点された。
結果、ローズマリーの香りを嗅いだ被験者たちは、高い記憶力を発揮したという。
この研究著者であり、ノーサンブリア大学の心理学長を務めるマーク・モス博士は、ローズマリーの精油に含まれるユーカリプトール(シネオール)と呼ばれる化合物が記憶形成の一部になることは、過去の動物実験や試験管を用いた実験でも証明されていると話している。ユーカリプトールは空気中に蒸発し、息を吸い込むと血液中に取り込まれる。「アロマの香りを嗅いでユーカリプトールが血液中に入ると、血液を通して脳に運ばれ、記憶をつかさどる部位に作用すると考えられます」とモス博士。さらに研究者たちは、この実験でローズマリーの香りが漂う部屋にいた被験者たちの血液を調べた結果、血液中のユーカリプトール濃度が高かったことも突き止めたそう。
最近忘れっぽいのが気になる人は、ローズマリーの香りがするアイテムを持ち歩いてみるといいかも。
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
※Women’sHealthの2019年5月28日の記事(https://womenshealth-jp.com/a-the-scent-that-improves-your-memory-20190528/)より抜粋
この内容を見て、ローズマリーの香りは記憶の維持に役立つのは情報として持っていたけれど、こんなに簡単に効果として表れるんだということに驚きました。
これを見ると、今後、資格の勉強をするとき、部屋の香りをローズマリーで満たしながらやってみようかなと思います。
個人的にはこの実験の詳細(どのくらいの差が表れたのか等)を知りたかったのですが、英語版のウィメンズヘルスのページにも特に論文へのリンクがありませんでした。
ローズマリーと記憶力アップの関連についての情報については今後もアンテナを張り、より精度の高い内容に辿り着ければと思います。