(続報)新疆ウイグル自治区のラベンダー栽培事情について

先日、中国・新疆ウイグル自治区のラベンダー畑の美しい光景について取り上げました。

【過去記事:新疆ウイグル自治区の壮大なラベンダー畑の光景に息を呑みました。】(2021年6月16日)

この記事の中でもチラッと書いていますが、取り上げられている霍城県芦草溝鎮四宮村のラベンダー畑に関する情報をネットで検索しても、それ以上の詳細な情報を得ることができませんでした。

しかしながら、本記事の続報が昨夜発信され、その中に現地のラベンダー栽培事情に関する情報に関する記載がありましたので取り上げたいと思います。

ラベンダー栽培が農家の増収を後押し 新疆ウイグル自治区

ラベンダー栽培が農家の増収を後押し 新疆ウイグル自治区

13日、霍城県芦草溝鎮四宮村のラベンダー畑。(小型無人機から、霍城=新華社記者/丁磊)

 【新華社ウルムチ6月17日】中国新疆ウイグル自治区イリ・カザフ自治州霍城(かくじょう)県芦草溝鎮四宮村はかつて、「石だらけの土地」として知られ、至る所に石が転がっていた。果子溝河の水が農地の土壌成分を流してしまうため、農作物の被害が深刻で、豊作の年でも1ムー(約667平方メートル)当たりの平均収入は500元(1元=約17円)程度だった。

ラベンダー栽培が農家の増収を後押し 新疆ウイグル自治区

13日、霍城県芦草溝鎮四宮村のラベンダー畑を散策し、写真を撮る観光客。(霍城=新華社記者/丁磊)

 同村では10年前から産業構造の積極的な調整を実施。トウモロコシを中心とした従来の栽培構造を変え、農家や貧困世帯に対し、ラベンダーの広域栽培に参加するよう指導してきた。芦草溝鎮のラベンダー栽培面積は現在、3万8千ムー(約2533ヘクタール)で、四宮村には1万2千ムー(800ヘクタール)の広域栽培拠点があり、ラベンダー栽培農家の1ムー当たりの平均純収入は2千元以上になった。地元農家はこのほか、大規模栽培や季節性労働、観光業や民宿の開発なども行い、ラベンダー産業を利用して豊かになる道を歩んでいる。

ラベンダー栽培が農家の増収を後押し 新疆ウイグル自治区

13日、霍城県芦草溝鎮四宮村の畑で咲いたラベンダー。(霍城=新華社記者/丁磊)

ラベンダー栽培が農家の増収を後押し 新疆ウイグル自治区

13日、霍城県芦草溝鎮四宮村のラベンダー畑で撮影する観光客。(霍城=新華社記者/丁磊)

ラベンダー栽培が農家の増収を後押し 新疆ウイグル自治区

13日、霍城県芦草溝鎮四宮村のラベンダー畑を散策し、写真を撮る観光客。(小型無人機から、霍城=新華社記者/丁磊)

ラベンダー栽培が農家の増収を後押し 新疆ウイグル自治区

13日、霍城県芦草溝鎮四宮村の畑で咲いたラベンダー。(霍城=新華社記者/丁磊)

※新華社の2021年6月17日の記事(https://nordot.app/778189903792144384)より抜粋

今から10年前(2010年くらい)よりトウモロコシ畑からラベンダー畑への転換を図ってきたのですね。

収入に関する数字を計算すると、全面積(3333ヘクタール)からは、年間日本円で1億円以上の収入が生まれていることがわかります。

また、同じ中国新疆ウイグル自治区イリ・カザフ自治州のラベンダー栽培について、より詳しい情報を別ソースから見つけましたので以下に貼ります。

※以下の記事は11年前の記事ですので、上記抜粋記事のラベンダー畑を抜きにしても昔からイリ・カザフ自治州はラベンダー栽培の歴史が深かったことがわかりました。

新疆のラベンダー栽培

ラベンダーというと、フランスプロヴァンス野にも山にも一面に咲き乱れる紫色の花を思い出すかもしれない。ところが、中国にもプロヴァンスにいささかの遜色もないラベンダーの産地がある。それは新疆のイリ渓谷である。イリ渓谷プロヴァンス同一の緯度に位置し、類似した半乾燥気候と土壌条件を持っており、ラベンダーの生長に適している。そのため中国のラベンダーのふるさととなったのである。新疆イリ地区のラベンダーの生産95パーセントを占めている。

紫色の伝奇

時は45年前の1964年まで遡る。北京植物園は旧ソ連からラベンダーの苗を導入し、雲南・新疆・河南・陝西などの省・自治区で広範な試験栽培を行い、北43度付近に位置する新疆イリ地区での栽培に成功した。1969年、一滴目のエッセンシャルオイルがイリで生産された。当時の技術では1ムー(0.067ヘクタール)のラベンダーエッセンシャルオイルを3キロしか生産できなかった。

イリは天山北麓の渓谷地帯に位置し、植生が豊かで、気候が温暖で、「塞外の江南」という美称がある。しかし、冬の最低気温は-30℃にも達し、ラベンダーの故郷であプロヴァンス冬季の平均気温5℃に比べれば、環境は厳しい。ラベンダーの苗は20℃~-25℃の低温にしか耐えられないため、苗の育成がもっとも難関である。イリの農業技術者は実験を繰り返し、よい越冬方法を発見した。毎年秋と冬の変わり目の氷が張る前に、ラベンダーの根の部分を土で覆い、たっぷりと水をかけて、ラベンダーを土壌の保温作用のもとで休眠させ、翌年春に氷が融けたのちに、覆っていた土を取り除いて、枝を日差しや空気に充分に触れさせて光合成を行わせるという方法で、イリの冬の低温という難関を突破した。ラベンダーは土壌を選ばないため、以前にほかの農作物を栽培した土でもラベンダーの栽培ができる。また、ラベンダ腐殖物が増えるため、ほかの作物の栽培に非常に役立つ。

6月末にはラベンダーの花が咲き、多忙な収穫季節となる。その頃にはしばしば日よけの帽子をかぶり花模様のシャツを身に纏った年ごろの娘さんや若い奥さんたち、おばあさんたちがかまを振るっている姿がラベンダー畑見え隠れしている。ラベンダーの機械による収穫はまだ行われていないため、今はまだ人の手による収穫に頼っている。収穫されたラベンダーの束の重さによって、その給金が支払われる。そ1キロ当たり日本円にして3~4円である。彼らが収穫したラベンダーは、袋いっぱいに詰められ、間もなく世界各地のベットサイドやたんすや化粧台に出現することに

黄金の液体

ラベンダーエッセンシャルオイルはラベンダーの高濃度の芳香抽出物である。ラベンダーの花、茎、葉を蒸留することによって抽出された液体油脂で、普通の草薬の70倍あり、黄金の液体ともいえるものである。専門家によると、ラベンダーエッセンシャルオイルの分子構造は極めて小さいため、浸透性が強く、皮膚細胞にも吸収されやすく、通常3分間で真皮組織に、5分間で人体血液循環系統に入り、12時間たつと一滴残らず体外に排出されるということである。

「黄金の液体」生産現場には、室内外に一直線に高さ百数十センチの蒸留鍋が並んでいる。その鍋の内壁は黒っぽい炭素鋼で作られ、外壁は銀白色のアルミニウムで包まれている。炭素鋼は熱伝導性がよい素材で、たちまち熱を鍋全体へ伝え、鍋の底と胴体とは完全に同じ温度を保つので、ラベンダーを平均的に蒸すのに最適であ。鍋の蓋などはアルミニウム製で、アルミニウムはやわらかいが、炭素鋼より高温に耐えられる。

加工のプロセスは、まず収穫したラベンダーの花やくきを一緒に鍋の中に入れ、アルミニウム鍋の蓋をして、バルブを開けて高温の蒸気を入れて蒸留する。途中、バルブを調節し蒸気の圧力と流量をコントロールする必要がエッセンシャルオイルと水分は比重が異なるため、鍋の底部にある上下2つの出口から分かれて流れ出る。蒸留が終わると、鍋の蓋を開け、鍋の上部にある吊り上げ装置によって残ったラベンダーを傍らの機械の中に入れ、砕く

エッセンシャルオイルの蒸留の途中、山と積み重ねられた紫色のラベンダーにもたれ満ち足りた表情をしている女性がいた。濃いラベンダーの香りがあたり一面に満ち溢れ、口を開けて話すとその芳しい気体が口の中に流れ込むような感じを受けた。一年間の苦労がまもなく報われるときが来る

エッセンシャルオイルの品質の優劣は普通の消費者にはなかなかわかりにくい。市場の無名ブランドのラベンエッセンシャルオイルは、一部によく食用油が使われている。使うと問題がおこるわけでも明らかな品質の差があるわけでもないが、実際の効果の優劣は推して知るべしであろう。

中国とラベンダ

中国国内のラベンダエッセンシャルオイルまたはラベンダーのドライフラワー市場を観察すると、中国人はラベンダーに対する深い認識をもっていないのが分かる。それはまず、中国の普通の人は香水をつける習慣を持っていないためで、そしてラベンダーの香りを好む人もあまり多くない。また、さまざまな香りがするのを好み、単一の香りを好まない。また、あまり香りについてのこだわりがないなどの要素が、ラベンダーの中国での影響力

ラベンダーの花の美しさはロマンチックな人には好まれるが、習慣や伝統の方面から見れば、それは中国人に注目される花卉であるとはいえない。大部分の中国人のラベンダーへの認識はただ写真程度にとどまり、その生産地に観賞に行ったり、日常生活でその製品を使用している消費者は少ない。私はラベンダーが文化上で中国人の深い共鳴を引き起こさないのが、一番の原因ではないかと思っているから今に至るまで、中国の名花、たとえば牡丹・蘭・水蓮・菊・梅などは、何千年もの間、歴代の文人・墨客・画家などの筆によって美化され、その中には中国の歴史と伝統が蓄積され、神話的な色彩さえも帯びている。ラベンダーは明らかに欧米文化の色彩をもっているため、中国人の認可を獲得するには、まだしばらくの探索と思考が必要なのであろう

ラベンダーは天然の美容製品であるだけでなく、栽培地区の観賞性も高い。それは経済作物であるばかりでなく、観光地となりうるものである。宣伝に力を入れれば、地元の観光と文化産業の振興に大いに役立ち、地区の経済発展を促すことができる。ラベンダー産業の開発は地理・人文・経済・社会の価値を一体とした美しい事業なので

東西文化を融合させ、広いイリ草原の雪山に根をおろした外来の美しい花、ラベンダーの未来は、今後も注目されることであろう

※中国画報の2010年5月27日の記事(http://www.chinapictorial.com.cn/jp/se/txt/2010-05/27/content_275004.htm)の記事より抜粋

新疆ウイグル自治区のラベンダー栽培の始まりに関する情報があり、個人的に非常に有益でした。この内容を見るとロシアのラベンダー栽培事情も気になってきます。

世界のラベンダー栽培についての自分の中での世界観がここ数日で大きく拓けてきた感覚があります。

楽しみになってきました。

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