ハーブや果物を使った和菓子を提供する「菓子屋のな」が気になります。

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ワクチン接種率の高い米国では、旅行熱が一気に高まっているニュースを先日目にしましたので、日本でも今後同様の流れが加速すると思います。

個人的には、家族で京都旅行をして、日本の古くから伝わる文化を子供たちにもしっかりと経験させたいという気持ちが高まりつつあります。

京都へ行ったら、必ず足を運びたいと思っている場所(ハーバルスポット)は以下の2か所です。

はーばりすと美山

【過去記事:京都にある『はーばりすとくらぶ・美山』は、ハーバリスト必見の場所だと思う件】(2017年10月7日)

maka

【過去記事:なんとなくしんどい時に、駆け込めるお守りのような場所「maka」】(2020年4月29日)

今日は、同じ京都の気になるスポットについて取り上げたいと思います。

ハーブや果物を使った、京都の新しい和菓子「菓子屋のな」|京都、根っこのある暮らし方

「菓子屋のな」がオープンしたのは、2020年5月。和菓子職人の名主川千恵(なぬしがわ・ちえ)さんがつくるのは、ハーブや果実を使った和菓子。コロナ禍での舟出となりましたが、たちまち愛される店となりました。新しい、けれど奇抜でない。伝統を大事しながら、新しいものも好き、そんな京都人の心をつかんでいます。

和菓子の表現力に惹かれて

「菓子屋のな」を営むのは、和菓子職人の名主川千恵さんと、イタリア料理店で経験を積んだ夫の高行さん。五条堀川の一本東、角っこにある小さなお店です。

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千恵さんが手がけるのは、上生菓子。きんとんや練り切りといった、お茶席で楽しまれるお菓子です。都の老舗和菓子店2軒に勤め、15年にわたって経験を積みました。

画像: 6月初めの生菓子。左から時計回りに、青時雨、雨上がり、天つ日。雨上がりはレモンあん。天つ日は、太陽の別名。なるとオレンジジンを使って、ジンを香らせる
6月初めの生菓子。左から時計回りに、青時雨、雨上がり、天つ日。雨上がりはレモンあん。天つ日は、太陽の別名。なるとオレンジジンを使って、ジンを香らせる

和菓子づくりをはじめたきっかけが、大学時代のフィールドワークでの出来事。月にまつわる民話を調べ、無形文化財「そらよい踊り」を見たくて、鹿児島を訪ねたときのこと。

「宿も決めずに行って、小さな民宿に飛び込みで泊まったんです。お目当ての「そらよい踊り」は台風で中止になってしまったのですが、結局、1週間くらい滞在しました。そしたら、帰り際に、民宿のおばちゃんがおはぎを持たせてくれたんです。ゲンコツくらいある、大きなおはぎを6つも! それが、すごく嬉しくて。だれかと別れるとき、手づくりのおはぎをもたせるって、とてもいいなって思ったんです」

「食べるのが好きだから、食の道に進めたら」と、当時、なんとなく思っていたという千恵さん。書籍『和の菓子』(ピエ・ブックス)に感動したことも、心を決めるきっかけのひとつになったそう。京都で活躍する女性和菓子職人さんからも好きな本としてよく名があがる、写真集です。お菓子のつくり手は、川端道喜、笹屋伊織、とらや。いずれも京都発祥の名店です。

「関東のお菓子に比べると、京菓子は抽象的。ものの形をそのまま写し取るのではないところに、凄さを感じたんです。和菓子は粋で素晴らしい。もともと神秘的なものが好きということもあったかもしれませんが、知るほど惹かれていきました」

画像: 山帰来の葉で包んだ、葉もち。淡路島産なるとオレンジあん、いも柚子バターあんなど、季節ごとにあんが変わる
山帰来の葉で包んだ、葉もち。淡路島産なるとオレンジあん、いも柚子バターあんなど、季節ごとにあんが変わる

お菓子の名に、込められた思い

大学卒業後、製菓学校に通いながら、学校経由で募集を見つけた、京都の老舗「長久堂」で働き始めた千恵さん。初日から厨房に入り、さまざまな和菓子づくりを経験。

ここで感動したのが、お菓子の銘(めい、名前のこと)に込められた想いです。

「主に銘をつけていたのは、長久堂の工場長。戦前の丁稚奉公から働いていらっしゃる方で、とても勉強熱心で、知識豊富。70代、80代になっても挑戦し続けている方で、興味の尽きない方でした」

働きはじめて間もなく、季節の上生菓子にお目見えしたのが、「色なき風」

「どんな意味ですか?」と工場長に尋ねると、「秋にこういう言葉があるんや」とだけ言われたそうです。

「色なき風」は季語。秋の風を表します。

水をたたえた手水鉢をイメージし、緑色のきんとんに、紫で模様がつけてあったそう。シンプルに作り込むことなく秋を表す、和菓子の奥深さにあらためて感動。和歌や俳句、暦、文学、歴史……千恵さんの学びがここから始まりました。

「和菓子の銘には、思いが込められている。お菓子の銘を大事にする思いが、いまに続いています」

画像: アントニオとララ。淡路島のハーブとともに
アントニオとララ。淡路島のハーブとともに
画像: アントニオとララは「即興詩人」から生まれたお菓子
アントニオとララは「即興詩人」から生まれたお菓子

菓子屋のなの代表作となっているのは、アントニオとララ。

森鴎外が翻訳したアンデルセンの小説「即興詩人」の登場人物の名を表します。盲目の少女ララが、アントニオの詩によって生きる希望を見出すという物語。アントニオはほろ苦いキャラメルあん、ララは鮮やかなマンゴートロピカルあん。なめらかな口どけの半生菓子に、それぞれの人生を重ねていきます。

6月初めにいただいた上生菓子の銘は、青時雨。

青時雨とは、青葉から滴る、水滴のこと。若葉のころの、時雨のような通り雨。道明寺餅を大葉で包み、中にはフレッシュなパイナップルとピンクペッパー。

パイナップルとは驚きですが、甘く爽やかな果実味は、まさに清涼感あふれる雫。美しい銘によって、余韻がさらに深まりました。

画像: 五条堀川からすぐ、オープンキッチンの小さなお店

五条堀川からすぐ、オープンキッチンの小さなお店

お店をはじめてから、「美味しいことがなにより大事になった」という、千恵さん。料理人である夫のアドバイスがチカラとなって、オープンから1年、深化を続けています。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

菓子屋のな
京都府京都市下京区篠屋町75
12:00〜18:00(売り切れ次第閉店) 日・月休

インスタグラム:@kashiya.nona
予約専用インスタグラム:


宮下亜紀(みやした・あき)
京都に暮らす、編集者、ライター。出版社にて女性誌や情報誌を編集したのち、生まれ育った京都を拠点に活動。『はじめまして京都』(共著、PIE BOOKS)ほか、『本と体』(高山なおみ著)、『イノダアキオさんのコーヒーがおいしい理由』(イノダコーヒ三条店初代店長 猪田彰郎著)、『絵本といっしょにまっすぐまっすぐ』(メリーゴーランド京都店長 鈴木潤著、共にアノニマ・スタジオ)など、京都暮らしから芽生えた書籍や雑誌を手がける。
インスタグラム:@miyanlife

※天然生活の2021年6月22日の記事(https://tennenseikatsu.jp/_ct/17460125)より抜粋

ここで紹介されているメニューの一つ一つが魅力的でたまりません。

和菓子職人の千恵さんと、イタリア料理店で経験を積んだご主人とのタッグが、この特異なセンスを生み出していることは間違いないと思います。

ここで紹介されているエピソードだけでも、和菓子の魅力再発見という感じですが、お店で知恵さん・ご主人のお話を直接お伺いしたいです。

”菓子屋のな”の詳しい情報

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