蚊取り線香の原料として知られる「除虫菊」のゲノム解読がされたというニュースを見て、除虫菊のこと少し調べてみました。

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先日、少し季節外れのニュースとなるのですが、「蚊取り線香」に関連するニュースが入ってきました。以下です。

蚊取り線香のゲノム解読 品種開発に期待―大日本除虫菊

金鳥ブランドの蚊取り線香で知られる大日本除虫菊(大阪市)は4日、蚊取り線香の原料となる多年生キク科植物「除虫菊」のゲノム解読に世界で初めて成功したと発表した。将来的には、除虫菊に含まれる天然殺虫成分ピレトリン類を高い濃度で持つ品種や生育期間が短い品種の開発などが期待できるとしている。

ゲノム解読は、サントリー生命科学財団(京都府精華町)と共同で行った。広島県尾道市で栽培されている除虫菊について、推定6万個超の遺伝子が含まれる約71億塩基対のゲノム配列を解読したという。一部の殺虫剤をめぐっては、抵抗性を示す害虫が出現し感染症を媒介するリスクが懸念されているとし、同社は遺伝子操作などで除虫菊の特性を増幅することができれば感染症防止にも貢献できるとみている。
大日本除虫菊は創業130年を超える殺虫剤メーカー。1890年、除虫菊の粉から成形した世界初の棒状蚊取り線香を発明し、その後渦巻き型に改良した。

※JIJI.COMの2019年12月4日の記事(https://www.jiji.com/jc/article?k=2019120401107&g=eco)より抜粋

非常に興味深いニュースです。

蚊取り線香の原料として使われている「除虫菊」のゲノム解読ができたことで、「除虫菊」に含まれる天然殺虫成分であるピレトリン類の濃度を高めたり、生育期間を短くした品種の開発につながるというものです。

そもそも、「除虫菊」(じょちゅうぎく)はどんな植物なのか? を大日本除虫菊のHPで見てみたいと思います。

除虫菊ってなに?

除虫菊【じょちゅうぎく】
和名:シロバナムシヨケギク キク科の多年草・英名はPyrethrum

原産国は地中海・中央アジアといわれ、セルビア共和国(旧ユーゴスラビア)で発見されました。この花は古くから殺虫効果があることが知られており、現在もケニアをはじめ世界各地で殺虫剤の原料として栽培されています。殺虫成分ピレトリンは花の子房に多く含まれています。

尾道市立美術館南側斜面  除虫菊の見頃は5月上旬~中旬です。

日本では弊社の創業者である和歌山県出身の上山英一郎(うえやま えいいちろう)が明治19年(1886)にアメリカのH.E.アモア氏から除虫菊の種子を贈られ、渦巻型の蚊取り線香を発明しました。

上山英一郎は和歌山県や広島県・香川県を中心とした瀬戸内地方、北海道など日本の各地で除虫菊の栽培を奨励しました。

第二次世界大戦前は盛んに生産され、日本から世界中に輸出されて産業振興に貢献しました。

しかし第二次大戦後はピレトリン類似化合物のピレスロイドが殺虫成分の主流となり産業としての除虫菊の栽培は現在では終了しています。
(注 除虫菊は、そのままの状態では殺虫効果はほとんどありません)

なるほど、現在の金鳥の蚊取り線香には、除虫菊の天然成分がそのまま使われているということではなく、天然殺虫成分であるピレトリンの構造に似たピレスロイドを化学合成して製品に使用しているということですね。

このピレスロイドは合成化合物ではあるけれども、有機リン系の他の殺虫剤にはない優れた効果を持っています。大日本除虫菊のHPのリンクを貼りますのでご確認ください。

個人的には、哺乳類・鳥類など恒温動物の体に入ってもピレスロイドは速やかに分解され、短時間で体外へ排出されるという特性が一番付加価値が高いと思います。

ピレスロイドについての踏み込んだ情報はWikipediaで確認ができます。

除虫菊に関連した世界も非常に奥が深いことがわかります。

今回のゲノム解読をきっかけとして、数年度により高機能な蚊取り線香が生まれてくるかもしれませんし、殺虫剤に対する従来の概念を覆すような商品が生まれてくるかもしれません。

今後の動向が楽しみです。

 
 
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