最近、ハーブ・アロマ関連のお店のニュースを眺めていると、感覚的に”静岡”のお店のニュースの頻度が高い印象です。
先週、緑茶×ハーブの可能性を追求する静岡市葵区にあるaardvark tea Astandを取り上げましたが、今日も、静岡市の料理店のニュースを取り上げます。
スパイスとハーブが導くレバノンの優しい記憶 静岡市「汽」
静岡駅北口からすぐ。静岡の海をイメージした青を基調とした静かな空間に足を踏み入れると、どこか異国の香りがふわりと鼻腔をくすぐる。「汽[Ki:] 静岡」は、レバノン料理をベースに、日本人の感性と調和する味を追求した稀有な店だ。主役は、植物性のコロッケ「ファラフェル」。ひよこ豆とそら豆を軸に、ハーブやスパイスを丁寧に混ぜ、ひと口サイズに丸めて揚げる。サクッと軽い衣の中には、しっとりとした豆の旨み。肉を使わないその一品は、驚くほど満足感がある。チキンの存在感も見逃せない。県内産の鶏むね肉をじっくりマリネし、専用の窯で香ばしく火を入れる。しっとりと柔らかく、それでいて旨みが深く、ほんのりとスパイスが香る。
そのすべてを受け止めるのが、グレーのピタパン。生地に練り込まれたのは、野菜の端材を炭にして作った自家製のパウダーだ。淡くスモーキーな風味が、具材の輪郭を引き立てる。ピタに好きな組み合わせを包み込む。それはまるで、自分だけのレバノンを編むような時間だ。
夜には、さらに印象深い皿が登場する。たとえば、自家製の鴨ハム。注文を受けてからスライスし、静かに香るスモークの香りと、県産メロンの瑞々しさが一体となる。ミントとヨーグルト、そしてタイムの清涼感が、蒸し暑い夜にそっと寄り添う。
デザートもまた、レバノンの個性を映す。麺状のカダイフにチーズをはさみ、ローズウォーターと柑橘のシロップをまとわせた「クナーファ」。その上に乗るのは、窯でスモークした自家製ミルクアイスと、香ばしいピスタチオ。ひと口ごとに、記憶にないのに懐かしい不思議な感覚が押し寄せる。
締めにおすすめなのが「ローストバナナ」。15分じっくりと焼き上げたバナナは、とろけるような口当たり。デーツのシロップ、シナモン、スモークアイスとの組み合わせで、温と冷、甘と香の余韻がいつまでも残る。
“遠くて近い”を感じさせるレバノンの食文化。静岡という土地で、丁寧に再構築されたその味わいは、ただ異国をなぞるのではない。こんな自由さと優しさがあってもいい。そう思わせてくれる、貴重なひと皿がここにはある。
汽[Ki:] 静岡
静岡市葵区御幸町20(cosa1F)
TEL 054-204-1011
営 月・火・木・金11:00~15:30 (L.O.14:45)/18:00-22:00(L.O.21:00)
土・日・祝8:00~10:30(L.O.9:45)/11:00~15:30 (L.O.14:45)/18:00~22:00(L.O.21:00)
休 水曜日※LOOK 静岡朝日テレビの2025年7月30日のコラム(https://look.satv.co.jp/content_column/gourmet/64860)より抜粋
私自身、レバノン料理はまだ未体験なので、興味深々です。
ローズウォーターを使うところなんかは、イラン料理の文化も融合している印象です。両国はシリア、イラクを隔てていますが、お互いの文化に影響を与えている可能性あるかもです。
汽[Ki:]のホームページ(Instagram)を見ると、店内の雰囲気、及び、上の記事には出ていないメニューも見ることができ、ますます興味がソソラレマス!
静岡に行く際は、ハーブ・アロマ好きにとってMust Go!なお店ではないでしょうか。
参考までに東京都内のレバノン料理店の情報を以下に貼ります。