約半年前に、”お茶の漬物”と評される『後発酵茶』で有名な「碁石茶」(ごいしちゃ)のことを取り上げたことがあります。
【過去の参考記事:”お茶の漬物”と評される『後発酵茶』で有名な「碁石茶」をはじめて飲んでみました。】
この記事を取り上げたときに、「茶(チャ)」は、
チャノキ(学名:Camellia sinensis (L.) Kuntze)の葉や茎を加工して作られる飲み物で、その発酵度合いによって、
「不発酵茶」、「半発酵茶」、「発酵茶(完全発酵茶)」、「後発酵茶」の4種類に分けることができるということを初めて知りました。
不発酵茶とは
不発酵茶とは、茶葉を摘採(収穫)した後、「蒸す」「釜で炒る」「火で炙る」「天日で干す」など熱を加えることで酵素を不活性化(酵素の働きを止め、発酵させない:殺青と呼ばれます)させて作られます。日本で作られるお茶はほぼ全てが緑茶で、この緑茶は「不発酵茶」を指します。
茶葉が発酵していないため、水色(淹れたお茶の色)は緑色になります。
緑色のお茶なので緑茶と呼ぶ訳ですね。
煎茶や玉露、抹茶など、緑茶の種類についてはまた別の記事【不発酵茶(緑茶)とは】でご説明したいと思います。
半発酵茶
半発酵茶とは、酵素による発酵を途中で止めて作られたお茶です。いわゆる「ウーロン茶」は半発酵茶の代表と言えます。
発酵の度合いによって「白茶(パイチャ)」「黄茶(ファンチャ)」「青茶(チンチャ)」などに分けられます。
これらの違いについては、また別の記事【半発酵茶とは】でご説明したいと思います。
全発酵茶
発酵茶とは、酵素による発酵が完全に進んだ後に作るお茶です。「紅茶」はこの発酵茶にあたり、完全に発酵していることから「完全発酵茶」「全発酵茶」などと呼ばれることもあります。
世界中で最も消費されているお茶は、紅茶であるこの「発酵茶」です。
詳しくは、また別の記事【全発酵茶とは】でご説明したいと思います。
後発酵茶
後発酵茶とは、茶葉に含まれる酵素によって発酵させるのではなく、乳酸菌などの微生物によって発酵させたお茶です。中国茶の「プーアル茶」や、日本の高知県の「碁石茶」、徳島県の「阿波茶」などがこの後発酵茶です。
摘採された茶葉を熱処理によって殺青(発酵を止め)し、微生物を加えて発酵させるため、漬物のようなお茶と言えます。
詳しくは、また別の記事【後発酵茶とは】でご説明したいと思います。
※古賀産業株式会社のHP中の記事(http://www.kogacha.co.jp/yame-tea/archives/2)より一部抜粋
今までの人生で日ごろ親しんできた、烏龍茶、緑茶、紅茶などは全て同じ品種の茶葉から作られたものだということを知ったときは、非常に大きな衝撃を受けたことを記憶しています。
製法の違いによって、こんなに風味が大きく変わり、そして、それぞれが独特の風味を持って「美味しい」という植物は、この世の中にチャノキ(学名:Camellia sinensis (L.) Kuntze)以外に存在するのか?と思うくらいです。
今年の春、マレーシア・ペナン島へ行った際、バクテー(肉骨茶)のお店の店主が、「これを飲んで私は凄く体調が良くなったよ!」と、黒茶(Black Tea)と書かれたお茶を薦められ、とりあえず興味があったので購入しました。
【過去の関連記事:「バクテーの素」を使って、マレーシアの薬膳料理『肉骨茶(バクテー)』を作ってみてわかったこと。】
黒茶も、先程のチャノキ(学名:Camellia sinensis (L.) Kuntze)から作られたものであり、部類としてはプーアル茶と同じ【後発酵茶】であることがわかりました。
購入後、約半年間、部屋の棚に眠っていたのですが、昨日、初めて飲んでみました。
妻と息子の3人で飲んだのですが、「すごく飲みやすい!ゴクゴクいける」というのがみんなの反応でした。
確かに何杯でもいけるという感じで、「身体の中が洗浄される感覚」があり、先程の店主の言葉は嘘じゃないなと思いました。
今回の体験を通じて、黒茶の世界についてコツコツと知見を広げていきたいと思うようになりました。