養命酒製造が発表した、和ハーブ『クロモジ』のインフルエンザウィルスに対する作用に関する実験について

昨年11月の記事【「地元・身近なところにある薬草を生活に役立てましょう」という動きについて】の記事の中でも書きましたが、

「身の回りに自生している実(じつ)は薬効成分のある草に気づいて、それを生活の中に取り入れていきましょう」という流れが起こってきている現状は、”自然な循環”が発生してくるという観点においてプラスになると考えています。

先住民族たちの生活スタイルを想像すると、「自然な循環」の意味がわかってくると思いますし、”利権が渦巻く製薬業界が製造した薬を取り入れる”というのは、今の社会環境の中では必要なものではあるけれど、不自然な感じはしてくると思います。

当然、日本の中で、身の周りの野草に注目していく人が増えていくと、「日本原産のハーブ」、いわゆる、『和ハーブ』に対する関心を持っていく人も増えてくると思います。

そして、今後、『和ハーブ』の薬効についての研究などが活発化していくように思います。

そんな中、養命酒製造株式会社(本店:東京都渋谷区 )は、2018年6月2日(土)、日本感染症学会学術講演会において、

国立研究開発法人国立国際医療研究センター研究所感染症制御研究部(以下、NCGM)、および愛媛大学医学部附属病院抗加齢・予防医療センターとの研究による「クロモジエキスの抗ウイルス作用」

について発表したのですが、どんな内容なのかを見てみたいと思います。

 

【インフルエンザ感染者数に有意差】


看護師ら男女134名を2グループに分け、それぞれクロモジエキスを配合していない試験品(プラセボ)とクロモジエキスを配合した試験品を1日3回、12週間毎日摂取してもらったところ、インフルエンザ感染者数は、前者が9名、後者が2名で、クロモジエキスを摂取した群の方が有意に少なかった。
※愛媛大学医学部附属病院抗加齢・予防医療センターにて2017年12月~2018年3月に実施

【クロモジエキスがインフルエンザウイルスの増殖を抑制】

ウイルスに感染させた細胞を培養すると、ウイルスが増殖して感染した周辺の細胞が死滅し、プラーク(白く抜けた部分)ができる(左)。一方、クロモジエキスを添加したシャーレではウイルスの増殖が抑制され、プラーク形成ができない(右)。
※国立研究開発法人国立国際医療研究センター研究所感染症制御研究部による実験
クロモジは日本の山地に自生するクスノキ科の落葉低木で、高級楊枝としての利用や精油が有名です。
今回、愛媛大学医学部附属病院に勤務する看護師ら男女134名を対象に、二重盲検試験を実施しました。クロモジエキスを12週間、毎日3回摂取したグループは、プラセボ試験品を摂取したグループより、インフルエンザ感染者数が有意に少ない結果になりました。
このヒト試験は、NCGMの基礎研究により、クロモジエキスはウイルスを不活化するだけでなく、細胞に感染したウイルスの増殖を抑制する作用が明らかになったことを受けて実施されたものです。また、これらの働きはインフルエンザウイルスだけでなく、ノロウイルスやロタウイルスにも同様に確認されました。

■ヒト試験について

愛媛大学医学部附属病院抗加齢・予防医療センター
センター長 伊賀瀬道也氏

「愛媛大学医学部附属病院看護部に全面協力していただきました。被験者全員にインフルエンザワクチンを接種してもらい、二重盲検法により、3ヶ月間試験を実施してもらったところ、インフルエンザに罹患した人数および割合は、クロモジエキスを摂取した群で2人(3%)、プラセボの群では9人(13%)となり、明らかにインフルエンザに罹患する確率が下がりました。」

■抗ウイルス作用について
 ウイルスは細胞内の活性酸素を増やし、細胞を弱らせることで増殖します。クロモジエキスに含まれるポリフェノール「プロアントシアニジン」は、細胞内の抗酸化酵素を活性化させ、活性酸素を中和することで、間接的にウイルスの増殖を抑えます。この抗ウイルス作用は非特異的なので、インフルエンザに限らず、ノロウイルスやロタウイルスなどの感染に対しても予防が期待できます。
 また、NCGMの研究により、「プロアントシアニジン」が、ウイルスの表面に直接接触して膜を破壊し、ウイルスを不活化させることもわかっています。

【活性酸素のある環境でウイルスが増殖】

 

 

 

 

ウイルスが細胞内に侵入すると、細胞内に活性酸素が増え、細胞が弱まり、ウイルスが増殖する。

【クロモジエキスがウイルスを抑制】

 

 

 

 

プロアントシアニジンが、

1.細胞に触れることで、細胞内の抗酸化酵素を活性化させ、活性酸素を減らし、ウイルスの増殖を抑制する。
また、
2.ウイルスの表面に吸着することで膜を破壊する。

国立国際医療研究センター研究所感染症制御研究部
客員研究員 吉仲由之氏

「クロモジエキスのポリフェノールにはカテキンがたくさんつながった状態の『プロアントシアニジン』が多く含まれています。この成分は、細胞に触れることで『AMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)』と呼ばれる酵素を活性化し、細胞の活性酸素を減らす酵素『マンガンスーパーオキシドディスムターゼ(Mn-SOD)』の量を増加させることが確認できました。プロアントシアニジンが細胞内の活性酸素を減少させ、抗ウイルス作用を示したと考えられます。私はこれまで、植物が持つ抗ウイルス作用を調べてきましたが、古くから日本に自生している植物のこうした働きが明らかにされました。新しい抗ウイルス剤開発の標的とし、汎用ワクチン開発の可能性を考えたいと思います。」

◆試験主体: 国立研究開発法人国立国際医療研究センター研究所感染症制御研究部 特任部長・秋山徹、客員研究員・吉仲由之
◆細胞株:   MDCK細胞(腎臓上皮由来細胞)
◆感染処理: 単層培養を準備し、培地中へインフルエンザウイルスを接種し60分間感染させた。
◆被験物処理:感染後、クロモジエキスを含む培地で培養した。◆染色方法: 培養後、細胞を固定し、クリスタルバイオレット溶液で染色し、プラークを観察した。

■クロモジについて

クロモジの枝クロモジの枝

クロモジは、日本の山地に自生するクスノキ科の落葉低木で、枝葉によい香りがあるため、山地の人々や登山愛好家に親しまれてきた植物です。樹皮にある黒い斑点を文字に見立て、クロモジ(黒文字)という名前が付けられました。

クロモジの楊枝クロモジの楊枝

クロモジの枝には甘い芳香があります。この香りがあるから、または抗菌作用があるから、など諸説ありますが、古くから皮付きのまま削って楊枝として使われ、今では和菓子に添えられる高級楊枝として知られています。

春には花を咲かせます春には花を咲かせます

蒸留によって採取される精油も有名です。香りの主成分は、リラックス作用が期待できるリナロールです。また、「ウショウ(烏樟)」の名で生薬としても使われてきました。

当社は、今後もクロモジエキスの新たな健康素材としての可能性の研究を続け、新製品開発に活かして参ります。

※PRTIMES(2018年6月5日)より一部抜粋。

 

広範囲にわたる情報がバランスよく盛り込まれている、わかりやすい記事です。

実験によって、クロモジの抗ウィルス作用が具体的になってきたということで、今年から来年にかけてクロモジを活用した商品のリリースが活発化してくるかもしれないですが、

現時点で、精油以外でどんな商品が売られているのかをAmazonで少し調べてみました。(1カテゴリーについて一つ)

商品カテゴリーとしては以上のような感じでした。

個人的には、歯磨き粉に「クロモジエキス配合」というのはありかなと思いました。

インフルエンザウィルスにも効果があるということでしたら、子供の歯磨きに使用したい親が一定数いるような気がします。

「クロモジ」というキーワードは今後注目していきたいと思います。

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