今がまさに旬のハーブとして扱われる花と言えば、カレンデュラではないでしょうか。
ポットマリーゴールドという名称で呼ばれることもあり、薬用として使われる品種は、Calendula officinalis L.(学名)です。
以前、兵庫県淡路島にある、カレンデュラ栽培で有名な廣田農園のことを取り上げたことがありますが、4月11日より前に花が満開になっていることが以下の記事でわかります。
【過去記事:兵庫県淡路市のカレンデュラ生産農家『廣田農園』について。カレンデュラが淡路市の特産だったことをはじめて知りました。】(2019年4月12日)
また、北海道の山奥にあるハーブ農園のlien(リアン)のカレンデュラを、ハーブティーにブレンドするために最近購入したのですが、とても品質が良く美味しかったです。
【過去記事:フランスで12年間修行をしたハーブ農家【Lien】(北海道・旭川)の生産者としての姿勢に感銘を受けます。】(2021年2月17日)
今日はそんなカレンデュラを使用した健康スイーツの作り方を取り上げた記事を紹介します。
長田佳子の季節のハーブを愉しむお菓子。カレンデュラのレアチーズケーキ
自然からのいただきものであるハーブの力を取り入れて、心と体に優しく寄り添う「レメディ」のようなお菓子を作る〈foodremedies〉として活動する菓子研究家の長田佳子さん。砂糖にはない甘さやほのかに感じる苦味、鼻をくすぐるいい香り——。ハーブはそのときの心と体の状態によって、五感で感じ取るものが繊細に変化する奥深さを秘めた暮らしに役立つ植物です。そんな季節のハーブを使った長田さんオリジナルのお菓子のレシピを紹介するこの連載。第13回は「カレンデュラのレアチーズケーキ」をお届けします。
This Month’s Herbal Sweets
「カレンデュラのレアチーズケーキ」
春になると花屋や花壇でよく目にする「カレンデュラ」。朝日のような色鮮やかで美しい橙色の花びらの見た目の様子から「花」という印象が強い植物かもしれませんが、実は古くから薬草や料理に使われてきた、ハーブの一種です。例えば、抗酸化作用や免疫力を高める作用が期待できるなど、私たちの健康や美しさを支えてくれる力を秘めています。ぜひ、このシーズンに無農薬栽培で育てられたカレンデュラを取り寄せて、スイーツに取り入れてみましょう。眺めたときの美しさだけではなく、ハーブとしての新たな魅力に気が付けるはず。
今回は、さっぱりと爽やかに締めくくってくれる、ヨーグルト風味のレアチーズケーキを。和・洋・中、どんな食事にも合うので、レパートリーとして持っておくと心強いメニューです。カレンデュラの有効成分をアルコールに漬け込んで作る「チンキ」をフィリングの材料にしたり、トッピングに花びらを散らしてみたり、余すところなくいただきましょう。フィリングには、バターや卵を使わないので、一般的なレアチーズケーキよりも、より体に負担がかからず、おいしさもヘルシーも同時に叶えてくれます。小さめな透明グラスに盛り付けて、涼しげで華やかなムードを楽しんでみて。
カレンデュラ/原産地は地中海沿岸。キク科の植物。皮膚や粘膜の修復に優れたハーブで、肌の炎症、火傷などの肌トラブルにも使われてきました。また、抗菌、抗ウイルス作用などにも優れているといわれています。エキスをオイルやアルコールに抽出して使用されることが多いのも特徴。月経不順や更年期障害の緩和、発汗・解熱の作用もあるといわれていて、ハーブティーにしていただくのもおすすめです。
レシピ 2人分
・ウォッカやホワイトリカー20ml(アルコール度数が25%以上のもの)
・カレンデュラの花びら2輪分 *1輪は飾り分として取っておく。
・クリームチーズ100g
・きび砂糖15g
・オレンジの皮と汁 小1個分
・ヨーグルト80g
・板ゼラチン1g
・生クリーム30ml[下準備]
ウォッカやホワイトリカーにカレンデュラの花びらを常温で2週間浸けてエキスを抽出し、「チンキ」を作る。*花びらの色が付くまでを目安に。
クリームチーズを常温に戻して柔らかくしておく。
How to cook
1. ゼラチンを水に浸けてふやかす。水をきり湯せんで溶かしたら、カレンデュラを浸けた「チンキ」を加える。
2. ミキサーにクリームチーズときび砂糖を入れる。柑橘の汁を搾り、なめらかになるまでミキサーを回す。
3. 2を別のボウルに移す。ヨーグルトと生クリームを加え、ゴムベラで混ぜ合わせる。
4. 1に3を少量加え、よくなじませ、残りをすべて混ぜ合わせたら、器に流し冷蔵庫で20分程度冷やす。表面にオレンジの皮を削り、カレンデュラの花びらを散らす。
photo: Hiroko Matsubara edit & text : Seika Yajima
ハーブ:まるふく農園 キッチンクロス提供:FLUFFY AND TENDERLY
器:山野アンダーソン陽子ほか<プロフィール>
菓子監修 長田佳子〈foodremedies〉
菓子研究家。レストラン、パティスリーなどでの修業を経て、YAECAフード部門「PLAIN BAKERY」でメニュー開発、お菓子の製造を担う。2015年に独立。〈foodremedies〉という屋号でハーブやスパイスなどを使ったまるでアロマが広がるような、体に素直に響くお菓子を研究している。著書に『季節を味わう癒しのお菓子』(扶桑社)、『全粒粉が香る軽やかなお菓子』(文化出版局)などがある。※&Premium.jpの2021年4月16日の記事(https://andpremium.jp/column/herbal-sweets-13/)より抜粋
旬のハーブを活用したスイーツを作るというのはとても心が躍ります。しかも、チンキをスイーツに活用するという発想が今までなかったので非常に勉強になりました。
チンキを作るモチベーションがグッと上がります。
また、この記事で使われているハーブは高知県の”まるふく農園”のハーブとのことですが、こだわりを持った魅力的なハーブ農園であることがわかってきました。今後取り上げたいと思います。
さらに、このレシピを紹介している菓子研究家の長田佳子さんの、”ハーブやスパイスなどを使ったまるでアロマが広がるような、体に素直に響くお菓子を研究”する活動から個人的に目が離せません。