過去5年以上にわたり、自宅庭でガーデニングを楽しんできましたが、今年のガーデニングは自分の中で大きな変革点と位置付けています。
今まで、地植えに関しては、とにかく空いているスペースに強引に興味のあるハーブを植えたり、鉢植えについても、手当たり次第ハーブを植えるという感じで鉢は増える一方でした。
昨年の時点でその手法はすでに限界を迎えた感があり、今後のガーデニングの方向性について必然的に転換を求められていることが明らかでした。
そこで今年は、テーマ/コンセプト別のスペースを作っていくことと、鉢植えについては鉢の数を半減し、頻繁に使うキッチンハーブへと集約していく予定です。
そんな中、ガーデナーによるお洒落にガーデニングを楽しむ知恵が満載の記事を見つけました。今年のガーデニングの際に参考にしたい内容があったので取り上げたいと思います。
【実例】小さな庭の作り方 狭い庭でもおしゃれにガーデニングを楽しむ!初心者向けに解説
お料理に庭のハーブを使ったり、庭の草花を花束や一輪挿しにして飾り、クリスマスにはリースづくりをして部屋でも草花に親しむことができる。こんなふうに庭からの緑の恵みや季節の移ろいを感じるのに、決して広いスペースや多くの植物が必要なわけではありません。小さな庭とどんな暮らしをしたいか? まずは考えてみませんか。【解説】戸倉多未子(ガーデナー)
著者のプロフィール
戸倉多未子(とくら・たみこ)
有限会社グレイスオブガーデン代表。ガーデナー。暮らしを豊かにする緑の庭づくりをモットーに、小さな庭からエクステリア、ガーデンリフォームまでオリジナルガーデンを手がける。化学肥料に頼らない、自然の恵みを生かした庭づくりを得意としている。ガーデニング講師歴30年、ガーデニング関連の雑誌などでも活躍中。
▼グレイスオブガーデン(公式サイト)
▼戸倉多未子(facebook)
▼@tamikosanexma(Twitter)
▼tamiko.tokura(Instagram)本稿は『小さな庭のつくり方』(永岡書店)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
イラスト/あらいのりこ
小さな庭の「恵み」
私の思う素敵な庭。それは日々の暮らしの中で緑を身近に感じることができ、季節の花も少し楽しめて、庭に植えた植物たちを生活に生かせるおしゃれな庭です。お料理に庭のハーブを使ったり、庭の草花を花束や一輪挿しにして飾り、クリスマスにはリースづくりをして部屋でも草花に親しむことができる。こんなふうに庭からの緑の恵みや季節の移ろいを感じるのに、決して広いスペースや多くの植物が必要なわけではありません。
すぐにマネしたい!
半坪からできる小さな庭づくりどんな小さな空間でも、草花使いのアイデアで素敵な庭に! 夢をかなえた実例をケース別に紹介します。
玄関前のスペースの実例
土の少ない玄関前も緑あふれる小さな庭に人の出入りが多い玄関前は、草花を使った空間づくりにチャレンジしてほしいスペースです。
▲玄関前の駐車スペースの隅をガーデンに! レンガ製花台を設置して、限られた場所でも草花が飾りやすく、手入れもしやすくなりました。
▲幅10cmのすき間があれば緑あふれる空間はつくれる!
方形石の小道の脇や乱形石のすき間など、幅が10cmほどあれば小さな植栽スペースが生まれます。フェンスや樹木の足元で日あたりが期待できないところでも、日陰向きの植物や土を覆うグラウンドカバーを植えれば、爽やかな緑あふれる空間に。鉢植えや寄せ植えの活用で自分らしい家構えを実現
人の目に触れることの多い玄関前のスペースは、家全体の印象を決める場所です。庭としてつくりがいのある空間ですが、土のあるスペースがほとんどないことも……。そんなときは、鉢植えの大きさや素材の異なる構造物を上手に組み合わせてスモールガーデンをつくってみましょう。
限られたスペースでも、玄関前を草花で演出することで自分らしい家構えが実現できます。
門扉まわり&アプローチの実例
“家の顔”を草花でセンスよくきれいに飾る外と敷地をつなぐエントランスや門扉まわりは、その家の個性を表す場所。美しく彩りましょう!
▲アーチまわりにはバラやスイフヨウなど、お気に入りの植栽を集めて、春から夏にかけて花が絶えないアーチのエントランスに。
▲植栽はグルーピングしてすっきり見せる!
ハンドメイド感のある門柱と赤いポスト、家屋へと続く乱形石のアプローチが、緑の空間を引き締めます。ハーブ類、樹木など種類ごとにグルーピングしながら植えるのは、たくさんの草花を植えていても、散らかって見えないアイデアです。▲日陰のエントランスは落ち着いたムードたっぷりの庭に
家屋から道路までは細い通路になる旗竿地。日照が確保しにくい日陰の土地を逆手にとったしっとり落ち着いたエントランスです。門扉から家屋までのアプローチに、ホンコンエンシス、ヒメシャラなど8本の樹木を配置して、雑木の道を実現しました。家の印象を決める空間をお気に入りの草花で美しく演出
敷地の外に面した門扉まわり、外とプライベートスペースをつなげるアプローチは、家の印象を決める大切な場所なので、草花を充実させたいところ。
小さなスペースの場合は、アーチなどの構造物を使って植栽を上の空間にあしらったり、少し広めの空間ならば樹木を多めにして雑木林のようにするのも方法です。条件が限られがちな小スペースこそ、アイデア次第で素敵に生まれ変わります。
ローメンテナンスの庭の実例
植栽スペースを限定した手間をかけない庭づくり素敵な庭にしたいけれども、手間はかけたくない。そんな夢のような庭づくりのコツを紹介します。
▲カラーリーフや生育スピードがおそめの樹木を中心に植栽をして、最小限のお手入れでしっかり保てる庭になっています。
▲目線を1か所に集める
フォーカルポイントをつくって漠然と草花を配置するのではなく、空間に1か所、ひと際目を引く注視点「フォーカルポイント」をつくるのも大切です。それ以外のスペースは多少手を抜いても、メリハリのある空間が実現できるでしょう。▲土の面積を減らしてお手入れ時間をカット
面積が広めのメインの庭も、大部分を石板やタイルなどで覆ってしまえば、雑草が生えず、お手入れいらずになります。ポイントは数か所だけ土を残した植栽スペースを設けること。無理のない範囲で草花を楽しむことができます。▲小さな庭でも美しいバラを楽しみたい!
お手入れに手間がかかるイメージのバラですが、品種を選べば実はとても丈夫で、わずかなスペースでも大きく育つ、小さな庭向きの花です。日あたりとスペースに合わせた品種をセレクトして、1株からはじめてみましょう。花より葉もの中心の植栽で手間が省ける環境づくりを
草花の日々の手入れには、水やり、咲き終わった花の花がら摘み、雑草とり、大きくなった多年草や樹木の枝の整理(切り戻し、剪定)など、労力がかかります。ローメンテナンスの庭を目指すなら、あらかじめそれらの手間が省けるような環境づくりをすることが大切です。
具体的には、植栽スペースを限定させる、メンテナンスしやすい草花や樹木を選ぶ、花よりも葉もの中心の植栽にするなどの方法があります。最近は個性的なカラーリーフもそろうので、上手にとり入れましょう。
ミニチュアガーデンの実例
縦空間を活用して狭い庭を快適に演出庭づくりビギナーは、欲張らず空間のほんの一部分を飾るところからスタートしましょう。
▲個性的な姿形をした多肉植物は、小さなコーナーを飾るのにぴったりの植物です。水やりの回数が比較的少なくすむので、ビギナーにもおすすめ!
▲優美なつるバラ・ジュリアを壁面にはわせ、ハンギングをプラス。少ないアイテムでワンコーナーを充実させています。足元の面積が狭い庭は特に、空間を縦に意識すると豊かなスペースが生まれます。
バラの根元を見ると
▲杏色の花びらがやさしい印象のつるバラのアルケミストを、玄関脇の壁面に誘引しました。奥行30cm弱のスペースに植えた1株も、こんなに大きく育ちます。
悪条件の場所、小さな場所でもまずは草花を植えてみる
上の写真のつる性のバラは北向きの壁面を使って、5年間育てたもの。
こんな大きな株も根元はわずか奥行30㎝の花壇です。枯れることを恐れずにまずは植えてみて。一見すると条件はよくない場所でも、草花はしっかり育ちます。
メインの庭の実例
家族の夢をかなえる個性豊かな庭づくりメインの庭では、家族が求める庭空間のイメージをかたちにしましょう!
▲バラが絡むパーゴラを中心にリフォームしてかなえた夢の庭。すべてを植え替えるのではなく、既存の樹木にローメンテナンスの樹木をミックスして、眺めのよい庭を目指しました。
▲植栽で生まれ変わるリゾート風のガーデン
バリのリゾートにいるような気分でビールやお茶を楽しみたい、という願いをかなえた庭です。エキゾチックなテイストの植栽でまとめた花壇の前に、屋根つきのテラスを設置した個性が際立つガーデンです。▲バラいっぱいのナチュラルガーデン
草花いっぱいの庭をつくるなら、日々のお手入れのしやすさを考えるのもポイント。レンガの小道を中心に置いて、両脇にバランスよく植栽をほどこして、すべての草花に手が届くようにしています。手前に低いもの、奥に高い植物を植えたのは、見栄えだけでなく生長を妨げないためのテクニックです。庭に求める目的やイメージを具体化してデザインを考える
あなたはどんなふうに庭で過ごしたいですか? 例えば最近では、眺めるだけでなく、料理に使えるハーブ類や野菜類を育てたいという要望も増えています。
メインの庭となるスペースをつくり上げる際は特に、まず家族みんなが庭空間をどう使いたいかを考え、そのうえでどんな構造物や草花、樹木でデザインするかをイメージしてみましょう。
なお、本稿は『小さな庭のつくり方』(永岡書店)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。詳しくは下記のリンクからご覧ください。
※特選街Webの2021年3月5日の記事(https://tokusengai.com/_ct/17434352)より抜粋
工夫次第でどんどん世界を拡張できていくことがイメージできました。
活用できるデザインのエッセンスを真似させていただき、今年のガーデニングをより実のあるものにしていきたいと思います。