『量り売り』を日本に普及させることを目指すオーガニック食材輸入店「nue by Totoya」(東京・代々木)。環境問題対策において必須の切り口だと思います。

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アマゾンの大規模火災や、オーストラリアの大規模火災のニュースは、昨年のニュースの中で非常にネガティブに捉えられると思いますが、『人類の意識の転換』を促す意味では大きな意味を持つ事象だったと思います。

2020年以降は、口だけではない、本当のエコ(環境負荷を最大限下げていき、持続可能な)社会構築の動きが加速していくと予想しています。

一つの側面として、私も含めて、多くの人々は、プラスチックごみを廃棄し続ける社会は間違っている、とは思いつつも、消費者側の観点としては、エコバックを使ったり、プラスチック容器が使われていないものを極力購入するというレベルの行動がほとんどだと思います。

消費者側の努力というは限られている為、商品を提供する側の努力を最大限拡大していくことが非常に大事だと思うのですが、私も昨年から環境問題対策に取り組む企業の動きを注視するようにしています。

昨年8月には、ベトナムでのプラスチックごみを減らす取り組みについて紹介をしたことがあります。

【過去の参考記事:「バナナリーフ」をビニール袋の代用品にする発想。プラスチックゴミ問題解決の切り札は「植物」なのか。

記事の中にもありますが、ベトナム・ハノイで2019年6月に行われたプラスチックごみ削減のキャンペーン開会式では、グエン・スアン・フック首相が「使い捨てプラスチック製品の使用の停止を2025年までに目指す」と発表しているようです。

ベトナムの官民一体となった取り組みから目が離せないと共に、日本はどうなってるの?という意識も強くなっているのですが、先日、今後が非常に楽しみな取り組みに関するニュースが入ってきました。

「量り売り」での買い物を当たり前に。環境問題に取り組むショップが可愛い!

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食材を入れる容器や袋を家から持ち込み、必要な分だけ量り売りで買う。プラスチック廃棄物やフードロスが社会的課題となる中、そうした量り売り店を日本に普及させることを目指すモデル店舗「nue by Totoya」が東京・代々木にオープンした。

運営するのは、仏在住で日本の料理人向けにオーガニック食材の輸入を行うPapillon d’Or(パピヨンドール)の梅田温子社長。同店舗を通して、日本の企業・消費者に合った量り売りの事業モデルを構築し、全国のさまざまな店での導入を進めていく。(サステナブル・ブランド ジャパン編集局=小松遥香)

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nueが開店するのは毎週日曜日。代々木公園にほど近い住宅街の大通り沿いにある店は、欧州ワインを輸入する企業のオフィスを借りて営業している。nueは2019年12月13日の本格オープンに合わせて、9月から試験的に営業を行ってきた。

9-12月までの間に来店した人の8割はインスタグラムを見て来た10-30代だったという。ふらっと立ち寄った近所の人も、量り売りの説明をすると「それはいいね」と買い物をしてくれるそうだ。

「包装のない買い物をするとか、ごみを出さないようにしたいという需要は特に若い人を中心に高いです。でも、いまの日本にはまだまだ選択肢が少ないです」 

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そう話すのは店の立ち上げ時から運営を手伝い、広報を担当するノイハウス 萌菜さん。実際に、ネットリサーチ会社マクロミル(東京・港)の調査によると、65%の人が「プラスチック製のパッケージや使い捨て容器は不要・過剰」と回答している。国内でも量り売りを行う小売店もあるが、店が用意したプラスチック容器を使わなければならなかったり、50グラム、100グラムといった決められた単位でしか買えないなど課題が残る。

nueでは、お客さんが自らの手で必要な量を入れられるようにしている。持ってきた容器に何グラム入れたかを店員に自己申告すると、いくらなのか計算してくれる。

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ノイハウスさんはドイツ人の父と日本人の母を持ち、ドイツで生まれて英国で育った。3年半前に来日し、外資系コンサル企業で働きながら、プラスチックや環境への意識を高めてもらおうと「No Plastic Japan(のーぷら)」を立ち上げ、ステンレス製ストローの販売などを行っている。

「量り売りは日本でも昔からあったものです。今でも、米や味噌、野菜などは量り売りで買えるし、豆腐も店によっては容器に入れて持ち帰れます。ごみをださない生活を実践しようとする人たちが集まるコミュニティでは、『ここなら自分の容器で買えるよ』と古き良き量り売りができる場所の情報を交換しています」

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nueの考える「量り売り」の定義は、「包装のごみがでないこと(プラスチックごみの削減につなげること)」「必要な分だけ買うことで食品ロスを防ぐこと」。

目指すのは、店舗を拡大していくことではない。モデル店舗で量り売りビジネスを試して、実際にどのようにビジネスとして楽に量り売りを取り入れられるかを探り、改善点を反映させたビジネスモデル・システムを全国の企業・店に提供していくこと。あくまで、ごみを出さず、食品ロスを防ぐ量り売りを日本に広めていくことが目的だ。

量り売りを浸透させる難しさ

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課題について、梅田社長はこう説明する。

「量り売りは、店の一角などを利用してすぐに始められるものです。量り売りを始めるのは簡単ですが、お客さんにコンセプトを理解してもらい、来ていただくというのが一番難しい」

19歳でフランス料理人として修行を積むために渡仏した梅田社長は、2005年から日本に食材を輸入する仕事を始めた。現在、ブルゴーニュ地方で暮らし、ほとんどごみを出さない生活をしているという。生ごみはたい肥化し、国の方針によって、身の回りからレジ袋に続きカップやストローなどさまざまな使い捨てプラスチック製品がなくなり始めている。

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一方、自らが日本に輸出している製品や包装にはごみになるものが残っていることに矛盾を感じた。それをできる限り解消しようと、会社に量り売り事業「斗々屋(ととや)」を設立した。斗々屋で扱う商品は出荷時から、紙袋に入れてもらうよう農家にお願いしている。

「量り売りにすることで、農家の方にとっても小袋につめる作業をせずにすみます。有機農業はただでさえ手間がかかるので、梱包する作業が省けるのは農家にとっても良いことです」と梅田社長は説明する。

量り売りの構想は2年前からあったというが、日本の企業に声をかけても「早すぎる」「個包装をしていないと買ってもらえない」と断られた。だから自ら「なんとかしよう」とモデル店舗nue by Totoyaを立ち上げ、成功事例をつくっていこうと考えた。

日本では2020年7月からレジ袋の有料化が始まるが、フランスでは2016年7月に使い捨てプラスチック製のレジ袋の配布が禁止となっている。小売店では、生分解性のプラスチック袋や紙袋が有料で販売されているという。日本では、植物由来のバイオマスプラスチックの配合率が25%以上、繰り返し使えるとされる厚さ0.05ミリ以上、生分解性プラスチックなどのレジ袋は有料化の対象ではない。

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nueでは、フランスで買い物時に使われている薄いオーガニックコットン製の巾着袋も販売する。食材や調味料を入れて持ち運びやすく、洗えば何度でも使え、ほつれても縫えばまた使える。1枚100-300円で販売する。容器を持たずに来ても、デポジット制でビンを100円で貸してくれて、返すと100円が戻ってくる。近所のジェラート屋さんが分けてくれたというジェラート用の紙カップは無料で提供している。

nueは毎週末、東京・青山の国連大学前で開催されているファーマーズマーケットにも出店する。7月から毎月、「NAKED~waste less market~ありのままの姿で、野菜を持ち帰ろう」を一角で開催して、容器を持ってきてもらい量り売りで買い物をする経験をしてもらう機会をつくっている。

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すでに都内や大阪の企業で、量り売り事業を既存の店舗の一角で始めたところもある。香川や広島、北海道からも問い合わせが来ているという。しかし現状では、店側が量り売りを始めても、容器を持ち込み食材を「量り売り」で買うという考えがそもそもない消費者が多い。まずは「量り売りがなぜ必要か」ということを知ってもらうための勉強会から始めようと話しているという。nue by Totoya
〒151-0053 東京都渋谷区代々木5-60-2(Wonderland内)
Instagram※「サステナブル・ブランド・ジャパン」の2020年1月8日の記事(https://www.sustainablebrands.jp/sp/news/jp/detail/1195204_2135.html)より抜粋

この記事を見て、「nue by Totoya」の取り組みに大きな感銘を受けたと共に、フランスに比べて日本の環境問題に対する意識はまだまだ低いということを感じました。

先程のベトナムの記事と比較してもそうです。

私自身、東京・青山のファーマーズマーケットは定期的に通っているので、まずは「nue by Totoya」を実際に訪問し、お店の方と色々と会話をし、環境問題に対する視点を大きく広げていきたいと思います。

 「nue by Totoya」のInstagram

 
 
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