「AEAJイメージフレグランスコンテスト2017」の受賞作品は調香の深い世界観を感じます

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私自身、部屋の中でたまにアロマを焚くのですが、毎回精油をシングルで用いており、精油をブレンドすることはほとんどありません。

逆にハーブティーを飲むときは、ブレンドして飲むことの方が圧倒的に多くて、シングルで飲む比率は少ないです。

一応その理由と言うのは、ハーブティーについては、ブレンドの組み合わせの違いによる味の変化を楽しみたいということと、多少ハズレのブレンドであってもまずい味になる確率が低いので、『失敗の底が浅い』のでチャレンジしやすいというのがあります。

一方、アロマを焚く場合については、シングルの精油の世界観をそれぞれはっきり認識しているので、その世界観をストレートに堪能という気持ちがあり、ブレンドすることでその世界観が半減することを避けたいという気持ちが働きます。

そう思うのは、精油のブレンドが自分の中で難しいという想いがあるからです。失敗をしたときの香りの幅が大きく振れるので、それであればシングルを堪能しようという流れになります。

自分がそんな状態というのもあり、精油をブレンドして新しい香りの世界観を作り出す『調香師』というのはするどい感覚を持ち合わせている必要がある仕事なので、私個人としては尊敬する気持ちがあります。

そして、つい先日、そんな調香師同士が腕を競い合うコンテストがあるのを知りました。

それは、公益社団法人 日本アロマ環境協会(略称:AEAJ、東京都中央区)が主催する「AEAJイメージフレグランスコンテスト」です。

このコンテストは今年で15回目を迎えていて、2017年のテーマは『熊本をイメージした香り』を募集し、279点の作品が集まったそうです。

そして、受賞した5作品の『タイトル』『精油レシピ』『調香師のコメント』が掲載されていたのですが、私がいままで触れたことのない世界観でインパクトがありましたので、受賞5作品の詳細を以下に抜粋します。

■環境大臣賞
《受賞者》横山 弥生さん(鹿児島県)
《タイトル》「花鳥風月 銀杏城(ぎんなんじょう)」
《レシピ》
<基材> 無水エタノール 9ml
<精油> ローズウッド…4、リツエアクベバ…3、シダーウッド・バージニア…2、ジャスミンサンバックアブソリュート…2、ホーリーフ…2、フランキンセンス…2、ライム…1、バイオレットリーフアブソリュート…1、サンダルウッド…1、トンカビーンズアブソリュート(10%希釈)…1、パチュリ…1 (単位:滴)

《コメント》
数百年から約千年の熊本の歴史を見守る巨大樹木くすのき。壮大で凛としたくすのきは、熊本を優しく見守り、癒しをくれる。心が浄化する。木々を吹き抜けるそよ風は心地よい。熊本城の本丸御殿は、絢爛豪華で奥ゆかしい。別世界にいざなってくれる。昭君乃間の天井画は、圧巻である。熊本城の銀杏の木は晩秋、黄金色に輝く。歴史を感じる巨大なくすのきが見守る、きらびやかで色彩豊かな熊本城(銀杏城)をイメージしました。

■熊本フレグランス賞
《受賞者》杉浦 元昭さん(静岡県)

《タイトル》「不知火」
《レシピ》
<基材> 無水エタノール 27ml
<精油> マンダリンレッド…12、ライム…10、ローズゼラニウム…4、オレンジ・スイート…4、レモン…4、ホーウッド…4、リンデン…4、プチグレン…3、トンカビーンズアブソリュート(10%希釈) …3、ミルラ(10%希釈) …2、サンダルウッド…2、リツエアクベバ…2、スイートマージョラム…2、カモミール・ジャーマン…1、オークモス(10%希釈) …1、ローズアブソリュート …1、システ…1 (単位:滴) ※計30ml中10mlを作品として提出
《コメント》

新月の夜、その神秘の火は灯ると言われている。不知火。龍神の灯火とも言われ、その灯火を見た人は幸せになるという。数多くの伝説と共に生きている国、熊本。海、山、歴史にあふれる幸せな街を見守る明かりは、今夏も美しく、幻想的に灯る。また、その幸せを閉じ込めた柑橘「不知火」は、食した人に喜びを与える。熊本から、全国に幸せを届けている。

■日本アロマ環境協会賞(以下3作品)
《受賞者》井手 麻美さん(徳島県)
《タイトル》「Flos terra -花の大地-」
《レシピ》
<基材> 無水エタノール 9ml
<精油> ゼラニウム…3、リンデンアブソリュート …2、ローズアブソリュート …2、ローズオットー…2、サンダルウッド…2、フランキンセンス…2、ベルガモット…2、ヒメコマツ…2、ロータスアブソリュート …1、ジャスミンサンバックアブソリュート …1、キンモクセイアブソリュート …1 (単位:滴)
《コメント》
山・海・大地、ダイナミックな風景の数々。それぞれが力強く天から舞い降り、地を巡りまた舞い上がる。途切れる事のない壮大な自然の景勝はまさに私が描く熊本のイメージそのもの。その中にも、一重一文字咲きを特徴とし純粋且つ見事なまでに咲き誇る肥後六花。自然の姿を花で表現し、花で以って心を魅了した池坊専好の如く、神秘的で尊いまでの熊本の自然をベースにどこか趣が感じられる香りに想いをのせました。

《受賞者》藤井 京子さん(京都府)
《タイトル》「あんめんりうす ~天草の潜伏キリシタン・神に捧げ続けた祈り~」
《レシピ》
<基材> 無水エタノール 9.025ml
<精油> フランキンセンス…4、ブンタン…3、ベルガモット…3、マンダリン…2、エレミ…2、ローズオットー…2、クロモジ…1、パチュリ…1、ローズマリー・シネオール…0.5、ローズアブソリュート …0.25、ナルデ…0.5、バイオレットリーフアブソリュート …0.25 (単位:滴)
≪コメント≫
波穏やかな入り江の漁村にある崎津教会。かつてこの地で250年にわたり、キリシタンの弾圧が行われた。絵踏や改宗を強いられながらもなお転ばなかった神への誓い。今はただ、信仰を続けた村人を讃えるかのように厳かに佇んでいる。弾圧と苦難の歴史をベースの香りに込め、天上から降り注ぐ聖なる祝福のイメージを高貴で芳醇な香りで表現。柑橘を用いて、縛られない魂の尊さと天草の島々の青い空と海風を感じられるブレンドに。

≪受賞者≫渡邉 久美子さん(熊本県)
≪タイトル≫「250年の歴史ある小国杉の森」
≪レシピ≫
<基材> 無水エタノール 9ml
<精油> 小国杉…12、ユーカリ…3、ジュニパーベリー…2、フランキンセンス…2、ベルガモット…1 (単位:滴)
≪コメント≫
250年前から幾世代もの人々が育て、脈々と受け継がれてきた小国杉の森の香りを表現しました。小国町の林業は、江戸時代、細川藩から各戸に25本ずつ苗木が渡されたことに始まります。小国杉は淡い桃色が美しい、粘りのある良質なブランド杉として知られています。代々受け継がれてきた250年の森は、見るものを圧倒する大樹が並び、木々の隙間からやさしい太陽の日差しが入り、虫の音や鳥のさえずりが聞こえてきます。

※AEAJホームページより一部抜粋

この調香の世界は、恐らく『忍耐』の世界でもあると思います。

何百・何千回と組み合わせの種類と量を変化させてイメージする香りへ近づけていくプロセスというのは大変だと思います。

尚且つ、香りを感じ取る感覚というのは人によって全て異なりますので、微妙な世界観の違いを分かってもらうというのはさらに大変なように思います。

また、タイトルが、上の例で「あんめんりうす ~天草の潜伏キリシタン・神に捧げ続けた祈り~」というのがありますが、この言葉から感じ取られるイメージも人によってバラツキがありますので、どんな基準で審査をしているのかというのは個人的に非常に興味があります。

AEAJのホームページに「調香のヒント」というページがあるのですが、香りにおけるトップノート・ミドルノート・ベースノートという概念などが説明されていて、わたしのような調香の素人にとっては非常に面白いです。

AEAJの審査基準とはどういうものかについても一端が見えると思います。

AEAJでは、「アロマブレンドデザイナー」という資格もありますので、調香の世界を深めたい人にとってはいいきっかけになるかもしれませんね。

受賞者の表彰式が、AEAJ主催「第20回会員のつどい アロマフェスタ2018」の東京会場で開催されるようですので、恐らく作品も展示されると思います。

下記概要を見る限り、AEAJの会員でなくても参加可能です。

【表彰式 開催概要】

  • 日時:2018年2月25日(日)11:00~11:40(受付開始10:30~)
  • 場所:東京国際フォーラム ホールE
  • 参加費:無料
  • 定員:200名(先着)
  • 参加資格:どなたでもご参加可能
  • 申し込み方法:当日受付

2月25日は、もし行ければレポートしたいと思います。

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