「フランキンセンス(乳香)」に関する情報が昨年末から増えてきて、とても気になっています。

※広告

私が、フランキンセンスのことを意識し始めたタイミングは、昨年開催された「アロマ&ハーブEXPO」で、出店業者からフランキンセンスの樹脂のサンプルを頂いた時からです。

その時に、「あのフランキンセンスって、この樹脂だったんだ!」と初めて知り、驚きました。

【過去の関連記事:アロマ&ハーブEXPO訪問レポート【”葉山つながりプロジェクト はっぷ” 大橋マキ代表のビジョン編】

【過去の関連記事:アロマ&ハーブEXPO訪問レポート【冬を美しく乗り切るフィトケミカルクッキング編】

その後、ニールズヤード レメディーズが出している「メンズアロマハンドブック」で、花粉症には”フランキンセンス”と”ユーカリ”が効くと情報を得ていたので、

ハーブと魔女グッズの専門店『GREEN THUMB(グリーンサム)』へ行った際に、フランキンセンスの精油を購入しました。

【過去の関連記事:ハーブと魔女グッズの専門店『GREEN THUMB(グリーンサム)』(横浜元町)へ行き、 飯島都陽子さんにやっと会えました。

そしてその後、日本ガレノス協会主催のイベントへ参加した際、お話した参加者の女性が、

「私、フランキンセンスの種を買って、家の中で育て始めたら芽が出てきたんです!」

と高いテンションで話されていて、”フランキンセンスを育てる”という概念が無かったので、とても印象深く記憶に残りました。

※フランキンセンスの種はこちらから購入可能。(発芽率7%)

さらに今週足を運んだ『京都大原の庭とキッチンから ベニシアさんの手づくり暮らし展』の会場の松屋銀座から出たすぐのところにある”ニールズヤード レメディーズ銀座店”で買い物をした際に、店員の女性が、

「ニールズヤードと言えば、フランキンセンスです」

とおっしゃっていて、

「やはり、フランキンセンス無しに香りの世界を語れないほど重要な存在なんだ」

と思いました。

この流れの中で、フランキンセンスのことが気になってしょうがなくなり、昨日、冒頭のフランキンセンスの樹脂のサンプルを熱して、樹脂の香りを確認してみました。(精油との感じ方の違いを確認)

香りの印象を言語化するのが非常に難しく、何度も香りを嗅ぐのですが、それでも特徴的な言葉で表せない(例えるのが難しい)ことがわかり、このフランキンセンスの香りの奥深さに圧倒されてしまう感じです。

数千年にわたり、この香りが神聖化され、宗教との結びつきを持ってきたというのがよく分かります。

このフランキンセンスについて、生活の木 研究開発DIV. チーフアロマブレンダーの津田啓一郎氏の紹介がバランスよく纏まっています。

フランキンセンス(オリバナム/乳香)

初めてフランキンセンスに出会ったのは、今から10年以上前、伝統的な使われ方を見たのが最初でした。

イスラエルは東エルサレムの旧市街地。たしか「聖墳墓教会」付近をうろちょろしていた時に、定刻の儀式のようなものが始まり、正統な教徒(おそらくキリスト教徒)たちがトラディッショナルな衣装に身を包んで、祈りを唱えながら、行列をなして歩いていました。

行列の先頭には、細長い金属製の竿のようなものを持った人が、参列者を誘導しており、竿の先端から同じ金属製の球状の入れ物が垂れ下がっていて(釣りでいうところの浮きの部分)その球のボールから煙がモクモクと立っていました。

ご存知な方も多いと思いますが、これが”振り香炉”。中にフランキンセンスなどの薫香を入れてキリスト教をはじめとする、各種宗教儀式に神聖な香りを燻らせるための道具として使われます。

世界中から様々な目的、人種、宗教の人々がその場所にごった返している中、私にはその儀式より、その煙から放たれる決定的にホーリーな香りが印象的で、深層心理に浸み込むような感覚でした。

生まれ育った日本では感じたことのない異様な空気感と、厳粛で壮大な歴史的ムードと一体となって、まさに「香りに触れた」瞬間だったことを覚えています。

フランキンセンス(Boswellia carterii/時にオリバナムや乳香と呼ばれます)はイエメンやオマーン、ソマリアなどに自生するカンラン科の木から採られる樹脂をいいます。

木の幹を傷つけると白い樹液が出てきて、それが凝固すると写真のようなクリーム色や琥珀色の固形物になります。

その固まった樹脂を水蒸気蒸留して得られるのですが、香料にはこのような樹脂精油が多く存在します。

エレミ、ミルラ、ベンゾイン、コパイバ、ペルー、トル―、スチラックス等々…。

その中でもフランキンセンスはアロマテラピーで多く使用されます。

抗菌・防腐に優れていると言われ、近年では抗老化・抗酸化作用があるという研究結果も多く、アンチエイジングの代表的な化粧品原料としても注目されています。

レジン特有のどこかケミカルで工業的な何かを連想するような嗅ぎ口ですが、言い換えるとそれは黄金と煌めきを感じる香りで、すべてを洗い流す聖水のような瑞々しさがあります。

キンと寒さの張りつめる夜空に輝く星のような、真っ暗な海に差す一線のビーコンのような、気高さと神聖さが香りから溢れています。

フランキンセンスの香りは何にも相容れないようで、エラスティックな親和性を持つ不思議な香りです。

少し話を変え、子猫や子犬が戯れている動画を見て、気持ちがほころんだリしたことはないでしょうか?

実際は「ペットが欲しいなー」と思って見る方もいるかもしれませんし、単にかわいいなと思って見ている人もいると思うのですが、何かしら見るものを釘付けにする力があるんだと思います。

私が思うにそれは「純真無垢さ」ではないかと思うんです。

疲れていたり、忙しかったり、荒んでいたりすると、その無害で無垢で罪のない小さな小さな存在を見たとき触れたときに、何かが崩れるように心が解けていくことがあると思うんです。

フランキンセンスには他のエッセンシャルオイルとは違い、そんな心理的作用を感じます。

シトラス=リフレッシュ、フローラル=華やか、ミント=クール…

みたいなそうゆう固定概念に捕らわれることなく、もっと香りに触れるような感覚で、自身のメンタルに浸透させ、浄化されるように香りを感じてもらいたい。

三人の賢者がキリストの誕生の贈り物の一つに、フランキンセンスを選んだみたいに、この冬、このホリデーシーズンに今一度フランキンセンスの香りに触れてみてください。

2017年を振り返って、心に浸透し解けていくような、そんな手助けをしてくれるはずです。

●おすすめ使用方法
フランキンセンスは温度の加えるとより香り立ちが際立ちます、アロマランプなどの使用がおすすめです。
もちろんディフューザーでも使用はできます、その場合はぜひブレンドで
◇オレンジやベルガモットと:甘みが出て嗅ぎ馴染みのある香りになります。
◇ラベンダーやホーリーフと:シャープさが丸みを帯びて優しい香りになります。
◇モミやユーカリと:今の季節にぴったりなお部屋の空気をクリーンに心掛けられます。

津田啓一郎 生活の木 研究開発DIV. チーフアロマブレンダー

20代前半から装飾装花の仕事に携わり、生の植物から採られる香りに興味を持ち、調香師を志す。国内で調香を学んだのち、フランスにある調香師育成校 “Grasse Institute of Perfumery”にて本場の調香も勉強した、生活の木のチーフアロマブレンダー。

生活の木ライブラリーのアロマブレンドラボラトリー内の記事(https://www.treeoflife.co.jp/library/aromablendlab/essentialoil/201712043247.html)より抜粋。

フランキンセンスのあの表現が難しい香りを、なんて素敵な言葉で表現できるんだ!と調香師の凄さを感じる内容です。

あと、フランキンセンスのことがより理解できる「ステラ薫子さん」という方が書かれた記事がありますので以下に貼ります。

フランキンセンスの花の写真があったり、フランキンセンスの品質の違いについても触れられていて参考になります。

フランキンセンスのことは、今後より知見を深めていきたいと思います。

Like! Provence – プロヴァンスが大好きな、貴方へ。(バナーをクリック!)

2件のコメントがあります

  1. アバター画像

    こんにちは、フランキンセンスの木の事を調べていたらこちらにたどり着きました。
    フランキンセンスの木を守るためには私は何をすることができるのか、と考えてます。
    種は今在庫なしなんですね
    あれば挑戦してみたいなぁ、と思いました。

    素敵な記事をありがとうございます✨

    1. アバター画像

      和佳さま、コメントを頂きありがとうございます✨
      フランキンセンスは、非常に人気の高いものであるからこそ、消費者として生産現場の実態を意識していく必要性を感じます。
      需要と供給がバランスよく循環していかないことには共存できませんので、生涯を通じてハーバルライフを存分に楽しんでいくため、思考を広げていきたいと考えています☺

名前 (必須)メールアドレス (必須)サイト

コメントを残す