ちょうど一週間前、「耕作放棄地」の問題を、ハーブ栽培の切り口で解消を図る動きが広がっていきそうだという内容の記事をアップしました。
【過去の参考記事:「耕作放棄地」の問題を「ハーブ栽培」を切り口に解消し、地域を活性化していく動きが本格化してきたように思います。】
その後早速、新潟において、耕作放棄地を活用して「ラベンダー」を育てる取り組みが広がっているというニュースが入ってきましたのでご紹介します。
放棄地でラベンダー 癒やしの畑 新潟で広がる
耕作放棄地を活用し、無農薬でラベンダーを育てる取り組みが新潟県で広がっている。アロマセラピー講師や生産者ら有志でつくる「新潟ラベンダー物語」は、新潟市など県内各地でラベンダーを栽培。景観を守るだけでなく、精油(エッセンシャルオイル)など多彩な商品を開発し、イベント・セミナーを通して魅力を発信する。福祉施設とも連携し、精神障害者らに土や花の香りに触れてもらうことで心身を癒やし、就労率向上にもつながっている。(雫石征太郎)
栽培で体調回復
「どのくらいの長さで切ればいいの」「まだ香りが残っているね」。12月中旬、新潟市の畑で、会員が談笑しながら剪定(せんてい)作業に汗を流していた。高齢で耕作できなくなった畑の所有者との仲介役となった同市の農家、諸橋弥須衛さん(79)は「都市部から人が来て花を育ててくれて、地域住民も喜んでいる。これからも続けてほしい」とエールを送る。ラベンダー栽培は、遊休地を活用しようと2014年からスタートし、現在約20人の会員が活動している。自治体や福祉事業所にも賛同の輪は広がり、耕作放棄地の他、公園やワイナリーなど県内で1000株以上のラベンダーを植えている。
長岡市の就労移行支援事業所「Oneながおか」は、近隣の耕作放棄地15アールを借り、ラベンダー250株を栽培する。同事業所の保坂宏美副施設長は「ラベンダーの香りの効果で、作業する利用者の集中力が高まり、よく眠れるようになった。体調が回復して、就職率の向上にもつながっている」と評価する。
県内企業と連携
新潟ラベンダー物語は精油だけでなく、蒸留水や匂い袋、文具などを製作する他、新潟麦酒と共同でラベンダーのビールも販売。匂い袋には、新潟の伝統織物「亀田縞(じま)」「十日町紬(つむぎ)」を使うなど、さまざまな業種と連携しながら6次産業化に取り組む。販売収益は畑の維持管理費に充てる。ラベンダーの魅力を発信するため、「ラベンダーフェスタ」「アロマの日」といった催しを毎年企画。会員が講師となりアロマセラピーの活用法などを紹介するセミナーを開催する。毎回500人程度が新潟市内外から訪れる。
11月には、環境省が環境や社会を良くする取り組みを表彰する「グッドライフアワード」で実行委員会特別賞「環境と福祉賞」を受賞。「消費者のニーズではなく、社会のニーズに沿った取り組み」と評価を受けた。
新潟ラベンダー物語の真木美智代代表は、うつ病による休職者増加が社会的な問題となる中、アロマセラピーと園芸活動の必要性を指摘。「ラベンダーには人と人、心と心を結ぶ力がある。畑が自分を取り戻す癒やしの場になれば」と活動に意欲を燃やす。
※日本農業新聞の2019年12月21日の記事(https://www.agrinews.co.jp/p49540.html)より抜粋
短い新聞記事ですが、新潟県における取組の情報がしっかりと詰まっている内容だと思います。
まさにプラスの循環が生み出されている素晴らしいモデルケースだと思います。
日本における少子化の傾向はまだ進んでおり、且つ、高齢化がどんどん進んでいる今の社会において、「健康寿命」を如何に伸ばすかというのは、(実際は社会情勢に関わらず)重要なことだと思います。
その健康寿命を延ばす上でも、ハーブ・アロマとの接点を住民が増やしていける新潟県の取り組みは大きくプラスになっていく活動だと思います。
※以下に、平均寿命と健康寿命の違いについての厚生労働省の説明があります。都道府県別の平均寿命と健康寿命のランキングが記載されていて非常に興味深いです。
長野県は男女共に平均寿命は1位ですが、健康寿命の観点でみてみると静岡県(男性2位、女性1位)と愛知県(男性1位、女性3位)が優れているという部分はとても興味深いです。
因みに、平均寿命と健康寿命が共にワーストなのが、青森県の男性です。土地、食事、気候、気質等さまざまな複合的な要因があり、この分析は難しいとは思うのですが、貴重なデータだと思います。
「新潟ラベンダー物語」の活動は、以下のFacebookページで詳細をトラックできそうですので以下にリンクを貼ります。
本当に積極的な活動をしていることが、過去の投稿を見ていると伝わってきます。
この情報を知ると、新潟県のラベンダーツアーもしたくなり、うずうずしてきました。
今現在、行きたいところが増えすぎて、年末年始に「2020年に必ず行く土地リスト」を作成するので、しっかりと吟味したいと思います。