昨年、【「市町村」と「産・学」の薬草協定。その後、どんな具体的成果が出ているのか4つのケースを調べてみました】の記事の中で、ハーブ絡みの「市町村」と「産・学」の4つの協定について、その内容と当時の状況について確認したことがありました。
そのうちの一つ『「茨城県水戸市」と「養命酒製造株式会社」の薬草を活用した官民協働事業』の活動の広がりが今年になって顕著になってきたように感じています。
因みに、その事業の「締結時期」は”2016年7月”で、「連携領域」は以下となっています。
(1)薬草を通した新たな賑わいの創出に関すること。
(2)市の歴史と薬草への理解による,郷土愛及び健康意識の醸成に関すること。
(3)薬草文化の普及及び啓発を通じた市のイメージアップに関すること。
(4)薬草の産業化による地域経済の発展に関すること。
(5)水戸市植物公園の薬草園の整備及び維持管理に関すること。
つい先日、この官民共同事業で生まれた”水戸 養命酒薬用ハーブ園”における目新しいイベントについてご紹介したばかりです。(以下)
そして、今から3日前に、この官民共同事業に新たな広がりを感じさせるニュースが入ってきました。(以下)
水戸市と養命酒製造株式会社が小学校で、地域の薬草・ハーブの歴史・文化を学ぶ体験型の特別授業を9月18~19日に実施
養命酒製造株式会社(本店:東京都渋谷区 代表取締役社長 塩澤太朗)と水戸市(茨城県)は、同市内の水戸市立緑岡小学校の協力を得て、9月18日(火)と19日(水)の2日間で、同校の生徒に向けた、「水戸の今と昔に学ぶ薬草の知恵 ~元気の源、ハーブの力を学ぼう!~」という体験型の特別授業を行います。
過去に養命酒製造株式会社と水戸市が協力して行った、地域の子どもや専門学生向け企画の様子
今回の特別授業は、地域の未来の担い手である小学生の子どもたちに、江戸時代から地元水戸に根付く薬草・ハーブ文化の「歴史」と「今」を知ってもらうことを目的としています。
薬草の「歴史」を学ぶ授業では、水戸光圀がまとめさせた日本初の家庭の医学書『救民妙薬』で紹介されている薬草の活用術をクイズ形式で学び、「今」を学ぶ授業では、地域のハーブ農家で採れた朝摘みのハーブに実際に触れて、味や香りを体感し、自分たちの暮らしのどこにハーブが使われているか、その効能や使い方を学びます。
特別授業の講師には、前水戸市立博物館 館長の玉川里子氏、県内でハーブ農家を営む秋葉覚氏と秋葉寛子氏、水戸市植物園 園長の西川綾子氏の4名を迎えます。
地域に軸を置きながらも全国区で活躍する大人から体験型の授業を通して薬草・ハーブについて学ぶことで、気づきや驚き、知的好奇心の向上、また、地域に対する愛情を育む機会となることも期待しています。
水戸市(茨城県)と養命酒製造株式会社とは、2016年7月から薬草を活用した官民協働プロジェクトに取り組んでおり、2017年4月にオープンした「水戸 養命酒薬用ハーブ園」を核として、薬膳メニュー開発やハーブイベントの実施等、「見る・触れる・食べる」といった体験を通して薬草やハーブを身近に感じられる活動を進めています。
■「水戸の今と昔に学ぶ薬草の知恵」授業スケジュール
1日目:9月18日(火)
【場所】水戸市立緑岡小学校 体育館
【時間】9:30~11:15
【内容】
<水戸の薬草の昔>
日本初の家庭の医学書は水戸生まれ!
水戸光圀が作った庶民向けの薬草活用本『救民妙薬』について知ろう。<水戸の薬草の今>
朝摘みハーブの味と香りを体験!
地域のハーブの農家さんから私たちの暮らしの中のハーブを教わろう。
2日目:9月19日(水)
【場所】水戸 養命酒薬用ハーブ園(水戸市植物公園内)
【時間】9:45~11:45、13:10~15:10
【内容】
薬草・ハーブ採集ミステリーツアー
1日目の授業で教わったことを思い出して、園内の薬草・
ハーブクイズを解きながら、スープに必要なハーブを集めて、
ハーブでつくった特製ハーブスープを食べてみよう。
■水戸市立緑岡小学校
住所/茨城県水戸市見川町2563
HP/http://www.magokoro.ed.jp/midorioka-e/index.html■水戸 養命酒薬用ハーブ園(水戸市植物公園内)
住所/茨城県水戸市小吹町504
HP/http://www.mito-botanical-park.com/
五感で楽しむハーブガーデン。目で楽しむハーブ、触って楽しむハーブ、香りを楽しむハーブなどさまざまなハーブが園内を彩ります。
養命酒製造株式会社
東証・名証 第1部
代表取締役社長 塩澤太朗
東京都渋谷区南平台町16-25
www.yomeishu.co.jp※PRTIMES 2018年9月14日の記事
小学校の中で、通常の授業がある平日に2日間にわたり、薬草・ハーブの授業の時間枠を確保しているというのはすごいと思いました。
この部分はやはり「官」(水戸市)の力だと思います。
あと、自分たちが育っている地域の江戸時代からの薬草文化の歴史と今を知ることを目的にしているという内容を見て、とても素晴らしいと思いました。
自分の身近に生えている植物のことを広く深く知っていくことは、人生をいかに豊かに生きていくか、ということにも深く関連していると考えているからです。
因みに、水戸光圀が作った庶民向けの薬草活用本『救民妙薬』について、過去の記事で取りあげたことがあります。(以下)
この記事の内容を見ると、水戸光圀に対するイメージが変わる人も多いのではないかと思います。
「茨城県水戸市」と「養命酒製造株式会社」の薬草を活用した官民協働事業は、今年になって明らかに活動に広がりが出てきており、ハーブが身近なものに感じていく水戸市民は今後大きく増えていくかもしれません。
来年にかけてのこの官民協働事業の動きも目が離せません。