ローズマリーというと、ハーブのことを知らない人であっても大半の人が知っている身近な植物だと思います。
料理の香りづけにも重宝しますし、ハーブティーとしても美味しく、個人的に手放せないハーブの一つです。
過去にローズマリーの活用法に関する記事を幾つかアップしたことがありますので、以下に貼ります。
【過去記事:ハーブ農家が教える、ローズマリーに少し手間を加えるだけで優雅な気分になれる方法】(2021年4月26日)
【過去記事:常緑だからこそ役立つ! ローズマリーを活用した簡単料理・デザートレシピ18選】(2020年12月21日)
【過去記事:【ローズマリー】のことがシンプル、且つ、広範囲に網羅されている記事。活用の幅を広げたいときに役立ちます。】(2020年6月22日)
今日は上記の過去記事の中で取り上げられていないローズマリーの活用法を紹介します。
庭にあるローズマリー活用レシピ! ローズマリーシロップを作ろう
シソ科の常緑低木・ローズマリー。地中海沿岸原産のハーブで手入れもしやすく、庭に植えるのにもおすすめの植物です。ローズマリーは、独特な強い香りがしますので、「これを飲むって、おいしいの…?」と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。でも、おいしくアレンジする方法があるんです! 今回は、ローズマリーをシロップ(コーディアル)にしてみましょう。
ローズマリーってどんなハーブ?
ローズマリーは、鼻につんとくるような清涼感ある強い芳香成分を持っていて、軽く触れただけでも、さわやかな香りが楽しめるのが特徴のハーブです。庭植えにも人気があり、病害虫にやられることもほとんどなく、育てやすいハーブともいえます。「私の庭にある!」という方も多いのではないでしょうか?
ローズマリーは「記憶のハーブ」と呼ばれていて、程よい刺激が、脳の血流量を増やし、集中力アップに役立ってくれます。他にも消化促進作用・利尿作用・防腐作用・血行促進作用もありますよ。
また、抗酸化作用が強いハーブの1つ。私たちの体は、呼吸によって、酸素を取り込んでいますが、そのうち約2%が活性酸素になるといわれています。活性酸素は、殺菌力が強く、体内で細菌やウイルスを撃退する働きを持っていますが、活性酸素が増えすぎると、細胞を傷つけ、シワやしみなど肌の老化、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病の原因となってしまうのです。これを「酸化」と呼びます。
また、活性酸素を増やす要因は、呼吸だけではなく、ストレス、食品添加物、タバコ、多量飲酒、紫外線なども影響します。体内に活性酸素を無毒化する仕組みはあるものの、現代人は入ってくる活性酸素の量が多すぎて、処理が間に合っていません。
というわけで、私たちはこの活性酸素から体を守る「抗酸化」をいかにできるかが、健康維持のカギ! そこで活躍するのがハーブたち。ハーブは抗酸化作用を豊富に含んでいて、日々摂取することで酸化を抑えてくれるといわれています。特に、ローズマリーには抗酸化作用をもたらす成分が多く含まれているんですよ。育てているなら摂らないなんてもったいない!
ハーブを育てて使う・ガーデンセラピー
このように、日々取り入れることで、私たちの身体に優しく作用してくれる、植物の力は偉大! 庭でハーブを育て、ハーブティーにして飲んだり、料理に使ったりと、生活の中に取り込み、ハーブが持つ有効成分を健康づくりに役立てる取り組みが、「ガーデンセラピー」という植物療法です。
ガーデンセラピーは、園芸・食事・森林・芸術・芳香療法の5つの自然療法の総称。1つ1つの療法は昔から存在していますが、活用のアプローチが違うだけで、元をたどれば植物で、すべてつながっているのです。今回の主役・ローズマリーを例にとってみましょう。ローズマリーを育てることは、指先を使う園芸療法。そして庭作業をしていると、とても良い香りに包まれ、リフレッシュすることができます。これは芳香療法に。育てたローズマリーを使って、フレッシュハーブティーを楽しむことは食事療法に。植物を育てること・ガーデニングは単なる1つの趣味にとどまらず、心身の健康づくりにもつながっています。
ガーデンセラピーで大切なことは、継続すること! 時々どこかでハーブティーを飲むのではなく、日々の暮らしの中に取り入れ、細く長く続けることで、身体への作用も現れやすくなります。ぜひガーデンセラピーを続けてみてください。
庭で採れたローズマリーをおいしく飲む方法は?
独特な香りがするローズマリー。これを飲むとすごい味がしそう…、想像がつかない、と思っている方も多いかもしれません。ローズマリーを単体で飲むと確かに味が強いので、少しアレンジをしてみましょう。
私がよく作るのがローズマリーのシロップ。コーディアルとも呼ばれる、ハーブの有効成分が含まれた、イギリスの伝統的なハーブの飲みものです。水やお湯、炭酸などで割って飲んだり、かき氷のシロップや、お菓子作りの甘味にも使えます。
気になる味は、つんとしたローズマリー独特の香りはほのかに感じられる程度で、甘味も加わりますが、甘すぎず、スッキリサッパリした印象です。このシロップを炭酸で割った「ローズマリーソーダ」はお客さまにもとても好評ですよ。
ローズマリーのシロップ作り方
そんなローズマリーのシロップの作り方をご紹介しましょう!
【材料】
◯フレッシュのローズマリー(葉だけ) 8g程度
◯てんさい糖 50g
◯水 100ml
◯レモン汁 大さじ1
【作り方】
1. フレッシュのローズマリーを軽く洗い、茎から葉を取り鍋に入れる
2. 水を加えて火にかけ、沸騰したら弱火にして、5分煮出す
3. 煮出した液体をこし、鍋に戻し、てんさい糖を加える
4. 再び鍋を火にかけ、てんさい糖が解けたら、火を止める
5. レモン汁を加えて、完成
この色は砂糖の色によるもの。てんさい糖で作っているので、色は茶色になりますが、砂糖はお好みのものを使ってください。作ったら、密閉容器に入れ、冷蔵庫で保管し、早めに使い切りましょう。
Credit
写真&文/堀 久恵(ほり ひさえ)
花音-kanon- 代表、ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。植物に囲まれ、日々ガーデンセラピーを実践中。埼玉県熊谷市在住。
https://kanongreen.com/※Garden Storyの2021年10月14日の記事(https://gardenstory.jp/lifestyle/61191)より抜粋
ハーブコーディアルというとエルダーフラワーが有名で、過去に自宅で作ったことがあります。
ただ、ちょっと甘すぎて途中で飽きてしまい、使い切ることができませんでした。。
抜粋記事のローズマリーシロップは、ローズマリーの独特の渋みと砂糖の甘味のバランスが良さそうで、飽きがこなさそうです。
一度作ってみて、期待通りであればハーバルライフの中に取り入れていきたいと思います。