今から20年以上前、新入社員として入社した会社の研修で山梨県韮崎市に住んでいたことがあります。
山梨県と言えば、「桃」の生産地として有名なのですが、当時、春に咲く「桃の花」の美しさを初めて知り感動したことを鮮明に記憶しています。以下のリンクを見ていただけると伝わると思います。
果実としての桃はうっすらとしたピンク色ですが、濃いピンク色の花を咲かせた桃の木が密集した光景は、ポカーンと口が開いてしまうほど心が奪われました。まさに桃源郷です。
その山梨県で、現在、遊休農地を桃林に変えるプロジェクトが進行していることを知りましたので、まずはそのニュースを取り上げます。
遊休農地を桃林に 山梨・大月「桃源郷プロジェクト」 地元農家ら観光農園目指す
大月桃太郎伝説が残る山梨県大月市で、地元農家が中心となって未利用農地に桃の木を植樹する「桃源郷プロジェクト」が進んでいる。既に枝の剪定(せんてい)作業が始まり、来年までに桃林を整備し、観光農園などとして観光客を呼び込む構想だ。
プロジェクトを進めているのは、周辺地域の農家などが1999年に設立した農業法人「野草のさと大月加工センター」(亀井好延理事長)。百蔵山南麓(なんろく)の緩斜面約1000平方メートルに、2016年から薬用桃の植樹を始め、20年2月までに163本を植えた。今年は20本を追加し、22年度までに計200本の桃林を完成させる計画だ。
薬用桃は、製薬会社と提携し、種を割って「桃仁」と呼ばれる白色の部分を取り出して乾燥させて販売。漢方薬でもある滋養強壮薬の原料に使われる。また、桃狩りができる観光農園にはウオーキングも楽しめる散策路を整備し、桃の花が咲く3月下旬~4月中旬には利用者が自由に歩いたり寝そべったりできるようにする。
センターは16年からプロジェクトに乗りだし、大月市などの協力も得て、同市宮谷地区の遊休未利用地7・5ヘクタールにキュウリやジャガイモなどの野菜や菜の花、ハーブの畑を整備。コロナ禍前の19年度は収穫体験に約4000人が訪れた。現在は農家の主婦ら地域の25人が働いている。
桃林は、センターの農場中央部に植えており、完成すると2月下旬の菜の花から始まり、ハーブのカモミールが白い花を咲かせる6月まで、中央自動車道から眺望できる百蔵山の山裾を彩る。
今秋開催予定の第18回桃太郎サミットを取り仕切る大月桃太郎連絡会議の副会長も務める亀井理事長は「大月伝説は、多様な仲間が助け合って平和な社会を作る昔話だ。この地域を健康長寿と安らぎを分かち合う理想郷にしたい」と期待を込める。【山本悟】
※毎日新聞の2021年1月14日の記事(https://mainichi.jp/articles/20210114/k00/00m/040/038000c?fm=newspass)より抜粋
このプロジェクトの主体が、「野草のさと・大月加工センター」(以下)ということもあり、薬用としての桃に照準を当てている部分が個人的に興味深いです。
”杏仁豆腐”で有名な、生薬としての杏仁(あんにん:アンズの種)は知っていますが、桃仁(とうにん)のことは全く知りませんでした。以下の薬用養命酒のページを見ると「咳止めや婦人病に役立つ生薬」という記載があります。
|
|||
|
桃というと果肉の部分にしか注目が行かないですが、枝全体を眺めていく視点が必要だと思いました。