先日、以下の記事の中で、林業を営む福井県の夫婦が「クロモジ」を使用したハーブティーを開発・商品化したというニュースを取り上げました。
【過去記事:伐採期以外の林業の「副業」として、福井県池田町の夫婦が「クロモジ」を使用したハーブティーを開発・商品化。】(2020年3月21日)
林業経営を支えるという視点だけではなく、ハーブ・アロマの視点で付加価値の高い素材が林業の中で活かされていない現実があるので、素材を加工し、ニーズとマッチングしていくことで地域の雇用が生まれるという面もありますし、ハーブ・アロマ業界の活性化にも寄与していく動きだと思います。
木を伐採して木材を提供するということにプラスし、「森林サービス」という位置づけで、ハーブ・アロマ関連の商品を生み出していくことで、林業のさらなる付加価値を見出していくトレンドは今後拡大していくものと予想しています。
一昨日も、大分県における「林業+アロマ」のニュースが入ってきましたのでご紹介します。
6次産業化 山林事業からアロマ事業へ 久恒山林
生産から加工、流通・販売まで一体的に担う「6次産業」に力を入れる生産者・団体、企業が増えている。これまで1次産業に軸足を置いていた企業もあれば、農林水産分野に新規参入するケースもある。県内で成長のチャンスを探る動きを追う。
中津市上宮永の「久恒山林」(久恒雄一郎社長)は、市内の山林40ヘクタールで住宅建材となるスギやヒノキを育てつつ、間伐材や枝葉などを生かしてアロマ関連商品の製造・販売を手掛けている。林業は出荷まで時間がかかるだけに、経営に体力が求められる。かつては廃棄していた材料を生かした加工品が、会社の屋台骨を支えるまでに育った。
枝、葉など住宅建材で使えない部位を蒸留し、100%天然由来のエッセンシャルオイルや芳香蒸留水を採取。ミストスプレー、間伐材を使った布で仕上げたアイピローとのコラボ商品なども展開する。2015年、東京で開かれた東京国際家具見本市に出展し、バイヤーの目に留まったのをきっかけに、販路は少しずつ拡大。国産商品を扱うセレクトショップなどが取り扱い、今では東京・大阪への出荷が9割を占める。
久恒社長(63)が事業を始めたのは、父親が経営していた前身の林業会社(同市)で専務を務めていた10年。リーマン・ショック(08年)の影響もあって木材価格が暴落。建築材以外での活用策を真剣に模索する中から生まれた。出荷できるまで育った木1本のうち、建材用の丸太になるのは半分程度。その他の曲がった部分や枝葉は山に捨てられていた。こうした未利用材を使い、「森林浴」のリラックス効果がある商品を検討した結果、アロマにたどり着いた。
11年、蒸留で抽出したエッセンシャルオイルを初めて商品化。翌年には、アロマに慣れていない人でも手軽に香りを楽しめるようミストスプレーを売り出した。化学香料を一切使わない姿勢と品質が評価された。県内の旅館やホテルでも利用してもらえるようになった。
山林経営が厳しさを増す中、14年に前身の会社を解散・整理。新会社を立ち上げてからは、アロマ事業に力を入れた。現在は、売り上げで山林経営をしのぐ中核事業になった。
販路を開拓する上で、明確なメッセージ性、「ブランドコンセプト」の構築にも力を入れた。外部デザイナーの助言を得て15年にブランド名を「六月八日」に統一した。雨が多く降り、森林が生命力にあふれる時季をイメージして名づけた。「山林を守る林業者の立場から、消費者に森の恵みを感じてもらい、バイヤーにも受け入れてもらえた」。妻の千容子常務(60)は手応えを感じる。
木を育て、伐採し、再び植える―。30~50年のサイクルで循環する山林事業を安定的に続けるためにも、アロマ事業の果たす役割は大きい。久恒社長は「まだまだ商品や販路の多角化が必要だ。若い世代の担い手を確保し、古里の山林を守り継いでいきたい」と力を込めた。
※大分合同新聞の2020年4月8日の記事(https://www.oita-press.co.jp/gxbusiness/2020/04/08/JIT202004050180)より抜粋
アロマ事業が、売り上げで山林経営をしのぐ中核事業になっているというのは凄いことだと思います。
「六月八日」のホームページは以下になります。
商品のカテゴリーは、以下の6つでした。
ヒノキ(檜)がメインの商品のように感じましたので、先程、ヒノキのエッセンシャルオイルと注文しました。(ローズゼラニウムの芳香蒸留水も気になります)
届くのが非常に楽しみです。
日本の林業がアロマ事業に取り組むことは、日本の木材の魅力を世界に発信しやすいという利点があると思いますので、このトレンドは応援してきたいです。