第4回薬草観察ツアーin 小諸(JAMHA主催)の初参加レポート【2日目の座学編】

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一昨日、昨日とお伝えしてきた『第4回薬草観察ツアーin 小諸(JAMHA主催)の初参加レポート』ですが、本日で最終回となります。

【参考記事①:第4回薬草観察ツアーin 小諸(JAMHA主催)の初参加レポート【道中~1日目の途中編】

【参考記事②:第4回薬草観察ツアーin 小諸(JAMHA主催)の初参加レポート【1日目の薬草観察からの夕食編】

今日は、ツアー最終日の2日目のレポートをします。

朝は、温泉に入ってから、美味しいガレット(ベーコンエッグ)を頂きました。
朝食を食べ終わって、座学の会場に開始の15分前に行くとすでに、小川康先生と大半の参加者がスタンバっていて、生薬が入った瓶がたくさん並んでいました。あれ、なんだかいい香りがします。。
そのいい香りの原因は、ハト麦を炒っていたからです。朝から早速テンションが上がりますね。
炒ったはと麦で作ったはと麦茶。めちゃくちゃ美味い!

部屋全体に、はと麦の香りが広がり、且つ、はと麦茶を飲みはじめて集中力がグッと上がったところで小川康先生の2日目の座学がスタートしました。

この座学は、それぞれの生薬にフォーカスしながら、適宜参加者に対して質問を投げかけながら、効能だけではなく、主に、歴史、及び、現代社会との関連性について話をして頂いたのですが、ほとんどが目から鱗の内容でした。

小川先生は、万葉集に出てくる植物や、昔の様々な薬草にまつわる文献を調べこんでいるので、薬草の歴史的背景が詳しいです。且つ、人脈も広い方なので、業界の裏話的な内容もたくさん聞くことができました。

全ての面白さを伝えることはできないですが、以下に写真を交えながら、お聞きした話の一部を盛り込みたいと思います。

こちらは、紅景天(コウケイテン)。ヒマラヤの2000mの高地に行かないと採取できないそうです。高山病の防止するための生薬として、根の部分をお湯に入れ、登山の数日前から少しずつ飲む中国人の登山家が多いそうです。
こちらは、ブラックカルダモン。インドでは普通に売られているものだそうです。
こちらは、ナルコユリの焼酎漬け。このナルコユリの焼酎漬けは、江戸時代の俳人、小林一茶が愛飲したそうです。朝鮮ニンジンを太くした感じですね。長野県あるある的な話で、長野県民の家には「朝鮮人参漬け」を飲みもせず置いてあることが多いという話をされていました。それを聞いた長野県の参加者は爆笑しながら頷いていましたが、長野県と生薬のつながりの深さを物語るエピソードだと思いました。因みに、長野県のツルハ(スーパーマーケット)には朝鮮人参が売られているそうです。
こちらはシコン(ムラサキの根)。こちらの生薬は万葉集にも出てくるもので、古くから日本人の間で活用されていたそうです。また、紫雲膏という漢方軟膏剤に使われているそうです。

Amazonにも、紫雲膏は売られています。

こちらはキハダ。こちらは、縄文時代の遺跡からも発見されたり、アイヌ民族の間でも活用されてきたそうで、歴史的には一番古い生薬とのこと。
こちらは、トウキ(当帰)の根。アンジェリカルートとも呼ばれています。セリ科の仲間で、葉はセロリの味がします。
こちらは、前日の薬草観察の時に出てきた【アカネ】の根です。
前日の薬草観察の時のアカネの根です。こんなに黄色です。
こちらは、ナツメグ。小川先生イチオシでした。サンスクリット語でジャーディーと呼ばれるそうで、「インドと言えばナツメグ」というくらい、インド社会に根づいているものだそうです。頭痛の時に香りを嗅ぐと良くなったりと効果が高いとのこと。ホールでワインに入れたりしても美味しいそうです。
ホールのナツメグを持ち歩いて、このように擦ってちょっとだけ取り入れるのもいいという話もありました。ナツメグの香りの良さは擦るとよくわかります。
こちらはビンロウジュ
こちらはクズ(葛)の根です。韓国語では「ツッ(ク)」と言い、健康飲料として飲まれているそうです。
こちらは、動物系生薬となりますが熊の胆(クマノイ)。小川先生は「キング・オブ・メディスン」(薬の王様)という言い方をしていました。遭難した時なんかに、この熊の胆があればかなりの間生き延びられるとも話していました。牛の胆汁に含まれる一番の有効成分が、熊の胆にそっくりなのだそうです。
こちらは、甘草(リコリス)。今、日本の各地でカンゾウ栽培が始まっていますが、不思議なことに有効成分がうまく出ないそうです。
内容的には、もっともっと面白い話があったのですが、この記事では以上にします。面白い話については別記事できちんと取り上げることにします。一応、座学が終了です。

小川先生の座学は、ただの座学とは違い、触って、香りを嗅いで、食べてみたりと5感をフルに使いながらなので、本当に集中力が切れません。

「人にモノを教えるとはどういうことか」というのが、小川先生の姿勢から深く学ぶことができました。

今回のツアーを通じて、人間的魅力あふれる小川先生、及び、素敵な参加者との出会いがあり、こんな濃密な時間はここ最近無かったかもしれません。

このような機会を提供してくださったJAMHA(日本メディカルハーブ協会)さんには強く感謝したいです。

事務局の石澤さん、お疲れ様でした。

(イベント終了後、小川先生の主宰する「森のくすり塾」へ行ってきましたので、そのことは明日レポートします)

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