8月に突入して、横浜市内の暑さも一段とギアが入った感じで、暑くなってきました。
エアコンの涼しさとモワッとした暑さの間と行ったり来たりという感じで体調管理も難しく、身体に疲労感が溜まっている人も多いのではないでしょうか。
今日はそんな時にもってこいのインドの家庭の知恵スープ「ラッサム」のことを取り上げたいと思います。
【夏の体調不良に】インドの「家庭の知恵スープ」
世界の台所探検 Vol.32】世界中の台所を訪れて現地の人と料理をする台所探検家・岡根谷実里さん。今回は、季節の変わり目にぴったりな南インドの“辛酸っぱい”スープを紹介します。
疲れた胃にスパイスを
じめじめした日が続き、ようやく晴れたと思ったらいきなり猛暑… 建物に入るとクーラーが効いていて、体を冷やしたり。季節の変わり目は、何かと体調を崩しやすいものです。
スパイスを多用するインドでは、そんな 体調不良も、食事やスパイスで整えるという考え方があります。 今回ご紹介したいのは、南インドの “辛酸っぱい”スパイススープ、「ラッサム」です。油をほんの少ししか使わず、サラッとしていて軽いので、食欲のない時にもするする飲めて胃を元気にしてくれますよ。
食事の前の大事な一杯
この料理に出会ったのは、日本に住むインド人ご家庭の台所。料理をするのは母ミラさんです。 「食事の最初に飲むと、胃が食べ物を迎える準備をするの」と言いながら作ってくれました。
作り方はシンプル。お湯でふやかしたタマリンド(酸っぱいマメ科のフルーツ、梅干しに似た味)を鍋に入れ、トマトやにんにくやスパイス類を入れて火にかけます。沸騰させない火加減でしばらく煮たら、別のフライパンに油を熱してスパイスを温め、スープの鍋にジュッと注いで完成です。
「難しくないでしょ? ポイントは、沸騰させないことだけ。香りが飛んでしまうから」。
インドのカレーは、多めの油でホールスパイスの香りを引き出し、その油で具材を炒めて最後にパウダースパイスをまとわせるという作り方が一般的。それに比べるとラッサムは、はじめから煮る調理なので、油も少なくヘルシー、さらに手間も少なくてうれしいこと尽くしです。
酸味と辛味が食欲を刺激!
できあがったラッサムは、小さな器に入れて、他のおかずと共にワンプレートに並びます。小さな器がいくつか並ぶ中で、示し合わせたように家族はラッサムから手をつけます。
一口飲むと、胡椒や唐辛子が喉にピリリと刺激を与え、タマリンドとトマトの酸味が心地よく食道を通り、胃をやさしく起こしてくれるようです。パクチーやにんにくは主張することなく、ほのかな風味で下支えします。
「インドの気候に比べると、日本は一年中冬のようなもの」とミラさんは言います。
一家が暮らしていたグジャラート州は、年間を通して気温30〜40度。体調を整えるこのスープは、この家の食卓に欠かせません。いつでもすぐに作れるように、複数のスパイスをブレンドして挽いた自家製のラッサムパウダーも常備しているのだそうですよ。
ラッサム(rasam)の語源は、サンスクリット語のジュース(rasa)とされています。トマトやタマリンド、それから各種スパイスを煮出した“スパイスのジュース”ともいえる一杯は、食欲のない日やエアコンの風で夏風邪気味の時など、お茶のように飲むのも良いかもしれません。
このご家庭のようにたくさんの種類のスパイスを使うことはできませんが、ラッサムには様々なレシピがあり、「酸味と辛味さえ抜かなければ後は気楽に」ということだったので、私もシンプルにしたレシピで何度か作っています。
インド家庭の知恵のスープ、風邪薬を飲む前に、ぜひ。
岡根谷実里さん
台所探検家。世界各地の家庭の台所を訪れ、世界中の人と一緒に料理をしている。これまで訪れた国は60カ国以上。料理から見える社会や文化、歴史、風土を伝えている。
著書に 「世界の台所探検 料理から暮らしと社会が見える(青幻舎 )」がある。※cookpad newsの2021年7月30日の記事(https://news.cookpad.com/articles/42462)抜粋
今までインド料理のお店でラッサムを飲んだことがないので、非常に味が気になります。
上記抜粋記事の最後にレシピが記載されたリンクがありますが、日本の家庭の台所事情に合わせたレシピ内容になっているのでとても簡単に作れそうです。
また、本格的に作りたい人向けには、以下の2つのリンクが参考になると思います。
あと、ラッサムのディープな知識を得たい人向けには以下のリンクが参考になると思います。
今後のハーバルライフの中で、暑い日本の夏にササッとラッサムを作れるようになるといいかも!と思いました。
楽しみになってきました。