過去に様々な角度から、「香り」に関する記事を取り上げてきましたが、ここ最近では、香りをビジネスに活用する領域において、以下の記事が強く印象に残っています。
【過去記事:通販で商品の香りも嗅げる? 飛躍的に進む「香り研究」の最先端】(2021年5月18日)
ネット通販で商品を嗅げる時代がすぐそこに来ているという内容を見て、今後の社会における香りの重要性が一段と上昇することを確信しました。
今日は、企業の集客に「香り」が活用されている事例(2例)を取り上げたいと思います。
コンビニコーヒーの容器にも 企業の集客に使われる「香り」のチカラ
[かんさい情報ネットten.―読売テレビ]2021年7月9日放送の「カラクリ」のコーナーでは、企業の集客に活用されているという香りの秘密について取り上げていました。
杏林大学・古賀良彦名誉教授による「脳波を測定する実験」によると、コーヒーの香りを嗅ぐだけで集中力がアップすることがわかったそうです。
番組が取材した「ローソン」の商品本部によると、グァテマラやブルーマウンテン、ブラジルサントスやマンデリンなどのコーヒーの香りは、リラックス効果や集中力をアップをさせる効果があるとのこと。
そのため、ローソンのコーヒーの容器にはある工夫がされています。
コーヒーを開けてみると、突起部分が当たり、香り用の穴が出現します。
香り用の穴が!
飲んだ時に鼻のところに穴があることにより、コーヒーの香りが直接届く仕組みになっているのだとか。
「毎日同じコーヒーを同じ時間に買われるお客様が多いので、ローソンのファンを作っていくためには絶対に必要な商品です」とのこと。
集客のために香りが重視されているようです。
ホテルでも「香り」活用
全国に160店舗以上を展開する「スーパーホテル」のエントランスでは、オリジナルの「ヒノキの天然オイル」のさわやかな香りをデュフューザーから漂わせてお客様を出迎えているそうです。
全てのスーパーホテルで同じ香りの演出を行っていて、「一度お泊りいただいたお客様に以前ご宿泊いただいた際のサービスやおもてなしを思い出していただいたり、また泊まってみたいなと思ってもらうきっかけになれば」とのこと。
ヒノキの香り(画像はイメージ) 香りをかぐだけで子どもの頃の思い出がよみがえってくることがあるように、香りは記憶とも結び付いていることに着目した戦略です。
東北大学大学院・坂井信之教授によると、
「香りの情報は記憶をつかさどる海馬や偏桃体という脳の場所に送られます。海馬は記憶に関係し、偏桃体は感情を作り出します。視覚や聴覚は一回処理された情報で記憶と結びつくのに対し、嗅覚は直接送られ結びつくので記憶がよみがえりやすい」
とのこと。
私たちの記憶や感情は香りによって、知らず知らずのうちに操られているのですね。アロマオイルなど上手に取り入れてみたいと思います。
(ライター:まみ)
※Jタウンネットの2021年7月25日の記事(https://j-town.net/2021/07/25324938.html)より抜粋
ローソンのコーヒーの仕組みについては、気づいていませんでした。
他のコンビニコーヒーはどうなっているかも気になってきます。
また、ホテルにおける香り演出については、以前、ホテルを対象に「香り」を提案する専門会社である「ゴタス(Gotas)」を取り上げたことがあります。
【過去記事:ホテルに香りを提案する専門会社『ゴタス(Gotas)』とは】(2018年2月14日)
3年前にゴタスのことを取り上げた際は、エントランス等で香りを演出しているホテルはまだ少数というイメージでしたが、現在、そのトレンドが大きく広がっている印象を受けます。
「スーパーホテル」ではヒノキの香りを使っているようですが、香りには人によって好き嫌いがあるので、様々な人が利用する場所において森林にある香りを選択したのはベストチョイスだと思います。
ビジネスにおいて、香りが欠かせないツールの一つになりつつあるようです。