香りと言葉を相互に変換する「KAORIUM」が進化中。「香りの市場」の今後の拡張のキーとなるかもしれません。

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以前、香りのデジタライゼーションをめざすセントマティックが開発した「KAORIUM」というサービスをご紹介しました。

【過去記事:多様な香り体験を創造することで、心豊かな瞬間のあふれる未来社会をめざす「セントマティック」の試みが興味深いです。】(2019年12月29日)

約1年前に取り上げたときに素晴らしいサービスだと感じたのですが、自分自身で体験したことが無いので、完全な理解をしているわけではありませんでした。

しかしながら、昨日、KAORIUMを説明したYouTube動画(2020年12月19日アップロード)が掲載された記事を見つけ、KAORIUMへの理解が深まったと同時に、今後のKAORIUMを起点とした「香り市場」の成長が非常に楽しみになりました。その記事を以下に取り上げます。

見えない香りを言葉で可視化、AIが提案する新しい「香り」の選び方

日本国内における「香りの市場」は確実に成長を続けており、2018年までで約3500億円にまで拡大している。視覚や聴覚に比べると、嗅覚はこれまで未知の感覚として扱われてきたが、近年は香りが脳に及ぼす影響が解明されるなど、研究の進展も期待される領域のひとつだ。

私たちの身の回りにも、香りを「売り」にした商品が溢れている。その代表である香水やアロマオイルなどはもちろんのこと、化粧、入浴、洗濯などに使うほとんどすべての商品に香料が含まれている。香料の入っていない製品には、あえて「無香料」という表示がされているくらい、多くの製品に香料が使われているのだ。

多くの人は、これらの商品を購入する際に、自分の好みで選んでいるはずだが、それがどんな香りなのかを言葉で説明しようとすると、うまく表現できないことも多い。

商品に 「フローラル」や「シトラス」などの表示があったとしても、それがどんな香りなのかを的確には思い描けず、選ぶのに困ったという経験をしたことがある人も少なくないだろう。

また、香料メーカーが使用している言葉は、一般消費者にはあまり馴染みがない場合が多い。例えば、「パウダリー」、「オリエンタル」といった香りに関する用語は、専門家が香りを開発する際に用いる言葉であって、消費者が実際に感じる言葉とは異なるからだ。

 香りの「定量化」ではなく「言語化」
「KAORIUM」は、香りのデジタライゼーションをめざすセントマティックが開発した、世の中に存在する様々な香りを「言葉」に変換すると同時に、そこから再び香りを選び出すことができるシステムだ。

AIとデータベースを介して、香りと言葉を相互に変換する「KAORIUM」を用いることで、見えない香りを言葉で可視化したり、言葉を起点に好みの香りを探索したりできるのだ。

例えば、ある香りのボトルを「KAORIUM」のパネルに置くと、その香りを感性的に表現した言葉(「静かな」「しみわたる」など)の相関図がパネル上に出現する。 さらに、その相関図から言葉を1つ選ぶと、その言葉の印象を持つ香りのリストが示される。

このように「KAORIUM」が提供するのは、香りの「定量化」ではなく「言語化」だ。あえて言語という曖昧さを含む表現にこだわる理由について、セントマティック代表の栗栖俊治は次のように語る。

「香りというのは、人それぞれで感じ方が違います。そもそも嗅覚受容体のレベルで個体差がありますし、また辿ってきた人生経験にも影響を受けるからです。そのため、数字を用いて定量化し、香りに一義的な規定を与えようとしても、消費者の体験という観点からすれば、どうしてもそぐわない部分が出てきてしまいます。

だから本当に必要なのは、香りに対する消費者の感じ方を、日常で使う言葉を用いてサポートするサービスだと考えました」

つまり「KAORIUM」は、消費者が香りに紐づけている言葉をデータベース化することで、消費者の香りの感じ方を、データとして活用するためのサービスなのだ。「消費者目線の香りの感じ方の分布をとることで、ゆくゆくはマーケティングや商品開発に活用できるデータビジネスを創造していくことを目標にしています」とも来栖は語る。

香りの言語化で日本酒の選び方も変わる

日本酒がもつ風味を言葉で紹介してくれる。具体的なイメージが湧きやすい

その「KAORIUM」のAIシステムを応用した「KAORIUM for Sake」というサービスがある。日本酒の風味を言葉とともに味わうという、新しい飲食体験を提供するものだ。

酒ソムリエである赤星慶太が監修し、日本酒が持つ独特の風味と様々な言語表現のデータベースを結びつけることで、酒の特徴を言葉として可視化している。

味や風味が複雑で初心者にはその違いが分かりにくいと言われる日本酒だが、言葉によって「香り」を可視化することで、誰でも具体的なイメージが湧くようにしている。

「すずしげ」「ふくよか」「あたたかみ」の3要素のバランスとともに、香りや印象、また情景に喩えた表現や様々な⾔葉が提示されることで、お酒の特徴がわかりやすく、より自分好みのお酒を選びやすくなるのだ。


「あたたかみ」「ふくよか」など、風味に紐づけられた言葉が表示される

例えば、佐賀の日本酒である「七田 純米 七割五分 山田錦」は、穏やかな米の香りと、きめ細やかな口当たりが特徴とも言われているが、それだけの情報だと、日本酒の素人にとってはイメージしにくい。

「KAORIUM for Sake」を通して、「七田 純米 七割五分 山田錦」の香りの分布をみると、「あたたかみ」が強く、マスクメロン、パッションフルーツ、パイナップルなどに近い風味が感じられるということがわかる。さらに「魅惑的な月夜」など、そこから連想される文学的な表現も同時に表示されるのも面白い。

また興味深いのは、「KAORIUM for Sake」が導き出すキーワードを意識しながら日本酒を味わうことで、今まで感じることのできなかった風味にも気付くことができるという点だ。自分の好みの日本酒がパッションフルーツの風味を持っているとわかれば、それを軸にして、似た風味をもつ別の日本酒を検索することもできる。

12月11日より、「KAORIUM for Sake」の初の導入店舗となるフードペアリングバー「BAY-ya」が、横浜高島屋にオープンしているが、将来的にはECサイトなどでもこの技術を応用できるのではないかと、セントマティックの栗栖代表は語る。

「ECサイトで『日本酒』と検索すると、大量に品種が出てきて、どう選べばよいかわからないといった経験をした人もいると思います。これまでは、ラベルなどを参考に選んでいた日本酒ですが、KAORIUMは消費者にとってイメージが湧きやすい言葉を用いて紹介することができるので、お客さまとお店側の両方にとってメリットがあると思います」

香水やアロマオイルなどに限らず、日本酒やワインなど「香り」が商品価値へとつながる市場は潜在的にも多く存在する。「KAORIUM」のような新しいサービスが注目を集めることで、「香りの市場」はこれまで以上にさらなる成長を遂げそうな気配だ。

※Forbes Japanの2020年12月27日の記事(https://forbesjapan.com/articles/detail/38970/2/1/1)より抜粋

KAORIUMの香り市場に与える付加価値の高さを実感できる記事です。

ECサイトでこのようなサービスがあったら、商品選択の際に活用すると思いますし、飲食店で利用できたら、複数人で訪問したときにその場が盛り上がることが想像できます。

以下に、「KAORIUM for Sake」のyouTube動画を貼ります。

今後、「香り」の可視化、言語化のスピードが加速度的に上がっていくように思います。

そして、その「紐づき」が香りの市場に大きな広がりをもたらすように感じます。

香りの知覚、及び、言葉から受けるイメージは人それぞれなので、「楽しみのネタ」の領域でサービスを広げていくことが大切なのではないかと思います。

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