以前、自宅ハーブガーデンに、鉢植えでジャスミンを育てていたことがあるのですが、初めて花が咲いた時のジャスミンの気品高い香りにものすごく感動したことがあります。
「なるほど、こんな素敵な香りが世界中で愛されない訳がない!」とスッと腑に落ちました。
人間の感覚器の中でも、”嗅覚は他の感覚器と違い、視床を通らず大脳に直結し、このことが、アロマが人間の本能に働きかけやすい要因”というのは、”嗅ぐ”という行為の話になるとよく聞く話ですが、ジャスミンの香りを嗅いだ時にそのことが自然と認識できました。
【過去の関連記事:「ジャスミンの香りの鎮静効果」について実験したドイツの研究について】(2019年1月11日)
そんなジャスミンですが、香料用途での世界供給の半分以上を占める国をご存じでしょうか。私も知らなかったのですがエジプトです。
今朝、エジプトのジャスミン栽培事情についての情報が入ってきましたのでご紹介します。
エジプトのジャスミン栽培支える深夜の花摘み、世界供給量の半分
【AFP=時事】エジプトの豊かなナイル川デルタの畑で、エマン・メハンナさんは真夜中にヘッドランプのスイッチを入れ、その日のジャスミンの花摘みの仕事を始める。この時期、花の強い香りは遠方にまで漂う。
エジプト・ガルビーヤ県は、ジャスミン栽培の中心地だ。世界貿易の統計によると、この地で香料用として抽出されるアロマオイルは、世界の供給の半分以上を占めている。
首都カイロの北方約100キロにあるシュブラベロウラ村の畑でジャスミンの手摘みの花を集めながら、メハンナさんは「子どものころからジャスミン摘みをやっている」と語る。
ジャスミンの収穫シーズンは毎年6月から11月。その間の花摘み作業は毎日、真夜中に始まり、夜明けの数時後に終わる。夜中に収穫する主な理由は花が完全に開く時間帯にあるのだが、日没後の方が涼しく、労働者にとっては条件がいい。
ただ、収穫作業は楽ではない。一日に収穫できる花弁は、手練れの労働者で5キロほどだ。
■花弁からペースト
国際精油香料貿易協会(IFEAT)によると、香料用ジャスミン抽出物の生産国は主にエジプトとインドで、両国で世界の供給の約95%を占めている。
IFEATの推定によると、ジャスミン貿易はエジプトに年間約650万ドル(約6億9000万円)をもたらし、約5万人の収入源となっている。
地域の精油工場によると、ガルビーヤ県には推定400ヘクタールジャスミン畑があり、国では現在、1日当たり20トンのジャスミンの花が日々収穫されているという。
毎年、これらの収穫された花から約5トンの濃厚なジャスミンペーストが作られる。
■「はした金」
労働者らには長年抱いている不満がある。それは、最大の競合相手であるインドの低生産コストにより、自分たちの生産物の価格が押し下げられていることだ。
労働者の一人であるワーファさん(60)は、できの良い年でも1日数時間の労働で2~3ドル(約210~320円)しか稼ぐことができない人もいると話し、「はした金」にしかならないと続けた。
だがその一方で、ジャスミンの収穫期を待ち望む人もいる。
メハンナさんは、花摘みで人々が集まると「いろいろな話ができる。それが楽しみなのです」と語った。 【翻訳編集】AFPBB News
※AFPBB Newsの2020年10月10日の記事(https://www.afpbb.com/articles/-/3307873?cx_reffer=newspass&utm_source=newspass&utm_medium=news)より抜粋
エジプト・ガルビーヤ県の400ヘクタールのジャスミン畑で、ジャスミンの花が満開になっているシーズンの現地の香りを想像すると、わくわくが止まりません。。
一点、抜粋記事の中で気になったのは、『ジャスミンペースト』という言葉です。日本では馴染みの薄い言葉だと思いますが、確かに以下のAmazonのサイトに売られています。
評価者のコメントを見ると、薫り高い調味料として使っているようです。どんな商品か非常に気になるのですが日本のAmazonでは買えないようです。。
また、現在インドの安価なジャスミンによって、値下げが余儀なくされているというのは、消費者にとってはメリットがありますが、農家としては大変な話だと思います。ただ、香りを楽しむ人は「質」を求めているので、質において明確な差別化ができているのであれば価格が高くでも需要は減ることはないと思います。
エジプトとインドのジャスミンの香りの違いも一度感じてみたくなってきました。
エジプト、もしくは、インドへ行ったらジャスミンに関する探索は必須だと感じましたので、事前に様々な情報を仕入れておきたいと思います。