ハーブ・アロマについての知見を少しずつ広げていく中で、2018年秋に、東京・青山で開催されていた「Tea for Peace」というイベントの中で、インドの伝統医学『アーユルヴェーダ』に関するワークショップに参加し、その基本的な考え方を学びました。
【過去の関連記事:「Tea for Peace」で、インドの伝統医学”アーユルヴェーダ”の基本的な考え方について学んできました。】
私たちの体は「ヴァータ(VATA)【風の性質】」 「ピッタ(PITTA)【火の性質】」「カパ(KAPPHA)【水の性質】」という3つのタイプのエネルギーで成り立っているというのが、アーユルヴェーダの基本的な考え方として存在し、それらのバランスが人によって異なっており、日々変化しているとのこと。
自分の状態に気づかないまま、どれかのエネルギーが過剰になりすぎてしまうと、 体調を崩してしまうので、過剰になりすぎたエネルギーを鎮め、崩れたバランスを取り戻そうというのがアーユルヴェーダの基本思想であることを知りました。
その後、本ブログの中でも、アーユルヴェーダ関連の情報を多角的な視点から取り上げてきました。
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アーユルヴェーダの世界を知れば知るほど、その学問体系の壮大さに驚かされます。
先日、全く聞いたことの無い「アーユルヴェーダの3大果実」が含まれるハーブサプリメントに関する情報に触れたのですが、非常に興味深い商品なので、今日はそれを取り上げたいと思います。
【アーユルヴェーダの健康法】ダイエットに若返りまで。無数の効果が認められた驚異のハーブ「トリファラ」って?
整腸効果に解毒作用、そしてアンチエイジングの効果まで。アーユルヴェーダの三大果実「トリファラ」について、古典と現代科学からの解説もご紹介。
すべての体質にマッチする、アーユルヴェーダの三大果実
”トリ=3つ ファラ=果実”
3つの果実、という意味のトリファラは、アムラ、ビビタキ、ハリタキという果実を同量使ったハーブ薬です。聞きなれない名前ばかりですが、秘めたパワーはかなり絶大。
アーユルヴェーダの古典には「ピッタ、カパ、ヴァータ、すべてのドーシャを鎮静し、糖尿病や皮膚病を治して、排便も促す。視力を良くし、食欲を上げ、若返りを促す」とあります。
聞いたらすぐにでも取り入れたくなるこのハーブは、現代の科学の視点から分析しても、数え切れないほどの効果があることが判明しました。
お話を伺ったのは…
- アーユルヴェーダ・アドバイザー、ARYURVIST三野村なつめ
- 元コピーライター。南インドやスリランカを数度訪れた後アーユルヴェーダ・ライフスタイルアドバイザーの資格を取得。コスメブランド「ARYURIVST」やレシピとスパイスがセットになった「整えごはん」を立ち上げる。
科学的にも解明されたトリファラの実力
クリスティンタラピーターソン博士が代替医療ジャーナルにて2017年に発表した文献によると、
「非常に有効なアーユルヴェーダのハーブ薬で、胃腸および若返り治療の基礎である。
科学的に検証したところ、下剤作用に加えて、食欲刺激、過酸度の低減、抗酸化、抗炎症、免疫調節、抗菌、血糖降下、抗腫瘍、化学保護、放射線防護効果、虫歯の予防にも有効。
さらにトリファラのポリフェノールは、人間の腸内微生物叢を調節し、それによって有益なビフィズス菌とラクトバチルスの成長を促進する一方で、望ましくない腸内微生物の成長を抑制。
トリファラの生物活性は、腸内細菌叢によって誘発され、さまざまな抗炎症化合物を生成します。
トリファラは、食物の適切な消化と吸収を促進し、血清コレステロール値を下げ、循環を改善し、胆管を弛緩させ、免疫老化を防ぎ、内分泌系の恒常性を維持し、赤血球とヘモグロビンの産生を増加させます」
「主要成分はタンニン、没食子酸、エラグ酸、およびケブリン酸であり、これらは、免疫調節活性の一部を占める強力な抗酸化剤です。トリファラには、フラボノイド(ケルセチンやルテオリンなど)、サポニン、アントラキノン、アミノ酸、脂肪酸、およびさまざまな炭水化物などの他の生物活性化合物も含まれています。
さらに、ケブリン酸などのトリファラ由来のポリフェノールも、人間の腸内微生物叢によって生物活性代謝物に変換され、生体外で酸化的損傷を防ぐ可能性が示されています」
と発表されました。
こんな効果が数千年も前から分かっていたアーユルヴェーダ。その着眼点と分析力にドキドキしてしまいます。
ではトリファラに使われているそれぞれの果実のパワーについても紐解いてみましょう。
アムラ(アンチエイジング果実)
アーユルヴェーダでもっとも活力をもたらす若返りのハーブだと見なされています。葉から幹、根にいたるまで、すべてが薬を作るために利用されます。
豊富に含まれる特殊なビタミンCは熱にも強くさらにポリフェノールも豊富。
果実の25%がポリフェノール、という驚異のアンチエイジング果実です。
さらにこのポリフェノールは、肌にあるコラーゲンを生成する線維芽細胞に働きかけるので、体内でコラーゲンを作る力を高めることが分かっています。
そしてアムラに含まれるポリフェノールの一種は、消化吸収される過程で血管を拡張させる成分に変化。血流を改善し、冷え性にも効果を発揮。
インドでは砂糖やお酢につけたものが駄菓子屋さんなどで多く見かけます。
アーユルヴェーダいう六味、「甘味、辛味、酸味、塩味、渋味、苦味」の中の塩味以外の5つの味をこの果実ひとつで含む、と言われ、確かになかなか独特な味でした。
南インド、ケララにて売っていたアムラの酢漬け。
ビビタキ(便通促進作用)
サンスクリット語でビビタキとは、「病から距離を置くもの」という意味。便通促進作用と、体組織の収斂(しゅうれん)作用の両方に効果を発揮する、元気回復剤です。さらにビビタキは結腸の毒素や、体内の粘液、肺に溜まったタバコのタールやニコチンまでを排出すると言われていて、強力な浄化効果があります。
そのうえ喘息や気管支炎などの肺関連のトラブルをはじめ、のどの痛み、心臓、目、膀胱関連の症状にパワフルな効果を発揮する、まさに病気知らずになれそうなハーブです。
ハリタキ(便通促進作用)
この三つのハーブのなかで、もっとも強く腸を刺激し、便通促進作用をおよぼすハーブです。ヒンズー教の医療・薬の神と言われる“ダンヴァンタリ”。
アーユルヴェーダの大学や施設では必ず祀られている神様は、日本では“薬師如来”としてお馴染みですね。その手には「ハリタキ」の枝が握られていると言われています。
ハリタキはガスを排出させる効果があり、消化を促進させ、青年期の若さを維持する強壮効果もある、と言われています。あらゆる病を緩和させ、すべての感覚器官を強くします。
皮膚病、貧血、麻痺、痔、心臓病、頭痛、下痢、食欲不振、せき、腹部が硬くなる症状、脾腫大、急性腹痛、唾液分泌過多などなど多くの症状に効能をもっています。
こんなパワフルな果実が合体した強力なハーブ、トリファラを取り入れよう
iHerbでトリファラを検索すると数々のサプリが出てきます。
さっそく手に入れて、若返りの効果を実感してみては?
体質を選ばないので、不調に悩む人へのギフトとしても喜ばれそうですね。
※Women’s Healthの2020年1月16日の記事(https://www.womenshealthmag.com/jp/wellness/g30513046/ayurveda-20200116/)より一部抜粋
どの果実も強力なパワーを持っていそうで、且つ、それらが同等量配合されたサプリメントと聞くと非常に興味深いです。
記事の内容を見る限り、科学的なエビデンスが出てきているということもあり、様々な症状に効果がありそうなことが伺えます。
Amazonに売られている以下の商品を見ても、評価は悪くないと思います。
私も、ひとつ購入してみましたので、どんな効果を実感できるのかについて試していきたいと思います。