現在、今まで可視化することが難しく曖昧な世界であった「香り」が、AI(人工知能)の発達を受けて、様々な角度での”可視化”ができるようになってきています。
香り・匂いの可視化センサーを開発する「アロマビット」という企業は、彼らが実現しようとしている『香り・匂いが可視化された世界』を映像化しているのですが、先月その内容に衝撃を受けご紹介したことがあります。
【過去の関連記事:香り・匂いの可視化センサーを開発する「アロマビット」が作った、『香り・匂いが可視化された世界』の動画が面白いです。】
「香りを可視化することにどんな意味があるのか? 」という部分をクリアにしてくれる動画だと思います。
この領域は、今後5年~10年の間に大きく成長を遂げる分野だと思っていますので、個人的には非常にワクワクしています。
この「香りの可視化」の分野において、ちょうど先日、東京・渋谷のヒカリエで「香り+言葉」の変換システム「KAORIUM」というものを体験するイベントが開催されていたことを知りました。
どんなものなのか、まずは、イベントのレポート記事についてご紹介します。
香りの超感覚体験とは?「香り+言葉」の変換システム「KAORIUM」を体験!Omezaトーク
忙しくストレスを感じやすい年末。体調も崩しやすい時期ですよね。みなさんはどんな方法で解決していますか。今回は香りの超感覚体験を提供するイベント「Experience KAORIUM」が東京・渋谷ヒカリエで開催されるとの情報を得て、「香りで癒されたい〜」想いから体験に行ってきました!
去る12月16日・17日の2日間、東京・渋谷ヒカリエ 8/COURT(渋谷ヒカリエ8階)で、香りの超感覚体験をつくる共創型プロフェッショナル集団SCENTMATIC(セントマティック)による香りの超感覚体験を提供するイベント「Experience KAORIUM」が開催されました。
初日の16日に行われたオープニングイベントでは、香りと言葉の変換システム「KAORIUM(カオリウム)」のコンセプトモデルを公開。
アロマの精油が好きな私にとって「香りと言葉」は身近な存在なのでどんな体験ができるのか気になり参加してきました。会場ではKAORIUMの体験のほかダンデライオン・チョコレートのBean to Barチョコレートや、香り豊かな日本酒の試食提供などが行われていました。
「KAORIUM(カオリウム)」ってどんなことをしてくれるの?
「今回発表する香りと言葉の変換システム『カオリウム』。このシステムでは、AIを駆使して香りを言葉に変換していくことで、香りの可視化を目指します。また、香りという漠然としたものを目に見えるようにすることで、香り本来のポテンシャルを引き出すことができます」とセントマティックの栗栖俊治社長が教えてくれました。
では、カオリウムではどのように香りを可視化してくれるのでしょうか。
まず、4つの香りから好きな香りをひとつ選び、選んだ香りから連想される言葉が画面に表示されるので自分が感じた言葉を選んで画面をタッチしていきます。
その言葉から連想される香りが周りのボトルからいくつかクローズアップされるので、その中からまた好きな香りを選定します。
好きな香りから連想される言葉を選ぶことを3回くり返し、最終的に好きな香りを3つ選びます。
すると、3つの香りから連想される言葉が導き出され、その言葉から連想される風景を言葉で表現するシステムとなっていました。
実際に体験してみて、導き出された香りはゼラニウム、ウッディ・ハーバル、エキゾチック・フローラルの3つ。共通ワードは華やかな、リラックス、うきうき、品のある、くつろぎ、魅惑的で“桜を包み込む春の風”という風景がイメージされました(メイン写真)。
私はアロマ精油に触れる機会が多いためか、好きな香りが特定されており、選びやすかったです。香りにのせる言葉も習慣になっていたので自然と出てきましたがこの香りにこんな言葉の意味もあるんだ〜と勉強になりました。
香りの超感覚体験について栗栖俊治社長はこう語られていました。
「香りの超感覚体験とは、香りから今まで感じられなかった感覚が得られることです。香りを感性と結びつけることで、脳全体を使って直感や言語、記憶を一気に結びつけることができるのです。香りの活用性については今後、感性教育の場では感じたことを伝える表現力を育む分野で活用したり、飲食体験では味わいや風味をより豊かに楽しめるように活用、エンターテインメントでは嗅覚が感じられる活用を目指すなど香りの製品にとどまらず、さまざまなシーンで活用可能と考えています」会場でご提供いただいたチョコレートや日本酒のコーナーでは、個人の感覚や表現の違いもあると思いますが、商品の香りから連想される言葉のパネルが置かれており、実際食べてみて出てくる言葉とパネルの言葉に共感したり、イメージになかった言葉を知ることができたり面白いな〜と思いました。
このようにふだん自分の中に秘めていて言葉にしない「香り」を言葉で表現して、自分以外の人と共有することはいろんな発想や考えに触れることができて価値観が豊かになるのではないかと思えた体験でした。
自分の好きな香りは癒しであり、リラックスできるアイテムのひとつ。忙しい日々を過ごしている現代人こそ、香りを身近に置いてハッピーになれる時間を増やしてみてはいかがでしょう。(編集 マチ)
Omezaトークとは…
FYTTE編集部員が、みなさんの朝のお目覚ましになるようなダイエット・美容・健康小ネタをお届けするコラムです。※FYTTE(フィッテ)の2019年12月29日の記事(https://fytte.jp/lifestyle/89431/)より抜粋
SCENTMATIC(セントマティック)の取り組みは、同じ香りに対しての感じ方はヒト様々なんだということがダイレクトに認知でき、個人の視野角を大きく広げることにも繋がりますし、潜在的に感じている自分の中の心地のいい記憶への気づきも促進されそうで、このような体験はその場が非常に盛り上がりそうです。
冒頭にご紹介した、アロマビットの可視化のアプローチと、セントマティックの可視化のアプローチの違いも面白いです。
アロマビットは、ニオイ分子レベルでの科学的アプローチを通じて可視化を実現しようとしているのに対し、セントマティックは、ヒトの感じ方の違いを言葉へ変換することで、香りを立体的に組み上げるアプローチを通じて、可視化を実現しようとしているように見えます。
香りの領域は、ニオイ分子と人体との相互作用のため、あまりにも壮大なので、
今後、「アロマビット」と「セントマティック」のような香り領域の企業がコラボすることで、より面白い香り体験を創造されていくのではないかと思います。
とにかく楽しみです。
SCENTMATIC(セントマティック)の情報
(セントマティックのVISTION動画)