「代替療法」としてのメディカルハーブの位置付けとは

※広告

先日、小林麻央さんが乳がんで命を落とされた後に、麻央さんに温存療法という「代替療法」を強く勧めたとされるクリニックが、不適切で違法な臍帯血移植を「がんに効く」などとして実施していたとされ摘発されたというニュースを見ました。

そのような流れもあり、昨今、代替療法そのものが批判の対象になっているようにも思われる部分もあり、違和感を感じるケースがあります。

ただ、逆も然りで、過剰に代替療法を推奨する団体・個人の記事を見ると、それはそれで違和感を感じるケースがあります。

そのため、「代替療法とは何か」、及び、「代替療法に分類される各療法の位置付け」について今ここで整理をする必要性があるように思いました。

とりわけ、JAMHA(日本メディカルハーブ協会)のハーバルセラピストとしては、「代替療法としてのメディカルハーブの位置付け」を整理しておきたい気持ちになりました。

そこをまずクリアにしておくことにより、代替療法全般に対する批判の内容、及び、過剰に代替療法を推奨する個人・団体の矛盾点に気づくようになっていくかと思います。

まず、「代替療法」の定義について、Wikipediaを参照してみたいと思います。

代替医療(だいたいいりょう、英: alternative medicine)とは、「通常医療の代わりに用いられる医療」を指す用語である。

Medicineは医療とも医学とも訳されることがあるので、代替医学とも呼ばれる。

近代ドイツ医療社会史専攻の服部伸は、代替医療(オルタナティブ医療)とは、科学的・分析的な近代医学の限界を指摘し、時には霊の力を援用しながら、患者の心身全体の調和を取り戻そうとする医療であり、中国医学や漢方医学、アーユルヴェーダもこれに含まれると述べている。

今のところ、通常医療に取って代わるような代替医療は存在しない。

帝京大学の大野智は、科学的に有効性が裏付けられた医療は通常医療に組み込まれるため、代替医療という言葉自体に矛盾があるのかもしれないと指摘している。日本でも一部の漢方薬は通常医療に取り入れられている。

Wikiの内容自体も歪んでしまっているので、話がややこしくなるのですが、

代替医療とは、「西洋・近代医学と一部の漢方医療以外の全般の療法を指すもの」といえると思います。

Wikiの一番のゆがみは、西洋・近代医学を「通常医療」と称しているところでしょうか。通常という言葉があまりにも観念が強い言葉だと思います。その観念を用いると、メディカルハーブ・アーユルヴェーダ・中国伝統医学等は、数千年、数百年は通常医療だったと言えます。

言葉一つ一つに突っ込みを入れていくと時間が無くなりますので、代替医療というのは、西洋・近代医学以外の療法というざっくりイメージでいいと思います。

代替医療が見直されてきた背景としては、西洋・近代医療では癌などの病気を完全に治すことができなかったり、副作用が強く出たりという問題があり、西洋・近代医療以前の、患者の心身全体のバランスを取り戻すことに重きを置いた医療の良さというものが再評価されたというのがあると思います。

2つの療法を、以下の5つの観点で比較した場合に、違いが分かりやすいので記載します。(赤字:代替療法 / 青字:西洋・近代療法)

生命観:  生気論      機械論
目的:   バランスの回復  故障の修理
自然観:  従うもの     コントロールするもの
得意領域: 機械の不調    緊急事態、外傷
不得意領域:器質的疾患    慢性疾患、心身相関疾患
※JAMHAハーバルセラピスト養成講座で教わった内容。

この内容は、メディカルハーブを学ぶ上でベースとなる考えで、それぞれの考え方の違い、及び、得意領域、不得意領域というのが明確に分かれています。

21世紀に住む我々人間にとっては、自分自身の体で起こっていることを認識し、最適な治療法を自己の責任で選択をする。そして、感覚が歪んでいれば誤った選択、感覚が使えていれば適切な選択をするということになると思います。シンプルな話ではあると思います。

ただ、この医療の世界は「莫大な利権」が絡むので、様々な業界の思惑のもとで歪んだ攻撃が繰り返されてるというのが実態だと思います。

次に、代替療法の中でメディカルハーブはどのような位置づけなのかを見ていきたいと思います。

メディカルハーブが、他の代替療法と比較して特異な点は、医薬品のルーツになっている点です。現在世に出回っている医薬品の半分以上はメディカルハーブが基になって作られているようです。

そして、「メディカルハーブ」(赤字)と「医薬品」(青字)の比較としては、以下が分かりやすいです。

含有成分:    多成分 vs 単一
作用の強さ:   マイルド vs 強力
作用範囲:    全身 vs 局所
有害作用の可能性:低い vs 高い
適用領域:    一次~三次予防vs 治療
※JAMHAハーバルセラピスト養成講座で教わった内容。

一次~三次予防というのは、予防医学の用語で違いは以下です。

一次予防:健康増進、疾病予防
二次予防:早期発見、早期治療
三次予防:疾病の進行および再発の防止、合併症予防、リハビリなど

つまり、メディカハーブというのは「即効性」を求めるものではなく、日ごろから摂り入れて事前に予防するために摂取するものです。

JAMHA(日本メディカルハーブ協会)のハーバルセラピスト養成講座のときも、メディカルハーブで対応可能な部分、不可の部分というのはしっかりと説明があります。

例えば、ホーソン(セイヨウサンザシ)は、心臓機能の低下、動悸、息切れに適用できることが一般的に言われていますが、ニューヨーク心臓協会(NYHA)が定義した心不全のクラス分類 Ⅰ度~Ⅳ度のうち、Ⅰ度~Ⅱ度はホーソンは使えるけど、Ⅲ度以上は使えないという説明がありました。

しっかりと認識しておく必要があるのは、代替医療の中でも、メディカルハーブを含め様々な種類の医療が存在するので、代替医療という一括りの言葉でまとめてしまっている記事については注意を払うことが重要だということです。

あとは、代替医療をとことん批判する人、及び、代替医療を異常に推奨するひとはどのような団体に属する人なのか等も必ず確認することが重要だと思います。医療の世界は大きなお金が動くからです。

次回は、今回の内容をベースとして、実際の代替医療ネタを見て、どう捉えられるかを考えてみたいと思います。

Like! Provence – プロヴァンスが大好きな、貴方へ。(バナーをクリック!)

名前 (必須)メールアドレス (必須)サイト

コメントを残す