昨年は、オリーブによる町おこしの記事を何回か書きました。
日本の各地でオリーブの木を育て、オリーブの実を収穫し、初めてオリーブオイルの搾油をし、商品化の目途が立ったというニュースが昨年の秋は多かったです。
【参考記事:伊豆だけではない、国内における相次ぐオリーブ特産化の動き。長崎・佐賀もオリーブ栽培が本格化。】
今年、来年あたりから日本各地から地ビールならぬ、『地オリーブオイル』が続々とリリースされてくるのではないかと思います。この流れはとても楽しみです。
この流れとは別に、新鮮な別の流れというか、今後が楽しみなニュースを目にしましたので、ご紹介します。
「アロマのまち」に 摘果ミカンでオイル試作、商品化めざす /神奈川
大磯町商工会の女性部(高橋みどり部長)などが、地元の摘果ミカンを利用したアロマオイルの試作品を作った。学生の意見も取り入れ、ミカンの香りにローズの香りをミックスさせた。今年末には、今夏の摘果ミカンを使って商品化にこぎつけたい意向で、女性部メンバーらは「大磯といえば『アロマのまち』といわれるようにしたい」と意気込んでいる。【渡辺明博】
女性部メンバーは約30人。大磯ミカンのPRと捨てられる摘果ミカンの再利用を兼ねて「人気のアロマオイルができないか」と、2年ほど前にメンバーの間で話題になった。昨年8月、町と商工会、横浜銀行(横浜市)、中南信用金庫(大磯町)の4者が、地域経済活性化のためにネットワークやノウハウを生かす協定を締結し、アロマオイル製作が一気に「マチ、カオル。Oisoプロジェクト」として始動することになった。
協定締結後、横浜銀行からオイルを抽出する高知県の蒸留所を紹介され、女性部は冷凍されていた摘果ミカン約20キロを蒸留所で十数グラムのオイルに抽出してもらい、これをもとにバラやラベンダーなどのオイルをブレンドさせた。
女性部が「若い人の意見を聞きたい」として相模女子大(相模原市)を訪問。出来上がった香りについて学生にアンケートを実施すると、バラの人気が高かったことからオリジナルな香りの「青みかん&ローズ(仮称)」の試作品にたどりついた。今月15日には同大で試作品の発表が行われ、銀行関係者も集まった。
これから商品のネーミングをはじめ、学生の意見を取り入れて視覚的に魅力あるパッケージデザインなどの検討に入る。女性部は今年7月に町内のミカン生産農家が行う摘果した青ミカンの収集を町に、商品化された後の販路開拓を中南信用金庫に協力してもらい、4者協定を実りあるものにしたいという。
高橋部長は「ミカンをむいたときの香りって、ほっとする感じ。その香りをアロマオイルで家庭に届けたい。そしていつか大磯が『アロマのまち』といわれるようになればうれしい」と話した。
※毎日新聞 地方版 2018年2月26日版
ミカン農家では、6月~10月に極端に大きな果実・小さな果実を落とすことにより、ミカンの果実の大きさをそろえるようです。病気にかかったり虫に食べられたりすると、果実の見栄えが悪くなるため、この様な果実を落として品質をそろえる作業を「摘果」と言います。
摘果されたミカンを活用することで、それが町おこしにつながるのなら、それは街も積極的に支援すると思います。
JAMHA(日本メディカルハーブ協会)ハーバルセラピストの養成講座を受けていたときに、精油のところで”ミカン科”のベルガモットが出てきたのですが、その時は、香りとしては日本で栽培されている「みかん」は弱いのかな?と思っていました。
ベルガモットの果実の香りを(精油としてではなく)直接嗅いだことがないので、比較できていないのですが、今回の神奈川県大磯での取り組みを見ると、日本で栽培されている「みかん」も充分にいい香りを出せるということですね。
この大磯ミカンを使ったアロマオイルの商品化が非常に楽しみです。
これがうまくいけば、日本各地でミカン農家と提携して、同様の動きが積極的に動いていくかもしれません。
今後の動向から目が離せません。