先日妻が、抹茶の粉末と、抹茶のお供となる落雁を買ってきてくれたので、抹茶を立てて飲んだのですが、春に飲む抹茶の爽快さは素晴らしいと感じました。
以前、粉末緑茶と抹茶の違いって何なんだろう?と思ったことがあったのですが、同じチャノキの葉が用いられているものの、葉の育て方が異なっていることを知りました。
碾茶(テンチャ)というお茶を粉末にしたものが抹茶で、煎茶を粉末にしたのが粉末緑茶なのですが、碾茶というのは、強い日差しが当たらないようにして育てられた茶葉のことです。日が当たって育った茶葉よりも、旨みの多い柔らかな新芽へと成長するとのこと。
こういうことを知っていくと、日本茶の世界の壮大な奥深さが伝わってきます。
今日は、東京・渋谷にある魅力的な日本茶専門店を紹介します。
木村ミサ行きつけ!都会のオアシスでいただく、日本茶専門店〈SAKUU 茶空〉の上質な1杯
みなさまこんにちは。木村ミサです。4月になり、新生活を始める方も多いかと思います。 そんな時期は、朝にお抹茶を点てて、心機一転したくなる。なんとなく、いつもと違ったことに挑戦してみたくなるのもいまの時期ならではの気がします。さて、今回は私が最近リアルに通う渋谷のホットスポット〈JINNAN HOUSE〉にある〈SAKUU 茶空〉へ。都会なのに開放感があり、とても居心地のいい空間です。
渋谷と原宿のちょうど真ん中。大通りから少し奥に入ったところに、お茶専門の複合施設としてオープンした〈JINNAN HOUSE〉。敷地内にある水色のかわいい建物の中に、こだわりの茶葉を扱う日本茶専門店〈SAKUU 茶空〉があります。“コーヒースタンドのような感覚で、手軽にお茶を楽しんでもらいたい”という想いからお店を始めたのだそう。都会とは思えないくらい静かで落ち着いた敷地内には広いテラスもあり、誰かのお家に遊びに来たかのような空間が広がります。
厳選された選りすぐりの茶葉から、自分の好きな茶葉を選びます。たくさんあり迷ってしまったときは、お店の方に茶葉の特徴を聞いてみると、いま自分が飲みたい茶葉が見つかるのでおすすめです。
【本日の1杯目】「伊藤園/煎茶めがみ」
「お〜いお茶」でおなじみの〈伊藤園〉から出ている「煎茶めがみ」。こちらは、鹿児島県産の「ゆたかみどり」と「さえみどり」のブレンド。〈伊藤園〉の「ゆたかみどり」は連載でも紹介しているほど、九州の茶葉の中でも好きな茶葉。そんな好きな茶葉同士のブレンド、好きな予感しかない。
「ゆたかみどり」の鮮やかな水色が自然光にきれいに映える。深蒸しで茶葉もサッカーグラウンドの芝生のような、目に優しいグリーンが広がりながら抽出されていく様子にうっとりします。 渋みは少なく、九州の甘みと旨味をまろやかに感じられる「めがみ」は、名前の通り、女神のように包み込んでくれそうな優しさがあります。少し落ち着きたいときやティータイムにいただきたい1杯です。
〈SAKUU 茶空〉のいいところは、2、3煎目までしっかり楽しめるところ。1煎目より温度を高くして、さらに色濃くなっていく様子や味の変化を感じることができます。日本茶って、日本人はペットボトルなどでなじみがあるけど、「丁寧に茶葉から淹れてみたいけど、方法がわからない」、「ハードルが高そうでなかなか手が出しにくい」など、お茶をあまり知らない人にこそぜひこの面白さを堪能してほしい。〈SAKUU 茶空〉では、お茶の良さや楽しみ方を手軽に知ることができるのが好きです。
【本日の2杯目】「Satén japanese tea/砂炒りほうじ茶」
お次は〈Satén japanese tea〉の「砂炒りほうじ茶」をいただきます。“砂炒り”という昔ながらの製法でつくられたほうじ茶は、砂で焙じることにより、茶葉に均一に熱が伝わることでしっかり火が通り、雑味がなくなるのが特徴です。茶葉は太くどっしりとした存在感のある印象。私の推し茶園〈吉田茶園〉でつくられた茶葉を使用しているということ。それだけで期待値急上昇!
茶葉のどっしり感から、しっかりと濃いほうじ茶の色をしながらもクリアな印象。芳醇な香ばしい香りの中にも軽やかな軽快さを感じます。この香りのアロマディフューザーがあったらほしいくらい、深みがありながらも華やかな香り。砂炒りということもあり、雑味がないすっきりとした飲み口。軽やかな口当たりに驚きます。昔ながらの手間暇かかった製法の真髄がここにあります。
【本日の3杯目】「奥富園/鬼の白骨」
ネーミングがなんとも目を引く「鬼の白骨」。最初に〈SAKUU 茶空〉へお茶しに来たときに名前で惹きつけられ てからこのお茶にハマり、いまではリピート率No.1の茶葉です。〈奥富園〉は狭山にある茶園で、さやまかおり、ほくめい、やぶきたの「骨」とよばれるお茶の茎を集め、白く膨らむまでじっくり火入れをした、ありそうでなかった白棒茶。強火でがっと火入れするので、力強い香ばしい香りが淹れる前からしっかり感じます。鬼の真骨頂、いただきましょう。
香ばしさの中にも青々とした緑茶の香りも感じ脳が混乱して面白い。そして、いただくと香ばしさの中になんだか豆茶のような大地を感じる印象を受けます。最初、この豆っぽさから、節分の鬼が由来なのかな?と思っていたのですが、そうではないようです。しかしながら、このほうじ茶でもなく緑茶でもない、そして豆茶っぽい独特の香ばしさはやみつき。唯一無二のお茶です。ぜひここで味わってほしい1杯です。
【本日のお土産】「伊藤園/煎茶天竜」
〈SAKUU 茶空〉では、お店で取り扱うほとんどの茶葉を購入することができ、おうちでも楽しむことができま す。今回は、静岡県天竜側中流域の雄大な自然の中でつくられた茶葉「煎茶天竜」。朝霧がかかり日差しがやわらぐような、上品な香りが風を開けた瞬間に広がります。
70度でじっくり茶葉を開き抽出します。透明感のある鮮やかな水色で清涼感のありとってもかわいい。さっぱりとした甘みと旨味が飲みやすく、お家でぐびぐびと何杯も飲みたくなるような味です。夏に向けて氷抽出してあげてもおいしい予感。可能性の広がる茶葉が自宅で楽しめるのはありがたいです。
都会のど真ん中にいながら開放的で、ノマドワーカーにもぴったりな〈JINNAN HOUSE〉。〈SAKUU 茶空〉のほかには、アートの展示会やフードトラックなども。様々なジャンルの人々が行き交う感度の高いこの場所にふらっと立ち寄り、それぞれの楽しみ方ができる希望のつまった場所です。そして、〈SAKUU 茶空〉ではもっとお茶の楽しい可能性を堪能していきたい。都会のオアシスとしてずっとこの場所にあり続けてほしい、魅力のあるお店です。それでは本日の一杯、召し上がれ!
〈SAKUU 茶空〉
東京都渋谷区神南1-2-5 JINNAN HOUSE内
月〜土11:30〜22:00、日11:30〜19:00 不定休
※東京都の要請などに応じ、変更の可能性がございます。
https://jinnan.house/※Hanako Tokyoの2021年4月27日の記事(https://hanako.tokyo/column/misa-kimuras-happy-tea-life/226594/)より抜粋
とても楽しそうです!
ここで様々な日本茶を堪能しながら、お店の人とのコミュニケーションを通じ、色々な情報と触れることで、日本茶の世界の魅力を理解できるのではないかと思います。
〈SAKUU 茶空〉は必ず足を運んできます。