春から夏にかけて重宝する紫蘇(シソ)。その紫蘇のことを詳細に説明した記事が参考になります。

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毎年、我が家のハーブガーデンでは、紫蘇(シソ)を栽培し、料理に活用しているのですが、このハーブの香りの良さにはいつも感動します。

しかも、採取しても、すぐに新しい葉が生えてきますので、割と長い期間楽しむことができるため、とても重宝するハーブの一つだと思います。

個人的には、ヒヤムギを食べるときのつけダレに、刻んだミョウガと紫蘇をコンビで入れるのが大好きで、毎年の楽しみの一つです。

あとは手巻き寿司の時にも欠かせない食材の一つだと思います。

普段、紫蘇と呼んだり、大葉と呼んだりしていますが、そのルーツについての理解を深めることができる記事に出会いましたので、今日はそれをご紹介します。

紫蘇(シソ)の豆知識や自宅での育て方とは? 新鮮な紫蘇を楽しもう!

シソ
一口食べると、食欲をそそるさわやかな香りが口に広がる紫蘇(しそ)。日本のハーブとして、刺し身のツマや料理の香りづけに、昔から愛されてきた野菜です。古くから栽培されてきた歴史を持つ紫蘇は日本の気候にもよく合い、手間をかけずともすくすくと育ってくれます。この記事では、家庭菜園で育てるのにおすすめの紫蘇について、その特性や豆知識、育て方の詳細まで幅広くご紹介していきます。

シソ

紫蘇(シソ)とは

シソ

紫蘇は、シソ科シソ属の葉菜類。草丈が10〜30cm程度の一年草です。4月下旬〜6月下旬に種子を播いて間引きながら育成し、本葉が10枚ついた頃から、収穫が可能短日植物のため、日の長さが14時間以上になると花芽分化を起こし、9月上旬頃からとう立ちして花穂を伸ばし始めます。やがて実をつけますが、花穂・実の収穫も楽しめますよ! ただし実がつく頃になると、まだ葉も収穫できますが、ややかたくなって香りも落ちてくる傾向に。秋が深まると、やがて枯死するライフサイクルをたどります。種子は9月頃から3月頃まで長く休眠するので、採った種子をすぐに播いても発芽しません。また翌年の栽培シーズンが訪れるまで待ちましょう。

紫蘇の原産地は、ヒマラヤからミャンマー、中国南部です。中国の後漢時代に、カニをたくさん食したことで中毒症状を起こした若者が、紫蘇の葉を煎じて飲んだところ、無事に回復したとか。「紫色をした草によって蘇った」ことから、「紫蘇」と名づけられたという話が伝えられています。

日本には古い時代に渡来したとされ、縄文遺跡から紫蘇の穂や実が出土したと報告されています。ただし、この時代は野山で生育する紫蘇を採取していたと考えられており、身近で栽培するようになったのは、遅くとも平安時代頃から。10世紀頃にまとめられた『本草和名』や『倭名類聚抄』には「イヌエ、ヌカエ、ノラエ」と表記され、薬草や漬け物用として利用された記録が残されています。

じつは大葉と同じ?

大葉とシソ

青果店やスーパーで、葉が束ねられた状態で「大葉」として売られている紫蘇の葉を見かけることも多いもの。ちょっとまって、「大葉」と「紫蘇」、なにが違うの? その答えは「同じもの」です。「大葉」は、紫蘇の中でも「青紫蘇の葉」を食材として指す言葉で、「紫蘇」は植物名を指しています。「紫蘇の中でも」と、ちょっと引っかかる表現をしましたが、理由は紫蘇には「青紫蘇」と「赤紫蘇」に大きく分けられるからです。「青紫蘇」は茎葉が緑色で、葉や花、実を薬味や刺し身のつま、天ぷらなどに利用します。「赤紫蘇」は茎葉が紫色で、梅干しや乾燥させて、ふりかけに利用するほか、実や花は青紫蘇同様に刺し身のつまなどになります。いずれも葉の表面が平らな品種と、縮れる品種とがあります。青紫蘇と赤紫蘇の両方を庭に植えると、彩りに変化がついてきれいですよ!

なぜ大葉と別名なのか

大葉とシソ

昔は青紫蘇を店で売るにあたって、芽や葉を食材として呼び分ける必要が生じ、大きく育った葉の方を束ねて「大葉」と称すようになったことが由来とされています。青紫蘇が普及するようになったのは1960年代で、静岡から大阪へ出荷する時に「大葉」と呼ばれるようになりました。その後も出荷先を全国に広げたことによって「大葉」という名前が定着することに。呼び方の違いは地域によって異なり、中部地方から東の日本海側では「紫蘇」の名前の方が主流で、関西から西の地域では「大葉」と呼ばれることが多いとされています。

紫蘇の花言葉

シソの花言葉

紫蘇の花色は紫か白。花穂を伸ばして、花が下から円錐形に咲き上がっていきます。小さな花がたっぷり咲く花姿は楚々とした雰囲気で、一輪挿しに飾っても趣があります。紫蘇はこの花穂や実も食べられ、利用価値の高い香味野菜です。

紫蘇の花言葉は、「力が蘇る」「善良な家風」など。紫蘇は栄養が豊富で殺菌作用が高いことから、このような言葉が与えられたと考えられます。

紫蘇の効能

紫蘇の効能

紫蘇には、βカロテンが豊富に含まれ、活性酸素を抑えて免疫力を高める効果があります。またビタミンB群やビタミンE、ビタミンKなどが、ほかの野菜より多く含まれるほか、鉄分、カルシウムなどのミネラル要素も豊富です。紫蘇のすがすがしい香りの成分は、主にペリアルデヒドで、強い防腐・殺菌の効果があり、刺し身のツマとして多く利用されるのは理にかなっており、経験的に古人から伝えられてきたのでしょう。食欲増進や健胃作用の効果もあるとされ、夏バテしやすい時期に大変重宝します。また、梅干しの漬け込みに利用される赤紫蘇の葉色は、アントシアニンというポリフェノールの一種です。

紫蘇の育て方

香りのよい紫蘇は、日本で昔から余すところなく利用されてきた、和製ハーブ。夏の冷たいそうめんの薬味に、刺し身のツマに、サラダや料理の香りづけなど、さわやかな風味をプラスしてくれるので、家庭で数株植えておくと大変便利です。ここでは、紫蘇の育て方を菜園、プランター両方でも楽しめるように、詳しく解説。夏の常備野菜にしておきたい紫蘇を、ぜひ家庭で栽培してみてください。

栽培環境

シソの育て方

紫蘇は、日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。半日陰の場所でも栽培可能です。生育適温は20〜23℃、発芽適温は22℃前後で、春から栽培をスタートします。丈夫で土質を選ばず、暑さに比較的強い植物です。

土づくり

土作り

【地植え】

種まき・または苗の植え付けの2〜3週間以上前に、苦土石灰を1㎡当たり約100g散布し、よく耕して土に混ぜ込んでおきます。種まき・苗の植え付ける当日、畝幅を約40cm取って目印をつけ、中央に深さ約20㎝の溝を掘ります。1㎡当たり堆肥2kg、化成肥料(N-P-K=8-8-8)約70gを均一にまき、埋め戻して平らにならしておきましょう。畝は1列植えで幅40cm、高さ10cmを目安につくります。

【プランター】

葉菜類の野菜用または、ハーブ用にブレンドされた市販の培養土を使うと便利です。

種まき

シソの種まき

ビギナーさんなら、花苗店やホームセンターで苗を買い求めて植え付けるのがおすすめですが、種まきからでも簡単に育成できます。「毎年、紫蘇の消費量が多いので、たくさん植えたい!」という方は、タネを購入して栽培するのがお得です。

紫蘇の種まき適期は4月下旬〜6月中旬頃。丈夫で育てやすいので、畑やプランターに直接播く「直まき」にします。紫蘇は「光好性種子」といって、発芽に光を必要とする性質の植物のため、覆土は薄く土をかける程度にしましょう。

【地植え】

株間を約30cm取り、1カ所に6〜8粒ずつタネを播く「点まき」にします。薄く覆土し、最後にはす口をつけたジョウロで水やりを。

【プランター】

土の容量が10ℓほど入る、標準サイズのプランターを用いる場合、3株の栽培を目安とします。

プランターの底穴に鉢底網を敷き、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れ、その上に野菜用にブレンドされた培養土を入れます。元肥として用土10ℓ当たり化成肥料(N-P-K=8-8-8)を大さじ2ほど混ぜ込んでおきましょう。水やりの際に水があふれ出ずに済むように、ウォータースペースを鉢縁から2〜3cm残しておきます。株間を約15cm取り、1カ所に6〜8粒ずつの点まきに。最後にジョウロにはす口をつけて、鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと水やりしましょう。

地植え、プランター栽培ともに、発芽後、2週間ほどすると本葉が出てきます。勢いのある苗を3本残してほかの弱々しい苗を間引きましょう。さらに成長して本葉が3〜4枚ついたら、勢いのよい苗を1本のみ残して「1本立ち」にします。間引き菜は、ベビーリーフとして利用できますよ!

植え付け

シソの植え付け

ここでは、花苗店やホームセンターで買い求めた、苗の植え付けからスタートする方に向けて解説します。種まきから栽培するのを選んだ方は、この項目は飛ばして次項からお読みください。

本葉が5〜6枚ついた苗が、苗の植え付け適期です。

【地植え】

土づくりをして畝を立てた場所に、株間を約30cm取って苗を植え付けます。最後にたっぷりと水やりしましょう。

【プランター】

土の容量が10ℓほど入る、標準サイズのプランターを用いる場合、3株の栽培を目安とします。

プランターの底穴に鉢底網を敷き、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れます。野菜用にブレンドされた培養土に、元肥として用土10ℓ当たり化成肥料(N-P-K=8-8-8)を大さじ2ほど混ぜ込んでプランターに入れましょう。水やりの際に水があふれ出ずに済むように、ウォータースペースを鉢縁から2~3cm残しておきます。株間を約15cm取って根鉢より一回り大きな植え穴を掘り、苗を植え付けましょう。最後に鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと水やりをします。

水やり

水やり

【地植え】

地植えの場合は、下から水が上がってくるので、天候にまかせてもよく育ちますが、雨が降らずに乾燥が続くようなら、適切に水やりをして補いましょう。乾燥すると葉がかたくなるので、梅雨明け頃から夏の間は敷きわらをしておくと効果的です。

【プランター栽培】

土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えます。特に梅雨明け後の高温期は乾燥しやすいので、朝夕2回の水やりを忘れずに行いましょう。高温の真昼に水やりすると、すぐにお湯状になって地温が上がり、かえって株が弱ってしまうので、必ず涼しい時間帯に与えることが大切です。

肥料

肥料

地植え、プランター栽培ともに、苗の植え付け(種まきした場合は本葉が5〜6枚ついた頃)をしてから、約2週間が経った頃から、追肥をスタートします。月に1〜2度、1株当たり約5gを目安に化成肥料を株の周囲にばらまきます。軽く耕して土に混ぜ込み、株元に軽く土寄せしておきましょう。肥料不足になると、葉が小さくなり、葉色も香りも薄くなります。

摘芯・花穂摘み

シソの育て方

草丈が15〜20cmくらいになったら、先端を摘み取る「摘芯」を行うと、わき芽が出て収穫量がアップします。また、花が咲くと株の老化が早まるので、「穂紫蘇(花穂)の収穫」を目的としていない限りは、花穂がついたら早めに摘み取りましょう。

病害虫

シソの病害虫

ハダニ、アダラムシ、ハマキムシの発生が多く見られます。紫蘇は葉を収穫するため、薬剤の使用は避けたいものです。梅雨明け後に乾燥が続くとハダニがつきやすいので、発生の疑いがある時は葉裏へ霧吹きをかけたり、水をかけて洗い流したりするとよいでしょう。害虫は見つけ次第捕殺するように心がけます。

秋になるとハスモンヨトウが大発生することがあります。成長した幼虫は夜に活動して見つけにくいのですが、孵化したての幼い幼虫は葉裏についていて見つけやすいので、発生初期に対処することが大切です。苗を植え付けた後すぐに、支柱をアーチ状に立てて防虫ネットを張ると、物理的に侵入を防ぐことができます。

収穫

シソの収穫

紫蘇は、主に葉を収穫して楽しむのがポピュラーですが、芽紫蘇、穂紫蘇、実紫蘇と、生育段階に応じた収穫もできます。それぞれの収穫適期や用い方を、以下にご紹介しますので、参考にしてください。家庭栽培だからできる、さまざまな利用法にチャレンジしてみましょう!

【芽紫蘇】

種子を播いた後、10〜15日で双葉を収穫したものを芽紫蘇といいます。主に刺し身のツマに用いられます。種まきした後に種子がたくさん余ったら、トレイなどに順次播いて楽しむのもよいでしょう。

【葉紫蘇】

本葉が10枚以上ついたら収穫を始めます。ほかの野菜のように根ごと抜き取って収穫するのはNG。葉が茂ってきたら、必要な分だけ摘み取る収穫を繰り返します。ただし、梅干しに使う赤紫蘇を収穫する場合は、梅を漬ける時期に株ごと収穫するとよいでしょう。

【穂紫蘇】

紫蘇は9月上旬頃から花穂を伸ばし始めます。花穂が1/3ほど開いたら、順次収穫を。刺し身のつまや吸い物などに用います。

【実紫蘇】

種子がついて、穂の先端の花が開いているうちに摘み取ります。佃煮にすると風味があっておいしく、また天ぷらや漬け物としても利用できますよ!

紫蘇を自分で育ててみよう

シソの育て方

紫蘇の特徴や豆知識、育て方など、さまざまな角度からご紹介してきましたが、いかがでしたか? 紫蘇は食用として余すところなく利用できる植物ですが、楚々とした風情の花にも観賞価値があります。昔から育てられてきた紫蘇は、栽培する土地の気候に順応しやすく、大変育てやすい野菜です。失敗の心配がなく、収穫の喜びをたっぷり味わえる紫蘇を、ぜひ育ててみてください。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

Photo/ 1) optimarc 2) EQRoy 3) EQRoy 4) kariphoto 5) Sixsmith 6) masa44 7) yoshi0511 8) wavebreakmedia 9) wasanajai 10) Trong Nguyen 11) Zoom Team 12) Singkham 13) Kittisak Chysree 14) optimarc 15) Taro_since2017 16) homi /Shutterstock.com

参考文献:
『やさしい家庭菜園』 監修者/藤田智、加藤義松 発行/家の光協会 2006年3月1日第1刷
『はじめての野菜づくり コンテナ菜園を楽しもう』著者/藤田智 発行/日本放送出版協会 2007年5月25日発行
『わが家の片隅でおいしい野菜をつくる』監修/藤田智 発行/日本放送出版協会 2008年2月10日第5刷発行
『別冊やさい畑 野菜づくり名人 虎の巻』発行/家の光協会 2009年2月1日発行
『甘やかさない栽培法で野菜の力を引き出す 加藤流絶品野菜づくり』著者/加藤正明 発行/万来舎 発売/エイブル 2015年5月25日発行第2刷

紫蘇はものすごく育てやすく、栽培に失敗した経験がないので、上記の記事の”育て方”の部分はかなりスルーしてしまいました。。

個人的には、「なぜ”紫蘇”と書くのか」や、「紫蘇と大葉の両方の呼び名がある理由」については、ぼんやりと疑問として持っていた部分だったので、かなりクリアになりました。

最近、薄荷(ハッカ)のことを取り上げた際にも感じたのですが、「和のハーブ」「和ハーブ」という言い方をしたときに、「イコール日本原産」という捉え方をしている人が意外に多いのではないかということです。(私もそのように思っていました)

正確には、「古くから日本の生活の中に根付いてきたハーブ」ということだと思います。

今、日本の中で、”ハッカ”や”和ハッカ”と呼ばれているものは、もともとは中国が原産ということでしたし、今回取り上げた”紫蘇(シソ)”もヒマラヤからミャンマー、中国南部が原産という記載があります。

生涯かけても、「これが絶対に正しい情報」と言い切ることは難しいと思いますが、日々様々な情報に触れて、「情報の確度を高める活動の継続」が大切だと感じます。

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