一度見ると試したくなる「ペパーミント」の様々な活用法が詰まった記事

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約一か月前、『”免疫力アップ・抗菌”に関連するハーブの説明をJAMHAのホームページでじっくりと読み返してみるシリーズ』の一連の記事の中で、「ペパーミント」を取り上げたことがあるのですが、内容的にはメディカルな側面に寄った内容でした。

【過去の参考記事:【ペパーミント】”免疫力アップ・抗菌”に関連するハーブの説明をJAMHAのホームページでじっくりと読み返してみるシリーズ-Part3-

米国がペパーミントの世界的な産地だったことを、この(↑)記事を書くまでは知らなかったので、大きな驚きがありました。

今日も、同じくペパーミントにフォーカスした内容なのですが、”活用法”に関する情報がたくさん詰まっており、今後のハーバルライフの中で活かせる内容で溢れていましたので、取り上げたいと思います。

うれしい効果がたくさん! ペパーミントの効能や使い方をご紹介します

うれしい効果がたくさん! ペパーミントの効能や使い方をご紹介します

「ペパーミント」という植物をご存じでしょうか。アイスやお菓子としてなじみ深いミントの種類の一つですが、実は、たくさんの効能がある、魅力的な植物なのです。この記事では、ペパーミントの効能やその使い方について紹介していきます。

ペパーミントとは

ミントとは、ハッカ(Mentha)属の植物の総称です。全世界で栽培、交配が盛んに行われてきたため、認定されている品種だけでも100種類以上あり、認定されていないものを含めれば600種類とも。種類によって、香りも大きさも葉姿も異なります。

こちらはスペアミント。葉がギザギザとがっているのが特徴の人気があり、ポピュラーな品種です。
こちらはスペアミント。葉がギザギザとがっているのが特徴の人気があり、ポピュラーな品種です。

その中でも今回の主役・ペパーミントは、スペアミントとウォーターミントの自然交配で生まれた交雑種で、ミントの代表的な品種の一つです。

ペパーミント

ヨーロッパに自生し、一般に温暖で湿った場所にみられ、現在ではアジアや北米など世界各地で栽培されています。草丈は50~80㎝程度に生長します。

ミント特有のさわやかな清涼感があり、料理のほか、ガムや歯磨き粉などにも利用されています。

ペパーミントの歴史

ミントは古くから食用だけでなく、薬用、香料として使われてきた歴史あるハーブ。メソポタミア文明までさかのぼることができ、粘土板の楔形文字にはハーブが書かれていて、その中にミントもありました。また、紀元前1000年前後のエジプトの墓から、ミントの一種が発見されていますし、古代ヘブライ人は、集会場の床にミントの葉を敷き詰めて、踏むたびに香りが広がるよう工夫をしていたとか。その後、ローマ兵によりローマ帝国全土に広がり、来客をもてなすために部屋でミントの葉をもんで、香りを漂わせていたといわれています。

そして、1700年後半頃にはイギリスで大人気となり、大量に栽培されるようになっていきます。

ミントの名前の由来

ミントの名前の由来はギリシア神話に登場し、呪いにより草に姿を変えられたメンテ(Menthe)という妖精の名前にちなんでいます。

ミントの名前の由来

冥王ハーデースは、非常に美しいメンテに魅了されてしまいます。それを知った冥界の女王である妻・ペルセポネーは、メンテに呪いをかけ、メンテは草に変えられてしまいます。それ以来この草はミントと呼ばれ、ハーデースの神殿の庭で咲き続けたそうです。また、地上でも芳香を放ち、人々に自分の居場所を知らせるのだといわれています。

 ペパーミントの効能

ペパーミントのさわやかな清涼感と刺激的な風味の主成分は、メントール。メントールには、鎮痛・鎮痒・冷却・防腐・殺菌作用があるため、湿布や軟膏など医療分野でもよく使われますね。また、その爽快感から、歯磨き粉やガム、化粧品類にも利用されています。

メントールには胃の消化促進効果があるため、食後のティーとしてもおすすめで、食べ過ぎ・飲みすぎなどで胃の調子が悪い時や、胃のむかつき症状、胃潰瘍の予防にも○。

風邪の引き始めに飲むとすっきり

風邪の引き始めに飲むとすっきりしますし、乗り物酔いを緩和する効果も期待できます。

加えて、ペパーミントには鎮静作用があり、精神的な緊張を和らげ、イライラをしずめ、心身をリラックスさせ、安眠へ導いてくれる作用もあります。

ペパーミントの使い方

生のまま

生のままの葉(フレッシュ)を使用します。

サラダやアイスやケーキに添えたり、カクテルや甘い飲み物に添えたりと、飾りとして使われることが多いですね。生の葉をホイップクリームに入れたり、チョコレートムースに入れたり、シャーベットに加えたりと、スイーツとの相性もぴったり! 生の葉をすり潰すことで、香りもさらに立ちますよ。

こちらはフォンダンショコラペパーミントシロップ添え
こちらはフォンダンショコラペパーミントシロップ添え

それと、リーフレタスとペパーミントの葉をちぎって混ぜてもおいしく食べられます。オリーブオイルにレモン汁と塩コショウで、シンプルサラダに!

こちらはペパーミント+スペアミントを加えたオレンジのサラダ
こちらはペパーミント+スペアミントを加えたオレンジのサラダ

ペパーミントには、苦み成分も含まれているので、慣れないうちは、少量での利用にしておくとよいでしょう。

また、生葉はハーブティーとして飲むこともできます。

生葉はハーブティーとして飲む

葉は食べなくても、あの爽やかな香りは存分に楽しめます。フレッシュでしか味わえない、贅沢なティーになりますよ。

たくさん収穫できたら、生の葉をお風呂に入れて、フレッシュハーブバスにしてもいいですね。

フレッシュハーブバス

ペパーミントの持つ清涼感で、汗でべたべたした体もすっきりします。

乾燥させて

乾燥させた(ドライ)状態でも使用できます。

ペパーミントは、冬には一旦葉を落とし、春にまた出てくる多年草。晩秋に収穫しておき、1年中活用できるように工夫した方法が、乾燥(ドライ)です。

乾燥させる

中東や地中海沿岸、ヨーロッパでは、ペパーミントの乾燥した葉を、マトンやラム肉料理などの香草焼きとしてよく使われます。乾燥させた葉は、クッキーなどの焼菓子にも向いています。

また、ミントの持つ爽やかな香りは、におい消しや殺菌作用もあります。ドライにしたものを布袋に詰めておけば、簡単におい袋の完成! 靴の中や車に置いたり、下駄箱やトイレなどの消臭剤に使ってもいいですね。

ミント・ローズマリー・ラベンダーをミックスしたにおい袋
ミント・ローズマリー・ラベンダーをミックスしたにおい袋

精油(エッセンシャルオイル)

ペパーミントは葉を料理やお風呂で活用するだけでなく、葉から有効成分を抽出した精油(エッセンシャルオイル)も活用されます。ペパーミントの精油には、リフレッシュ作用や消化促進作用、鎮痛作用、抗菌作用などが期待できます。

マスクが手放せない昨今…皮膚に直接付かない場所に、ペパーミントの精油をほんの少量つけているだけで、いい香りに。気持ちも違いますよ。
マスクが手放せない昨今…皮膚に直接付かない場所に、ペパーミントの精油をほんの少量つけているだけで、いい香りに。気持ちも違いますよ

ペパーミントは、普段からなじみのある香りですし、精油初心者さんにも取り入れやすいハーブです。まずは、マグカップにお湯をはって、そこにペパーミントの精油を1滴たらしてみてください。それだけで、リラックス作用を実感していただけるはず。

マグカップにお湯をはって、そこにペパーミントの精油を1滴

また、体の不調を整えるだけでなく、リンパの流れを促し、滞った血液や老廃物を流す作用もありますので、美容目的としてもおすすめです。その場合は、ホホバオイルやスイートアーモンドオイルなどの植物油に希釈して、セルフトリートメントをしてみてください。

*アロマオイル・フレグランスオイルなどの記載は、人工香料を指している場合もあります。表記を確認の上、必ず植物100%の天然香料を選びましょう。

*妊娠中・高血圧・てんかんの方は使用を避けてください。

*皮膚刺激が強いため、濃度を低く使用します。特に敏感肌の方は注意してください。

ハーブティーが定番

ミントハーブティーとは

ミントから作るハーブティーを「ミントハーブティー」と呼びます。

飲み方は、冬はホット、夏はアイスがおすすめ! 独特の清涼感が口に広がり、美味しいですよ。また、鎮静作用もあり、カフェインレスですので、寝る前やリラックスタイムにもぴったりなハーブです。

ミントのハーブティーは世界中で愛用されていて、基本禁酒の国・アラブでは、アルコールの代わりに、夏を代表する飲み物として、ミントティーやミントレモネードがよく飲まれています。

夏にぴったり!ミント×ライムが爽やかなスパークリングウォーター
夏にぴったり!ミント×ライムが爽やかなスパークリングウォーター

その際のコツを2点。

まず、先に伝えた「効能」を体内に取り入れたいのであれば、続けること。1日1杯からはじめて、まずは1か月続けましょう。ハーブは薬ではないので、速効性はありません。じわじわと身体に作用していきますので、長い目で見ることも大切です。

2つめは、有効成分は1度目におおよそ抽出されている点。緑茶と違い、2番茶・3番茶と飲むのではなく、1杯目を楽しみましょう。

作り方

生の葉を使用したフレッシュハーブティーと、乾燥させた葉を使用したハーブティーがあります。通常「ハーブティー」と書いてあるだけなら、乾燥した葉を使用していることが多いです。ミントは葉の部分のみを使用します。

生のミントを使う場合は、収穫したミントの葉を1枚ずつ枝から切り離し、水でさっと洗い、1杯150cc程度に対し葉を15~20枚ほどティーポットに入れます。

生の葉を使用したフレッシュハーブティー

そこにお湯を注ぎ3分蒸らしたら完成です。

乾燥させたミントで作る場合は、1杯150cc程度に対し、ティースプーン山盛り1杯が基本の量になります。こちらも、お湯を注ぎ3分蒸らしたら完成します。

自家製のミントをドライにして保存をする場合は、開花前のミントを摘み取り、水で洗い、水分をふき取ります。その後、数本ずつ輪ゴムで茎の部分を束ねたら、逆さまにして、風通しの良い場所で自然乾燥させましょう。

逆さまにして、風通しの良い場所で自然乾燥

その際、だらだらと時間をかけてしまうと、せっかくの芳香成分が揮発して、おいしく飲めない状態に…。扇風機やエアコンなどを利用して、短時間でカラッと乾燥させることがコツですよ。

育てておくと便利に使えますが、家にミントがなくても大丈夫! ハーブティー用のドライハーブは、インターネット通販を利用すれば、簡単に購入できます。

おすすめの飲み方

ハーブティーの楽しみは、香りと色。フレッシュでもドライでも、使用する種類によって、とても美しい色が楽しめます。せっかくなので、透明な耐熱ガラスのカップとティーポットを使用いただくことをおすすめします。

他のハーブとブレンド

また、ミントの葉だけだと青臭さが強くて飲みづらいかもしれません。その場合は、他のハーブとブレンドしてみましょう。いくつかブレンドレシピをご紹介しますね。

1. ミント×ミント

ペパーミント・スペアミント・アップルミントなどのミント類を合わせてみましょう。すべて同量、または、好きな香りがあれば、それを多めにブレンドします。

2. ミント×レモンバーム

ペパーミント・レモンバームを同量でブレンド。

3. ミント×ローズマリー

ペパーミント1に対して、ローズマリーはその半量~1/3をブレンド。

ミント×ローズマリー

ブレンドというと、一気にハードルが高く感じるかもしれませんが、ハーブは、他の種類と合わせることで、お互いの角を取り、まろやかな味わいにしてくれるんですよ。ぜひ一度、試してみてください。そのあとは、割合をお好みで変えて、オリジナルブレンドを楽しんでくださいね。

また、ミントティーは幅広くアレンジもできます。

例えば、ミルクを入れてミルクティーに。好みで砂糖を入れればより飲みやすくなります。

ミルクを入れてミルクハーブティー

ココアに入れるのも美味しく、ココアの甘さとミントの爽快感が合い楽しめます。アイスにして、上にミントを乗せると見た目もかわいくなりますね。

番外編として、ミントはお酒との相性もばっちり! キューバ発祥のモヒートは、夏にぴったりな爽快感溢れる定番カクテルですよね。

キューバ発祥のモヒート

砂糖・ライム・ミントを混ぜて氷を入れ、ラム酒と炭酸水を注げば完成です。お酒好きな方はぜひお試しを。

ペパーミントの保存方法

水に差して

ペパーミントの生の葉は比較的日持ちがします。茎が長いものなら、コップに水をはって、その中にさしておき、必要な分を使用します。水を毎日変えてくださいね。この状態で常温または、冷蔵庫で保管します。

密閉して

茎が短い場合は、密閉容器か保存袋に入れて冷蔵庫で保存します。私がよくやる方法は、ミントの葉は1枚ずつにカットして、水を含ませたキッチンペーパーを敷いたトレイに並べて、蓋をして冷蔵庫で保管、です。

茎が長い場合は、ミントを水で濡らしてよく絞ったキッチンペーパーで包み、寝かせて冷蔵庫で保管しておくと、1週間ほどは持ちます。この際、水が多く浸っている状態だと、葉が黒ずんだり、葉から成分が水に溶けだしてしまいます。水は、ほどほどで大丈夫です。

冷凍して

そのまま保存袋に入れて冷凍することができます。冷凍しておくと、1年中使えるので便利です。フリーズドライ状態ですので、手で少し触ると粉々に。スープやお料理の飾りに使ってもいいですね。

また、製氷皿に水と共に入れてアイスキューブにするのもおすすめ。夏のお水に、ミントの葉が浮かび清涼感も増します。冷凍なら、芳香成分を飛ばすことなく閉じ込められるので、保存方法としても優秀です。アイスティーに入れればアイスミントティーにもなりますね。

ペパーミントでリラックス

ペパーミントの特徴と使い方が、伝わったでしょうか? ペパーミントには、体にうれしい効能がたくさんあります。特におすすめは、手軽に贅沢気分が味わえる「フレッシュハーブティー」。

ペパーミントでえリラックス

一口飲みたいところですが、まずはカップを鼻に持っていって、香りを吸い込んで、深呼吸。身体の中に成分を取り込みましょう。芳香成分は一瞬にして脳に届くといわれています。鼻から取り入れたら、次は口から。胃に落ちていく時の爽やかな感覚と、口の中に広がるフレッシュさを感じると、「ほっ」とできるはず。一度飲んだらやみつきですよ。暮らしにペパーミントを取り入れて、リラックスできるおうち時間を過ごししてくださいね。

Credit

写真&文/堀 久恵(ほり ひさえ)

花音-kanon- 代表、ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。

生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。植物に囲まれ、日々ガーデンセラピーを実践中。埼玉県熊谷市在住。
https://kanongreen.com/

Garden Storyの2020年5月7日の記事(https://gardenstory.jp/lifestyle/42547)より抜粋

ハーブの初心者にとっても、ペパーミントの魅力が伝わる素晴らしい内容だと思います。

この内容を見ると、ペパーミントの【万能さ】に対するリスペクトの念が沸々と湧いてきました。また、ペパーミントの魅力をまだまだ全く活かしきっていないなあ、という反省の気持ちも同時に起こりました。

ハーブの世界に入ると、実に様々な種類のハーブ、また、一つのハーブの中でも様々な品種があるので、珍しいものにどんどん目移りしていったのですが、一定期間経過した後、メジャーなハーブの威力・存在感を改めて感じるステージに移ってきたような感じがします。

今後のハーバルライフを豊かにしてくれる内容の記事に出会うことができ感謝です。

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