ちょうど一昨日、日本経済新聞の有料会員限定記事に、以下の見出しと本文の一部が表示されていました。
北陸大学、薬草の健康粉末 骨の新陳代謝成分に着目
キャンパス発 この一品2020年2月19日 2:00 [有料会員限定記事]
北陸大学は牛乳などに溶かして飲む薬草の健康パウダー「シャカ茶々」を販売している。薬学部の研究グループが「カワラケツメイ」という薬草に骨を丈夫にする成分が含まれていることを発見し、商品化した。
シャカ茶々は金沢の観光スポット「近江町市場」や北陸大学内のショップなどで販売している。価格は15グラム×30包で1万3500円(税別)。カワラケツメイなどが主成分の粉末で、食物繊維や必須アミノ酸も豊富に含ま…
※カワラケツメイのことは、以下の過去記事で取り上げたことがあります。
【過去の参考記事:カワラケツメイ(河原決明)茶の歴史を知り、味を感じた時、カラスノエンドウ茶の美味しさに納得しました。】(2019年6月22日)
私は、日本経済新聞電子版の有料会員ではありませんので、上記の内容しか確認ができなかったのですが、「北陸大学 カワラケツメイ」でネット上で検索することで過去の記事がヒットし、背景が見えてきました。
第4回北陸大学研究ブランディング事業成果報告会を開催
研究活動 / 2018.03.30 update第4回北陸大学研究ブランディング事業成果報告会が3月30日、太陽が丘キャンパスで開催されました。
本学は文部科学省の実施する平成28年度「私立大学研究ブランディング事業」の支援対象校に選定されており、「北陸地方の生薬研究と食文化を基盤とした健康と創薬イノベーション」をテーマに創薬研究やオリジナルブランド商品の開発に取り組んでいます。
報告会では村田慶史薬学部長から平成29年度の事業概要について説明があったほか、薬学領域、健康領域、経済領域について各分野の研究の進捗が報告されました。
会場にはクマザサやカワラケツメイを使用した健康食品やボディクリーム等の商品の開発サンプルが用意され、参加者は実際に手に取って味や使用感を確かめました。
※北陸大学のホームページより
なるほどです。国による地域活性化政策の一環として、北陸大学に研究資金が落ちていることがわかりました。
上記の報告会時(2018年3月30日)に配布された資料として、以下が併せて添付されていました。
https://www.hokuriku-u.ac.jp/doc/research/report_04_180330.pdf
この資料の5ページ目(ページの記載では3)以降に、カワラケツメイの研究内容についての詳細の記載がありますが、【背景と目的】に概要の記載がありますので以下に貼ります。
上記によると、カワラケツメイ由来のフラボノイドの一つであるF2が、骨吸収と骨形成をバランスよく促進し、骨粗鬆症または骨強度の低下の予防または改善に有用であることが示唆されているということが書かれています。
上記の報告会から約一年後の記事(2019年4月22日)として、同じく、北陸大学のホームページに以下の内容が報告されていました。
薬学部研究グループが骨粗しょう症予防成分の抽出に成功し、国際特許出願
薬学部 / 2019.04.22 update薬学部の髙橋達雄准教授の研究グループは4月21日までに、石川、富山県内などに自生する薬草「カワラケツメイ」から骨粗しょう症の予防・治療効果が期待される成分の抽出に成功し、国際特許を出願しました。副作用の懸念がある従来の薬に代わる新たな治療薬として期待されています。
研究グループは、古くから健康茶などで親しまれているカワラケツメイに着目し、薬学部川田幸雄助教らが植物由来成分であるフラボノイドの抽出に成功し、骨粗しょう症のマウスに与えたところ、骨量の減少が改善し、骨芽・破骨細胞の増加が確認できました。
従来の治療薬では副作用の報告があるが、今回の研究で抽出されたフラボノイドには、副作用は確認されなく、経口での投与も可能であり、将来的にはサプリメントや医薬品として製品化を目指しており、この研究成果は10月に神戸で行われる第37回日本骨代謝学会学術大会で発表する予定です。
※北陸大学のホームページより
この流れを確認すると、冒頭の日経新聞の内容に納得しました。
恐らく、骨を丈夫にする成分は、カワラケツメイをそのままお茶として飲むよりは、粉末にした方がより効率的に体内に摂取できるということだと思います。
カワラケツメイのこと、もっと深く学んでいきたいと思うようになってきました。