以前、自分自身が漢方を学ぶことに対してのモチベーションが上がってきていることもあり、漢方スクールを運営する東京・品川に本社を置く「薬日本堂」のことを何度か取り上げました。
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そして、先週末、その薬日本堂で、「はじめての漢方入門」という1Dayセミナーを受けてきましたので、その内容について簡単にレポートいたします。
このセミナーは、漢方を学んでいこうと思っている人に対して、漢方の考え方の基本を伝え、「漢方とは何か」についての理解をするためのものであり、位置づけとしては、薬日本堂が用意している様々な漢方講座のコースを選択する上での入り口にあたるものです。
まず、「漢方」というのは、古代中国医学(紀元前2000年以上前に誕生)をベースとして、日本で独自に形成されてきたもので、英語では、漢方の事を「Japanese Traditional Medicine」と訳されるとの説明があり、かなり新鮮な感覚になりました。
古代中国医学の根源的な思想として、「天人合一(てんじんごういつ)」というものがあり、人と自然・宇宙を一つの統一体と考えて、人間の形や機能も天地自然に対応するものという捉え方をしているとのこと。
漢方の考え方では「一に養生、二に薬」といい、まずは養生を実践することが大切と考えています。
つまり、「漢方=未病を癒す」という考え方となります。(「未病)というのは、健康と病気の中間の状態を指すという説明がありました。)
漢方と言うと、「薬」のイメージが強いですが、鍼灸・気功・按摩・薬膳なども含まれ、言葉の定義は広いことがわかりました。
また、漢方の理論のベースは、「陰陽五行説」にあることがわかりました。
月と太陽、水と火などの自然現象を二つの対立関係として捉えた「陰陽」が生じ、 五遊星(木星・土星など)の発見と、古代人の生活必須要素である木・火・土・金・水が一緒になり「五行説」が生まれ、その2つの概念が融合し、「陰陽五行説」が成立し、天文歴、政治、道徳、その他全ての物事の基礎理論に用いられてきたとのこと。
人間は自然の一部なので、上記の法則が当てはめられるということで、この「陰陽五行説」が、養生と医療の分野に採用されるようになり、人と自然との関係や、人体内部の臓腑の相互関係を明らかにし、病理、診断、予防、治療など、漢方医学の理論の基礎がつくられたとのことです。
これが記述されたのが世界最古の医学書と言われる『黄帝内径(こうていだいけい)』ということでした。
※「陰陽五行説」の少し具体的なことについては、以下のページが要点をシンプルに押さえている内容になっており、わかりやすいです。
※黄帝内径(こうていだいけい)については、講師の方が以下の書籍を紹介していたので、私も購入しました。
さらに、この「陰陽五行説」が養生と医療の分野の様々なところに応用され、そこから下位の考え方が誕生していくのですが、セミナーの中では、以下の4つの考え方が紹介されていました。
①食性
食性は、食材の性質のことで、以下のページの五性に該当します。
②気血水
気血水は人体の構成成分。気は陽で、血水は陰と捉える。気血水は五臓六腑が連携して作り上げ、動かしている。
③五臓説
五行説を人間の臓器に当てはめた考え方。
④食味
五行説を人間の味覚に当てはめた考え方。
今回、薬日本堂の「はじめての漢方入門」セミナーに参加したことで、漢方の考え方のベースになっている理論の基本的な知識、そして、そこからは様々な考え方が広がっているということがわかりました。
自分自身の漢方に対する知識を深めていく上で、今回のセミナーはとても貴重な時間でした。
今後、漢方に関する情報に触れる際の捉え方に変化が出てきそうです。