昨日、息子の用事でブックオフへ立ち寄ったときに、園芸コーナーのところを見てみると非常に魅力的な2冊の出逢い、即購入しました。
一冊目が、「南仏プロヴァンスのハーブたち」(写真:広田尚敬 文:広田せい子)〔文化出版局〕
広田せい子さんは、日本のハーブ研究の第一人者と呼ばれている人で、独自のハーブ研究に対して世界的な評価を得ている方です。詳しいプロフィールはこちら。
広田せい子さんの旦那さんの広田尚敬さんは鉄道写真のパイオニアということで、この本では、写真は全て尚敬さんが撮っています。
B5版のサイズで135ページあるのですが、文と写真がびっしりと豊富で、日本人が書いた南仏プロヴァンスのハーブ書籍でこれほど情報が詰まった本はない!と断言できるほどです。読んでいて爽やかな気持ちになりますし、ネット上ではまず見かけることがない情報がほとんどです。
以下に一部の写真を貼ります。
本を買ってこれほど得した気分になったのは珍しいです。
ちなみにインデックスは以下です。
夢にまで見たハーブの故郷(13ページ分)
自然が育てた野生のハーブたち(16ページ分)
暮らしにとけ込むハーブを訪ねて(46ページ分)
市場のとりことなって(18ページ分)
見渡せばあちこちにハーブのある風景(12ページ分)
西洋菩提樹に想いを込めて(8ぺージ分)
プロヴァンス ハーブの道をたどる(12ページ分)
二冊目が、先日行った蓼科ハーバルノートの萩尾エリ子さんの17年前の著書「ハーブ(シンプル&ナチュラル)〔池田書店〕です。
先日、蓼科旅行へ行った際に、「長野県茅野市の「蓼科ハーバルノート・シンプルズ」へやっと訪れることができ、萩尾エリ子さんにも会えました」という記事を書きましたので、蓼科ハーバルノート、萩尾エリ子さんの雰囲気を感じてみたい方は読んでみてください。
この本で感じたことは、萩尾さんのハーブに対する丁寧な向き合い方です。以下の写真を見て頂ければわかると思います。
これはラベンダーのことについて取り上げている部分なのですが、ラベンダーのカテゴリーで約20ページを割いています。通常の市販書籍でこれほど有益な情報が詰まっているものは見たことがないです。
この本の構成は3部構成で、
Part2[11種を利用した簡単レシピ]料理・36種(約50ページ)
Part3[自由自在の喜び]ハーブとの生活法(約30ページ)
となっています。
個人的な趣味で申し訳ありませんが、私は17年前の萩尾さんの写真に出逢えたこともうれしかったです。
この2冊の本に共通することは、著者のハーブに対する強い想いが伝わってくることです。本当にハーブのことが好きだということが伝わってくるので、本を見る側としても飽きることがありません。本に記載されている内容以外の情報も沢山入ってくるからだと思います。
一方で、最近書店で見かけるハーブ書籍はどうでしょうか。事典的な内容のものばかりで著者の個性が伝わってくるものが結構少ないのではないでしょうか。
また、目新しい情報が非常に少なく、どの本を見ても似たりよったりの内容になっていることが多いです。
これの意味することは、1980年代・90年代は純粋な気持ちでハーブを探求している質の高い人が多かったのではないかという仮説を持っています。
2000年以降、ハーブ・アロマの様々な資格が増えてきて、その本質よりも人間が決めた基準に囚われてしまっている人が増えてしまっているような面もあると思います。
例えばの話ですが「このハーブティーを飲んでアンチエイジング!あなたもキラキラな美魔女になりましょう」的なちょっとあれなキャッチコピーがあちこちで見かけるのもその一端かもしれません。
純粋な探求心を失うと、内容は一気につまらないものになるので、自分への戒めも含めて、気を付けていきたいと思います。