管理栄養士が解説する、ゆず(柚子)の栄養面の特徴&上手な保存方法

※広告

先日、日本メディカルハーブ協会(JAMHA)の「全国ハーブサミット in 中芸」のバスツアーのレポートをしました。

高知県の中芸地域といえば、「柚子」の生産が全国的に有名であり、日本の柚子の代名詞的な位置付けにある「馬路村(うまじむら)」へ行った時のことは、深く記憶に刻まれました。

【過去記事:全国ハーブサミット in 中芸 JAMHAバスツアー【ゆず製品の工場見学-編】】(2021年11月7日)

【過去記事:全国ハーブサミット in 中芸 JAMHAバスツアー【柚子研究の第一人者による講義-編】】(2021年11月8日)

馬路村に訪れてからというもの、柚子関連の情報には敏感になり、アンテナが広がったため、日々触れるニュースの中でも柚子関連の情報が以前よりも増えたという個人的感覚があります。

今日は、柚子の栄養面の特徴と上手な保存方法について、管理栄養士が解説した記事を取り上げます。

果汁も皮も丸ごと活用!「ゆず(柚子)」の栄養&上手な保存方法【管理栄養士監修】

爽やかな香りで料理の香りづけはもちろん、アロマ素材としても活躍するゆず(柚子)。果汁と果皮のどちらも活用できることが魅力ですが、それぞれに異なる栄養面の特徴について、管理栄養士が詳しく解説します! 栄養情報はもちろん、上手な保存方法も必見です。

果汁・皮それぞれに特徴が!柚子の栄養情報

ゆずの果汁100gあたりに含まれる主な栄養素

・エネルギー:30kcal
・糖質量:6.6g
・食物繊維:0.4g
・ビタミンC:40mg
・β-クリプトキサンチン:15mg

ゆずの果皮100gあたりに含まれる主な栄養素

・エネルギー:50kcal
・糖質量:7.3g
・食物繊維:6.9g
・ビタミンC:160mg
・β-クリプトキサンチン:440mg

特徴1:ビタミンC

ゆずの果汁・果皮にはビタミンCが含まれています。比べると果汁よりも果皮の方が豊富で、その含有量は約4倍です。

ビタミンCには抗酸化作用があり、鉄分の吸収促進によって貧血予防に役立つほか、コラーゲンの生成に必要で肌や粘膜の維持、しみ・そばかすを予防する働きがあります。

特徴2:β-クリプトキサンチン

β-クリプトキサンチンはゆずの果皮に豊富です。果汁と比較して約29倍も含まれています。β-クリプトキサンチンは、体内でビタミンAに変換されるのが特徴です。抗酸化作用があり免疫力を高める働きや、肌の健康を保つ働きなどがあります。

特徴3:食物繊維・糖質

食物繊維はゆずの果皮に豊富です。食物繊維は体内の消化酵素で消化することができない栄養素。そのため消化・吸収されることなく腸まで到達するのが特徴です。

善玉菌のエサとなり腸内環境を整えます。便のかさを増やし、ぜん動運動を刺激して排便を促すので、便秘を解消したいときにもおすすめです。

左からゆず、すだち、レモン

ゆずは甘みが弱いことからも想像できる通り、糖質量が少ない果物です。酸味が強く一般的にそのまま味わうことには向きませんが、香りや酸味を活かして料理やスイーツに使われます。

このようなかんきつ類のことを「香酸かんきつ」と呼び、レモン、ライム、すだち、かぼすもその仲間です。

ゆずの効能・効果について知りたい!

美容にうれしいビタミンCが豊富

ゆずはビタミンCが豊富です。ビタミンCはメラニン色素の形成の進行を抑える働きにより、しみ・そばかすを予防したいときにおすすめです。さらに、ビタミンCは肌のハリや弾力に関わっているコラーゲンの生成にも欠かせない栄養素で、健康な肌を維持するために役立ちます。

ゆずの香り成分にはリラックス効果が

ゆずの独特な香りはリモネンユズノンなどいくつかの香り成分のバランスから生み出されています。リラックスできる香りとしてアロマ素材、入浴剤や化粧品など幅広く活用されています。

日本では昔から健康を願う文化として、冬至に入るゆず湯が親しまれていますね。

ゆずの苦み成分にはポリフェノールも

ゆずの果皮の白い部分・白いスジにはポリフェノールの一種で苦み成分でもあるヘスペリジンが含まれています。ヘスペリジンは毛細血管を強くする、血流を良くするなどの働きがあるので、冷え性が気になる人におすすめです。

ゆずは種まで活用できる!

ゆずの種は表面にぬめりがありますが、これは水溶性食物繊維の一種であるペクチンです。

ペクチンはジャムをゼリーのように固めるために利用されますが、ジャム作りで固さが不十分な時はゆずの種(ぬめりが残ったもの)を加えることで自然のゲル化剤として活用できます。

ゆずの保存方法&長持ちのコツ

室温/冷蔵保存どちらが正解?

冬場なら冷暗所で保存できますが、夏場や室温が高い場合は冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。乾燥に弱いため、新聞紙やキッチンペーパーに包み保存袋に入れたものを冷蔵庫の野菜室での保存するのが最適です。

冷凍保存すればすぐに使えて便利!

ゆずは一度に使う量がそれほぞ多くないので、冷凍保存しておくのがおすすめ。冷凍するときは、使いやすさを考えて果皮と果汁に分けるとより便利です。

果皮は香りを逃さないために大きめに縦向きに剥き、くっつかないように保存袋の中に並べて空気を抜き冷凍しておくと、少量ずつ使えます。

果汁は製氷皿などで少量に分けると簡単に冷凍保存できます。冷凍したゆずは殺菌するためにも加熱調理して食べましょう。保存期間の目安は約1カ月です。

ゆずを冷凍しても栄養素に変化はない?

ゆずは冷凍することで鮮度を維持するとともに栄養素の減少も防ぐことができます。冷凍したゆずは解凍すると細胞が壊れて果皮が柔らかくなり、栄養素が流出しやすくなります。

シロップ漬けや塩漬けするときには冷凍保存したものを使用すると時短にもなるので、ぜひ試してみてくださいね。

 

撮影:黒石 あみ(小学館)

 

【参考】
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・JAグループ「とれたて大百科」ユズ(柚子)
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=68
・農林水産省 「特集2 香酸かんきつ(1)」
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1701/spe2_01.html
・毎日くだもの200グラム推進全国協議会委員 「くだものの栄養素」
http://www.kudamono200.or.jp/health/health_01.html
・毎日くだもの200グラム推進全国協議会委員 「くだものの健康効果」
http://www.kudamono200.or.jp/health/health_02.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-008.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」コラーゲン
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-011.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」食物繊維
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」腸内細菌と健康
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html

(最終参照日 2021/09/06)

※kufuraの2021年11月28日記事(https://kufura.jp/life/food/193081)より抜粋

この内容に触れると、柚子の果皮を冬場に活用するメリットをより深く理解できます。

ヘスペリジンが豊富に含まれる「果皮の白い部分」をしっかりと活用したいと思いました。

そう言えば、今年の初めに「香りがアップする柚子(ゆず)の絞り方」の記事を取り上げましたが、それを解説していたのは、JA馬路村の広報の方だったことに今気づきました。

【過去記事:香りがアップする柚子(ゆず)の絞り方。柑橘を絞る際の基本にできると思いました。】(2021年1月7日)

Like! Provence – プロヴァンスが大好きな、貴方へ。(バナーをクリック!)

名前 (必須)メールアドレス (必須)サイト

コメントを残す