大学生の時、バイト先の先輩からタバコを薦められ一度吸ってみたのですが、かなり咳込んでしまい、それ以来一度も煙草を吸ったことがありません。
(大学1年生の時に自然気胸で手術をしていたこともあり、呼吸器系が万全でなかったことも影響していたのかもしれません。)
そのため、人生の中でほぼタバコというものに興味を持つ理由が無かったのですが、天然香料・ハーブと意外に馴染みの深い世界であることを知ったことで、タバコの世界の面白みを感じてきました。
その世界を知るきっかけになった記事を以下に取り上げます。
日本のタバコと海外のタバコ、どれくらい味が違う? 中国&インドネシアの銘柄と吸い比べてみた
2021年夏――。皆さんは、オリンピックやパラリンピックの開会式をご覧になっただろうか。
プラカードに先導されて入場してくる、様々な国や地域の選手たち。
愛煙家の記者は自宅でたばこを吸いながら、その様子を見ていた。そして、ふと思った。
「各国で人気の銘柄を吸ってみたい」
記者はさっそく、国内外の様々な銘柄を取り揃えた「ミマツたばこ」(千代田区秋葉原)を訪れ、店主に話を聞きながら、アジア各国でお馴染みの銘柄を購入。まずは近場から攻めていこう、という魂胆だ。
それらを自宅に持ち帰り、吸ってみることにした。
「ガラム」や「中華」って知ってる?
JR秋葉原駅電気街口から徒歩3分ほど。
万世橋近くの高架線下(秋葉原駅前南通り)に、「ミマツたばこ」はある。
店内に入ると、扱われている銘柄の多さに驚かされる。
紙巻きたばこのショーケース
手巻きたばこのショーケース
「国内外から400種類以上の銘柄を取り揃えているんですよ」
そう話すのは、ミマツたばこ店長の山本荘司(55)さんだ。
同店はその品ぞろえの豊富さから、根強いファンが多いという。日本人だけでなく、外国人もよく訪れるそうだ。特にアジア圏からは、メビウスやセブンスターのタール・7ミリを好む中国人が多いという(山本さんは「スター」やラッキーナンバーの「7」が好きだからでは、と話していたが真相は不明だ……)。
山本荘司さん
さて、数ある銘柄のうち、ミマツたばこで、よく売れているアジアのたばこ銘柄って何だろう。
「アジアのたばこといえば、日本や中国、インドネシア産が有名で人気ですね。
うちの一番人気は、インドネシアの紙巻きたばこ『ガラム・スーリヤ・マイルド』でしょうかね。他には『ジャルム』なんてものも人気です」左がガラム、右がジャルム
両者は、丁子(クローブ)の抽出油をブレンドした独特な香りが特徴で、クローブシガレットやクレテックたばことも呼ばれる。丁子の油が染み込んだ葉が「パチパチ」と音を立てて燃え、その香りは「甘ったるさ」さえ感じるという。
では中国のたばこだと、どれが人気なのだろう。
「やはり人気は、『中南海』でしょう。ハーブがブレンドされているからか、どこか漢方薬のような香りが楽しめます。これを吸うと喉にいいとも言われていますね。
最近だと、『中華』も人気です。高級志向が高まりはじめ、イギリスのトレジャラーに近いテイストです。柔らかい味わいが楽しめますよ」左が中南海、右が中華 トレジャラーとは、世界で最も高価なたばことして知られ、日本では一箱3000円で販売されている。山本さんが吸っているのも、コレだという(なんて、ゴージャス!)。
そんなこぼれ話を聞きながら、今回は、中国のたばこ銘柄から中南海スーパーライト(20本入り、470円)と、中華(20本入り、600円)を購入することに。インドネシアからは、ガラム・スーリア・マイルド(16本入り、600円)とジャルム・スーパー(16入り、480円)の2種類を選んで、家で吸ってみることにした。
まずは「日本のたばこ」を再確認
海外のたばこを吸う前に、まずは、日本のメジャーな銘柄をいくつか紹介しておこう。
吸い比べてみることで、日本と海外のたばこの違いを体感してみよう、という思惑だ。
手元に用意したのは、ミマツたばこ店長いわく、中国人に人気のメビウスとセブンスター。それと、日本の代表的な紙巻きたばこの一つである、ピースだ。
左から、セブンスター・7(20本入り、560円、タール7ミリ)、ピース(20本入り、560円、タール21ミリ)、メビウス・オリジナル(20本入り、540円、タール10ミリ) 1969年に日本たばこ産業(JT)より発売されたセブンスターは、国産で初めてチャコールフィルターを採用したたばこ。日本の多雨多湿な風土に合わせて、国産はたばこがブレンドされている。
初めて吸ってみたが、まろやかさの中に、コクを感じる。メジャーなのは14ミリタイプだろうが、7ミリでも十分吸いごたえアリだ。
2012年8月に「マイルドセブン」から名称が変わった「メビウス」。様々な種類があり、今ではフィルター内のカプセルをつぶして様々な香りを楽しむメンソール系も人気だが、オリジナルも抜群に美味い。ハチミツやバニラ、カモミールなどの7つの天然香料により、やわらかくマイルドなのが特徴だ。
そして、オリーブの葉を咥えた鳩のデザインでお馴染みのピース。フィルターの無い両切りタイプの「ショートピース」や「缶ピー」が好きな人も多いだろう。筆者がセレクトしたのは、ソフトパッケージの「ロングピース」(金ピース)である。香料を最小限しか使わない、タバコ本来の香りを生かした「バージニアブレンド」の銘柄で、ほのかなバニラの香りが、たまらない。
火をつけ、ひと吸い。濃厚なミルク風味の甘みを味わうことができる。
うん、日本のたばこって最高だ。では、中国のたばこはどうだろう。
「中華」は「ピース」っぽい?
まず封を切ったのは、中南海スーパーライト。タールは3ミリで、比較的「軽め」のたばこだ。
中南海スーパーライト。パッケージには「HERB BLEND」 フィルターには「中南海」 いったい、どんな味わいなのだろう。まず葉っぱを嗅いでみると、ほのかにハーブの香りがする。
それに火を点けて吸ってみると、癖のないマイルドな味わい口の中に広がった。それ以外の感想が思いつかないほど、シンプルなたばこである。美味しい。
続いては、中華。タールは12ミリだ。
フィルターに「中華」!なんだか、偉大だ 葉の香りは、甘酸っぱい柑橘系で、ピースに似ている。
火を点けて煙を口に含むと、タール12ミリの味わいはインパクト大。
気品ある高級な見た目 たばこらしい香ばしさが、ガツンとくる。ただしバニラ系の甘みもあって、非常にマイルド。
匂いも味わいもピースっぽい。美味しい!でも、ピースほど香りに奥ゆかしさは感じなかった。
パチパチ音と甘ったるさが特徴的
では、インドネシアのたばこ達はどうか。
先に述べたように、ガラム・スーリア・マイルドは丁子(クローブ)の油を使ったインドネシアの代表的なクレテックたばこ。
タールはなんと、33ミリ。
はたして吸えるのか……、と思いつつ封を切ると、その匂いに驚かされる。
ガラム・スーリア・マイルド。匂いが凄い 東南アジア料理店の匂いというか……。エスニックな香りが、プンプンする。
クローブの油シミが凄い 火を付け、吸ってみると……。まるで線香花火のように、パチパチと音が。
パチパチというかバチバチ…? これだけで、カルチャーショックを受けたのだが、衝撃はそれだけではない。
紫煙から、びっくりするくらい甘ったるい香りが漂うのだ。
タールの高さの割には、やや吸いやすい。でも、しっかり喉にガツンとくる。フルーツのようなトロピカルな甘みが特徴的で、唇に甘い蜜がつく(舐めると美味しい)。
これは人を選ぶたばこだ。つい先ほどまでメビウスとピースしか吸ったことがなかった筆者にとっては、「たばこ」とは別の嗜好品じゃないのか、とさえ思えた。
最後に紹介するのは、ジャルム・スーパー。こちらは、タール40ミリとなっている。
ガラム・スーリヤ・マイルドと並ぶクレテックたばこ。
でも、ガラムとは違う匂い。バナナっぽいな……。
ジャルム・スーパー ガラムよりもパチパチ音は小さい いざ吸ってみると、ガラムよりタール値が高いのに、ガツンとこない。パチパチ、チリチリ音も小さめだ。
ガラムよりたばこ感が強い印象を受ける。マルボロやメビウスにガラムを足してみた感じ……、だろうか。それでも匂いは、もう東南アジア全開だ。
今回は、アジアを代表するたばこの銘柄を吸ってみた。
中国のたばこは、日本に味わいが近い。インドネシアのものは……まったくの別物。唯一無二の存在感があった。
喫煙者のみなさん、オリンピックやパラリンピックで国際色が高まっている今、日本のたばこと海外のたばこの違いを体験してみるのはいかがだろうか。
かなりハードに国際的な気分が味わえるかもしれない。
※Jタウンネットの2021年8月30日の記事(https://j-town.net/2021/08/30325957.html)より抜粋
昔の薬草たばこの世界においては、ハーブ・香りとの繋がりが深いことはわかっていましたが、現在の紙タバコにおいても、ハーブ・香りとの繋がりの観点で、このようなバラエティーに富んだ世界が存在していたことを全く知りませんでした。
抜粋記事中で紹介されている中国、インドネシアの銘柄はインパクトの大きそうなものが多いです。
秋葉原のミマツたばこで、面白い銘柄を選択し味見をしてみたい気分になってきました。。