ちょうど今から2年前に、芍薬(シャクヤク)のエキスを用いて、抗がん剤による手足の痛みやしびれを和らげる塗り薬が開発中というニュースを取り上げたことがあります。
【過去記事:新新薬品工業(富山市)と富山大学が、芍薬(シャクヤク)のエキスを用いて、抗がん剤による手足の痛みやしびれを和らげる塗り薬の開発に乗り出しているようです。】(2019年8月12日)
その後のアップデート情報についてネット上で公開されていないので、どのようなステータスなのか気になるところです。
芍薬は、漢方薬(根の部分)のイメージと共に、花が美しいというイメージがあります。
以前取り上げた「つくば牡丹園」では毎年4月中旬~5月下旬にかけて、美しい芍薬と牡丹が楽しめるということなので一度訪問したいと思っています。
【過去記事:牡丹と芍薬の「つくば牡丹園」の期間限定園内がとても魅力的です。】(2021年5月13日)
今日は芍薬についてのちょっとした豆知識が書かれた記事を紹介します。
【芍薬】「立てばシャクヤク座ればボタン…」こむら返りや胸の痛みに処方される美しい薬草〈身のまわりの植物マメ知識〉
日本の草花を四季に応じて紹介する『日本の花を愛おしむ 令和の四季の楽しみ方』(著:田中修 絵:朝生ゆりこ 中央公論新社刊)から、いまの季節を彩る身近な植物を取り上げ、楽しく解説します。今回のテーマは「【芍薬】」です。
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女性の美しい立ち姿を形容する花
この植物は、平安時代までに、中国から日本に来た薬草です。甘い香りを放つ直径十数センチメートルくらいの大きな花であり、切り花としても利用されます。
古来、女性の美しさは「立てばシャクヤク、座ればボタン、歩く姿はユリの花」と形容されてきました。だから、シャクヤクの立ち姿が美しいことになります。また、ボタンの花は横向きに咲くので座って見るのによいが、シャクヤクは立って上から見るのによいともいわれます。
シャクヤクは、花の美しさ、花の色のあざやかさ、立ち姿など地上部がすばらしいことはよく知られます。でも、この植物の地下部は漢方薬として役に立ちます。特に、こむら返りには、根を乾燥させた生薬(しょうやく)がよく使われます。
「芍」ではなく、「癪」との説もある
漢字では「芍薬」と書かれます。「芍」という語は、「美しい」とか「あざやか」で、「はっきり目立つ」ことを意味するので、「美しい薬草」という意味をもつのでしょう。
しかし、この「芍」ではなく、「癪(しゃく)」が本来の意味であるとの説もあります。「癪」というのは、胃や胸などが急激に病んで、差し込むような痛さでけいれんをおこす病気です。時代劇などで女性が「持病の癪が出て……」とうずくまる病気です。その癪を治す薬草であったのです。
「癪に障(さわ)る」というのは、精神的に「癪」という病気のような状態になることです。もしシャクヤクが癪の薬なら、この花を見ているだけで「癪に障る」という気持ちも落ちつくのかもしれません。
たしかに、シャクヤクは、そんなゆったりとした雅味ゆたかな雰囲気をもつ花を咲かせます。
シャクヤク(芍薬)
[科名]ボタン科
[別名]カオヨグサ(顔佳草)
[原産地]中国
[花言葉]恥じらい、はにかみ、内気※婦人公論.jpの2021年7月10日の記事(https://fujinkoron.jp/articles/-/4114)より抜粋
昔から、美人を形容する花であったことがわかり、面白いです。
別名が”カオヨグサ(顔佳草)”で、花言葉が”恥じらい、はにかみ、内気”というのも、古来の人々の芍薬に対する想いが凝縮されているように感じます。
この記事に触れたことで、庭に少し芍薬の花を咲かせたくなりました。