約5年前に、日本メディカルハーブ協会のハーバルセラピストの講座受けていた時に、”アダプトゲン”の概念を以下のように習いました。
「アダプトゲンは”適応素”とも呼ばれ、ストレスに対する適応力を高める働きがあって、汎用性が高く、通常量で無害なものを言う。自律神経や免疫、内分泌などのバランスを調整し、ホメオスターシス維持する。医薬品でこのような作用を持つものはなく、ハーブの持つ特徴的な働きと言える」
そして、アダプトゲンハーブの例として、甘草・キバナオウギ・高麗人参・アメリカ人参・エゾウコギ・マイタケ・霊芝を取り上げていました。
このことを習って以来、自分の頭の中で、”副作用なくストレスを和らげてくれ、体内のバランスを整えてくれるハーブ”というザックリとしたイメージを持っていたのですが、なぜそのような作用を持つのかという部分についての理解が無かったため、自分の中で消化しきれていない知識のままになっていました。
しかしながら、先程アダプトゲンのストレスへの抵抗のメカニズムの説明がされた記事を見つけ、且つ、アダプトゲンへの興味を掻き立ててくれる内容だったので取り上げたいと思います。
これからの人生にスーパーハーブ「アダプトゲン」が必要な理由
2020年の私たちは、次々と襲ってくるストレス要因に悩まされた。例えば感情的、経済的、身体的、精神的、人間関係、環境のストレス。ストレスは、その状況に対する適応を求める環境からのシグナル。脳は脅威を感知すると、副腎にストレスホルモンの「コルチゾール、アドレナリン、ノルアドレナリンを分泌しなさい」という指令を出す。
その結果として、さまざまなストレス反応が起こるからこそ、私たちは戦ったり、逃げたり、フリーズしたりすることができる。今回はオーストラリア版ウィメンズヘルスより、ストレスに打ち勝つための方法をご紹介。
一時的な強いストレスは私たちのプラスになる。新しい環境に適応して、困難から立ち直る力を付けたいのはみんな同じ。でも、慢性的なストレスは私たちを疲弊させ、体内の炎症や免疫反応を引き起こし、心身のバランスをめちゃくちゃにして、病をもたらす。だからストレス反応と交感神経系が常に活発な状態は、何とかして防ぎたい。
ストレスが体に与える影響は人それぞれ。便秘や消化不良、過敏性腸症候群になる人もいれば、頭痛や片頭痛に襲われる人、こむら返りや筋けいれんが頻繁に起こる人もいる。眠れなくなったり、思考を止めることができなくなったり、攻撃的になったり、不安になったりする人もいる。そんなときこそアダプトゲン。スーパーハーブのアダプトゲンは、その名の通り、私たちがストレスフルな環境に適応し、前述の問題を防ぐ上で役に立つ。
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アダプトゲンは、私たちの抵抗力と、日々のストレス要因に対する適応力を高めるのを助けてくれる。しかも、生理学的なストレス反応やストレスホルモンの分泌を防ぎながら。アダプトゲンであるとされるハーブは複数あり、性質と成分は1つひとつ異なるけれど、どれも視床下部ー下垂体ー副腎系(HPA軸)に沿って働く。
HPA軸はストレス反応を制御する軸。その一部の視床下部は、私たちを常に正常な状態に戻そうとする。下垂体は仲介業者で、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)などのホルモンを分泌し、「おい副腎、いますぐストレスホルモンを分泌してくれ」と指示を出す。
アダプトゲンは、このHPA軸で起こる3者間のコミュニケーションをある時点で中断し、神経系をストレス反応から守る。
このハーブは疲労を防ぎ、パフォーマンスも、睡眠も、消化機能も、性欲も、免疫機能も、気分も肌もサポートする優れモノ。体内の細胞の1つひとつにはコルチゾールの受容体があるため、ストレス反応でコルチゾールが分泌されると、体内の全組織が影響を受ける。
よく知られたアダプトゲンには、高麗人参、アシュワガンダ、霊芝(れいし)、ターメリック、朝鮮五味子(チョウセンゴミシ)などがある。どれもMVPと呼ぶにふさわしいハーブで、アーユルヴェーダ医学や中国医学で昔から使われてきた。
とりわけストレスフルな時期に摂取して神経系をサポートするもよし、日常的に摂取して抵抗力を高めるもよし。ストレスの種類は問わない。アダプトゲンは、感情的なストレスからも、環境的なストレスからも、精神的なストレスからも、身体的なストレスからも、あなたをしっかり守ってくれる。
以下で紹介するのは主要なアダプトゲンと固有のメリット。これを参考に、あなたに一番ピッタリのアダプトゲンを選んでみて。
・アシュワガンダ
疲労の抑制、副腎機能の回復、免疫反応の調整、不安の抑制、神経の保護・ロディオラ
認知機能のサポート、精神疲労の抑制、気分の向上、抗酸化作用、不安の抑制、頭がボーッとした感じを取り除く・ターメリック
抗菌作用、抗ウイルス作用、抗酸化作用、消化と解毒のサポート、免疫力の強化、抗炎症作用・冬虫夏草
一酸化窒素の産生促進、抗ヒスタミン作用、心血管系のサポート、性欲の増進、神経の保護、カフェインに似た作用、スタミナと身体的パフォーマンスの向上、リカバリーの促進・シベリア人参
細胞エネルギーの向上、腎臓の保護とサポート、コルチゾール値と血糖値の改善、結合組織の強化、免疫反応の調整、疲労の抑制・朝鮮五味子
肝臓の保護と再生、解毒のサポート、疲労の抑制、抗酸化作用、免疫反応の調整、肌を紫外線などの環境要因から守り、健やかな状態に保つ※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
※Australian Women’s Healthの記事(https://www.womenshealth.com.au/2021-the-year-you-need-adaptogens-in-your-life)の編集・翻訳記事
この内容に触れたことで、自分自身の中で、アダプトゲンに対する理解をもっと深める必要があり、且つ、40代以降、その重要性がどんどん高まっていくハーブであることを認識しました。
以下のWikipediaの記事には、アダプトゲンとして有効性が確認されているハーブ類が多く取り上げられています。
ストレスの本質について改めて勉強をし、アダプトゲンの理解をより深めていきたいと思います。