男性向けのレモンの”練り香水”開発で、一気にブランド力が高まった大阪の「豊中レモン」

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過去に、地域のハーブ・柑橘を活用して、オリジナル商品を作り、発信していくことでその地域の魅力を高める”地域おこし”関連のニュースはいろいろと取り上げてきました。

そのニュースを振り返ってみると、オリジナル商品として開発されたものの大半は、精油、もしくは、ハーブティーだったと思います。

今日も、地域のハーブ・柑橘を活用した”地域おこし”関連のニュースを取り上げたいのですが、開発された商品が今後の可能性を感じます。

【令和を変える！関西の発想力】大阪・豊中レモンで香水開発　一気に高めたブランド価値

マスク生活にも慣れましたが、付けていると、なんとなく気が滅入るという人は少なくありません。どうやら、慣れ親しんだ日常の匂いを遮られることが一因のようで、匂いと脳、特に感情とは密接に関係していることがわかります。コロナ禍こそ、アロマテラピーが必要かもしれません。

　そんな中、働き盛りの男性に向けて、地域を応援するための「練り香水」が誕生しました。最近、香水を愛用するビジネスマンが増えていることを背景に、地域に秘められたアロマをさりげなく身に纏（まと）って、地域愛や社会貢献意識を育もうというＳＤＧｓ的な逸品です。もちろん「香りで地域を応援する男」なんていう、カッコ良さも演出できます。

豊中レモン生産者と、アロマスペシャリストの古山順子さん（右）

　開発したのはアロマスペシャリストの古山順子さん。講師活動の幅を広げようと始めたインターネットラジオの企画で、全国２２道府県のアロマ生産者を取材、各地に様々な香りが眠っていることを知りました。「香りを発掘して、地域を応援する香水をつくろう」と思い立ったそうです。

　まずは、自身の地元である大阪府豊中市の「豊中レモン」に注目。当時の「豊中レモン」は、たまたまレモンの木を植えてみたら、おいしく育った！　といった偶然の産物で、正規に流通する商品ではなかったのです。しかし、レモンの皮からオリジナルの練り香水が誕生してから、豊中レモンの価値は一気に上がりました。

試しに始めたクラウドファンディングに４５８人もの支援者が現れ、「豊中を応援したい」「大好きな豊中の香りを纏いたい」といった、豊中愛にあふれる熱いメッセージが殺到したからです。しかも支援者の８割が働き盛りのビジネスマンで、男性の香りに対する考え方や香水の埋もれたニーズが浮き彫りになりました。

　古山さんは、さっそく自身のアロマブランド「かおりと」の新商品として、豊中レモンを使った練り香水のネット販売を開始しました。商品名は「ｂｉｔｔｅｒ　ｃｉｔｒｕｓ（ビターシトラス）」で、「ポジティブな気分になりたい時、商談前や集中して取り組みたい時におすすめです」などと、香水とマッチするビジネスシーンの提案も添えました。

　一方、ホッとしたい夜などオフモード向きの練り香水として「ｇｅｎｔｌｅ　ｗｏｏｄｓ（ジェントルウッズ）」も用意。こちらは神戸・六甲山のヒノキを使って落ち着く香りに仕上げました。どちらの香水も売れ行き好調で、最近では地元の百貨店からもオファーが相次いでいます。

　ちなみに古山さんのブランド「かおりと」は「香りと〇〇」を意味し、香りで地域や人々の想いをつなぎたい想いが込められているとか。つまり地域の香りシリーズはこれからが本番。どんな香水が生まれるのか楽しみです。

　香水を嗜（たしな）むビジネスマンが増えたといってもまだ一握り。そこで香水初心者に、マスクの内側に香りをつける「アロマスクテラピー」をおススメします。

　うっとうしかったマスクから良い香りが漂って、コロナ禍の憂鬱も晴れますよ。お試しあれ。

　■殿村美樹（とのむら・みき）　株式会社ＴＭオフィス代表取締役。同志社大学大学院ビジネス研究科「地域ブランド戦略」教員。関西大学社会学部「広報論」講師。「うどん県」や「ひこにゃん」など、地方ＰＲを３０００件以上成功させた“ブーム仕掛け人”。

※ZAKZAK by 夕刊フジの2021年3月25日の記事（https://www.zakzak.co.jp/eco/news/210325/ecn2103250003-p1.html）より抜粋