昨年大晦日に、2020年の10大トピックを取り上げましたが、その第1位に輝いたのが、「北海道のハーブ巡り」でした。
【過去記事:本ブログの2020年の10大トピックを発表します。】(2020年12月31日)
その北海道に関連するニュースで、約3年前に「十勝ハーブ牛」のことに取り上げたことがありました。
【過去記事:ノベルズ食品が手掛ける「十勝ハーブ牛」。関東中心にレストランで食べられるようです。】(2017年12月21日)
このことを取り上げたときに、北海道の十勝地方で、17種類のハーブが入った飼料を十勝牛に与え、それをブランド化していることに少し違和感を感じたことを覚えています。
違和感を感じた理由は以下です。
香川県小豆島の「オリーブ牛」は、オリーブ油を作る過程で生じた搾りカスを飼料として有効活用しているので、資源の有効活用と地域活性化がうまく結びついた好例なのですが、十勝オリーブ牛を育てるために使用している主なハーブの内容(アニス・シナモン・セロリ・チョウジ・ジンジャー ・ナッツ・ミント・タイム・オレガノ・ラベンダー・ガーリック・トウガラシ・ローズマリー・ユーカリ・月桂樹)を見ると明らかに地元産ではないハーブが多数使用されており、コストがかかり採算が合うのか?
というビジネス面での疑問が湧いたからです。
でも今振り返ってみると、「十勝牛」自体がブランド牛として高価に販売されていること、及び、採算が合うように飼料に混合するハーブの量を調整すればいいだけなので、私の余計なお節介でした。
今日はその十勝地方における期待高まるニュースを紹介します。
十勝・陸別産ハーブを化粧品に 製薬大手の研究者から転身、北大卒の夫妻が2月起業 「日本一寒いまちを元気に」
【陸別】製薬大手の研究者から転身した夫婦が2月22日、十勝管内陸別町で自ら栽培した薬用植物やハーブを活用し、化粧品などの商品開発と販売を手掛ける会社を町内に立ち上げる。冷涼で湿度の低い道内は薬用植物などの生育に適しており、健康志向の高まりで生産量は増加傾向にある。2人は「日本一寒いまち」として知られる陸別町の代表的な特産品に育てたい考えだ。
自宅を兼ねた会社の名称は「種を育てる研究所(タネラボ)」。札幌市出身の日向優さん(37)が代表を務め、妻の美紀枝さん(37)と運営する。近くの0・4ヘクタールの畑で生薬の原料になるトウキやベニバナなど約20種の薬草やハーブを栽培。夏から秋にかけての収穫時は独特の香りに包まれる。
2人は北大薬学部卒業後、薬剤師免許、博士号を取得。塩野義製薬(大阪市)で共に勤務していたころ結婚し、同じ研究所で医薬品開発に携わった。
陸別町への移住は、2014年に北海道移住フェアで薬用植物の産業化を目指す町に関心を持ったのがきっかけ。白衣姿でフラスコとにらめっこの毎日より、自分たちの経験を地方で役立てられないか―。2人で話し合いを重ね、故郷・北海道への移住を決断。17年に町地域おこし協力隊員に2人そろって採用された。
優さんは町の薬用植物研究事業で、漢方薬として人気の高いカンゾウやセンキュウなどを栽培。町民に関心を持ってもらおうと、薬用植物を解説したミニコミ紙の発行や、薬膳料理の試食会を企画した。美紀枝さんも商工観光担当として地場産品の魅力を紹介するなど、地域に溶け込んだ。
優さんはオホーツク圏地域食品加工技術センター(北見市)と協力し、キバナオウギの葉を乾燥させて焙煎(ばいせん)した「焙煎黄耆葉茶(おうぎはちゃ)」や「高麗人参飴(あめ)」を町の事業で商品化。道の駅で販売したところ、いずれも数カ月で完売する人気となった。
町民の反応に自信を深めた優さんは協力隊員の任期終了後も町内に定住しようと、美紀枝さんと共に起業を決意。近年需要の高まる薬用植物などで女性を中心に人気の高い化粧品やアロマ商品、薬膳商品を柱に育てられれば、事業として成り立つと考えている。
第1弾として3月、アカエゾマツなどから抽出したエッセンシャルオイルを道の駅やネットで販売予定。多彩な薬用植物をブレンドしたハンドクリームや薬膳スープの開発を進めているほか、化粧品などの定額制サービス(サブスクリプション)の導入も検討中だ。
※北海道新聞(どうしん電子版)の2021年1月7日の記事(https://www.hokkaido-np.co.jp/article_photo/list?article_id=498726&p=7860359&rct=n_hokkaido)より抜粋
北海道のハーブ界に新しい風を吹き込む感じがするニュースです。
日向さんご夫婦は、塩野義製薬(大阪市)で商品開発に関わられていたこともあり、今後多岐にわたる魅力的な商品が追加されていきそうな予感がします。
2021年のタネラボの動きから目が離せません。