私自身がビーツの魅力に気づいたのは、25歳くらいの時というのを明確に記憶しています。
大学時代の体育会系の部員にロシア人がいて、社会人になって3年くらい経ったときに家に招いてくれて、「ロシアンパーティー」と称する集まりがあり、妻(当時は結婚前)と一緒に参加しました。
その時に、ロシア人手作りの様々な料理が出てきたのですが、中でも『ビーツ』が使われたボルシチやサラダの味が、当時の私にとってかなりの衝撃を受けました。妻もその時にロシア人にレシピを教わってくれたので、それ以降ずっとボルシチはずっと作ってくれています。
ビーツについては、ポリフェノールがたくさん含まれているので健康にいいくらいの知識レベルだったですが、昨日、料理研究家がその魅力と調理法を紹介する記事を見たのですが、勉強になったのでご紹介したいと思います。
世界で愛されるスーパーフード「ビーツ」をふだんの食卓に
豊富な栄養で「食べる輸血」と呼ばれることもある「ビーツ」。世界に目を向けると、体に良い野菜として、様々な国でふだんの食卓を飾っています。長年にわたって世界の食文化を研究し続けている、料理研究家の荻野恭子さんに、ビーツの魅力と調理法を紹介してもらいます。
世界中で愛されるスーパーフード「ビーツ」
ビーツは「テーブルビート」とも呼ばれ、地中海沿岸、北アフリカの国々が原産です。ヒユ科の根菜で大根の仲間。和名を「火焰菜(かえんさい)」といいます。
「甜菜糖」の原料となる「てんさい」の変種で、「てんさい」は色が白いビーツといったところでしょうか。
天然のオリゴ糖を含むので、甘くてぎゅっと硬くて、土のような鉄のような味わいがあり、加熱するとうま味が増すだけでなく、加熱しても栄養が減らないというありがたい野菜です。
ウクライナやロシアでは、ボルシチをはじめ、サラダやピクルス、煮込みといったさまざまな料理にビーツを使います。
消費量はおそらく世界で最も多いと思いますが、寒さの厳しい過酷な環境で彼らが健康を維持してこられたのは、ビーツのおかげといっても過言ではないでしょう。
またビーツは、アジア、ヨーロッパをはじめとするユーラシア各国から北アフリカ、アメリカ、中南米に至るまで世界各国で食べられています。
ジュースやサラダをはじめ、さまざまな方法で煮たり焼いたり、普通の根菜として扱われています。
ビーツは、ポリフェノール、天然オリゴ糖、食物繊維がたっぷりのスーパーフード!
ビーツは「食べる輸血」とも呼ばれ、ビタミン、ミネラルが大変豊富。
ビーツの赤はベタシアニンというポリフェノールで、美肌におすすめです。また、天然のオリゴ糖を含むので、腸内環境の改善にもぴったり。
ロシアでは本当にポピュラーな野菜で「ビーツがあれば医者いらず」といわれるほどです。
女性に嬉しい栄養素がいっぱいです!
ベタシアニン(ポリフェノール) ……アンチエイジングに
天然のオリゴ糖……腸内環境を整える、コレステロールの抑制、老廃物排出
ビタミン、ミネラル ……血液サラサラ、体内デトックス、コレステロール値の低下、貧血予防
ヨード分 ……記憶力アップ
カリウム ……高血圧予防、むくみ解消
鉄 ……貧血改善
マグネシウム ……骨粗しょう症予防
パントテン酸 ……動脈硬化、血中コレステロールの合成を促す
NO(エヌオー・一酸化窒素) ……血流の循環をよくする、疲労回復や冷え性、肩こりに
ベタイン ……肝機能を強くする
食物繊維 ……便秘解消、ダイエットに
ビタミンB群(葉酸も含む) ……美肌に、妊婦にゆでて甘酢漬けに
ビーツは、ゆでてから甘酢漬けにすると土っぽさが抜けてコクが増し、生とはまた違ったおいしさになります。
甘酢漬けにすることでサラダやあえものほか、さまざまな料理に活用しやすくなります。
皮付きの丸のまま1時間近くゆでる方法は、ロシアでもどこの国でも一般的で、私自身ずっとこうしてきましたが、とても時間がかかります。
ゆでると色素が流れ出るのを心配してのことなのでしょうが、普通の野菜と同じように、小さく切ってゆでても大丈夫です。
ひとつだけコツがあって、ゆで汁に色素が流れ出ても、ゆで続けることです。
すると、やわらかくなる頃には色素が戻り、もとの色に。時間もかなり短くて済みます。
ビーツの甘酢漬けの作り方
材料(作りやすい分量)
● ビーツ 1個(500g) ● 甘酢(酢3カップ、水3カップ、砂糖1/4カップ、塩大さじ1/2を合わせたもの) 作り方
1 ビーツは皮ごと洗ってさいの目に切る。鍋にビーツを入れ、かぶる位の水を注いで火にかける。
2 ゆでていくと次第にゆで汁に色が抜け出る。
3 さらにゆでていくとビーツがゆで汁を吸い戻す。そこまでゆでてやわらかくなったら火を止める。
4 きれいに洗った瓶にビーツを入れ、甘酢を注ぎ入れて漬け込む。
※砂糖の量は好みで調節して下さい。
※冷蔵庫で2週間ほど保存可能。ビーツの甘酢漬けを使って
エストニア風サラダの作り方Салат рассолс(サラート ラッソールス)
出合った国 【 エストニアほかバルト3国、ロシアをはじめとする旧ソビエト連邦 】
ビーツのほか、じゃがいも、りんご、きゅうり、にんじんなどの野菜に、酢漬けのにしん、豚肉やハムなどの肉類もすべて角切りにしてサワークリームであえた、日持ちのするおかずサラダです。
翌日になると全体がピンク色に染まり、食べてみるまでどれがどれかわからなくなるのがまた楽しい。
タリンに住む知人は、ピンク色がおめでたいので、新年に必ず作るそう。にしんの代わりにいわしやしめさばなどでも。
一晩おくと、色鮮やかに染まります。
材料(4人分)
● ビーツの甘酢漬け 1カップ ● にしん(あじ、いわしなど、好みの青背の魚でもよい) 1尾 . 下味(塩大さじ1/2、砂糖大さじ1/4) ● きゅうりのピクルス 1本 ● りんご 小1/4個 ● じゃがいも 1個 ● 豚ロース厚切り肉 1枚 ● 玉ねぎ 小1/4個 ● ソース ・プレーンヨーグルト、生クリーム 各大さじ1 ・マヨネーズ 大さじ1 ・マスタード 小さじ1 ・塩、こしょう 各適量 ● ハーブ(ディル、パセリなどのみじん切り) 適量 ● 酢 1/2カップ 作り方
1 にしんは3枚におろして下味をふり、1時間以上ねかせる。さっと水洗いし、酢に浸ける。15分ほどおいてさいの目に切る。
2 きゅうりのピクルスはさいの目に、りんごは皮付きのまま、じゃがいもはゆでて皮をむき、豚肉は10分ほど中火でゆで、ざるに上げて水けをふいて同様にさいの目に切る。玉ねぎは粗みじんに切る。
3 ボウルにソースの材料をすべて入れ、よく混ぜ合わせる。
4 3のボウルににしんの酢漬け、ビーツの甘酢漬け、2の素材を加えてよく混ぜ合わせる。 器に盛り、ハーブを散らす。
〈料理/荻野恭子 撮影/kumonmiwa スタイリング/久保原惠理 取材・文/吉田佳代〉
荻野恭子(おぎの・きょうこ)
料理研究家。栄養士。東京生まれ。実家が飲食店を経営していたため、子供の頃から料理に興味をもつ。女子栄養短期大学卒。1974年よりユーラシアほか65か国以上を訪れ、現地の家庭で料理を習い、食文化の研究を続ける。自宅にて「サロン・ド・キュイジーヌ」を主宰。著書に「手づくり調味料のある暮らし(暮らしの手帖社)」「うま辛発酵だれ(文化出版局)」ほか多数。世界各国のビーツ料理と荻野流セオリーを紹介する『ビーツ、私のふだん料理』が扶桑社より発売中。
サロン・ド・キュイジーヌ
https://www.cook-ogino.jp/※ 記事中の情報は2020年4月10日現在のものです
※天然生活Webの2020年9月3日の記事(https://tennenseikatsu.jp/_ct/17389227)より抜粋
世界中で、栄養素の高いスーパーフードとして広く食されているということを認識すると、生活の中により深く取り入れていきたいという気持ちになります。
抜粋記事の中で、最も印象的だったのは、含まれている特徴的な栄養素です。
天然のオリゴ糖……腸内環境を整える、コレステロールの抑制、老廃物排出
ビタミン、ミネラル ……血液サラサラ、体内デトックス、コレステロール値の低下、貧血予防
ヨード分 ……記憶力アップ
カリウム ……高血圧予防、むくみ解消
鉄 ……貧血改善
マグネシウム ……骨粗しょう症予防
パントテン酸 ……動脈硬化、血中コレステロールの合成を促す
NO(エヌオー・一酸化窒素) ……血流の循環をよくする、疲労回復や冷え性、肩こりに
ベタイン ……肝機能を強くする
食物繊維 ……便秘解消、ダイエットに
ビタミンB群(葉酸も含む) ……美肌に、妊婦に
以下のビーツの研究記事の中に、赤い色の正体の一つとなる「ベタシアニン」(ポリフェノール)についての記述があるので貼ります。やはりこの赤色色素には高い抗酸化作用があるようです。
また、肝機能を高めるという「ベタイン」について、以下のページに詳細な記述があるので貼ります。
さらに、NO(一酸化窒素)には、血管を柔らかくするという記述が以下のページにあります。
こうやって調べていく中でも、「ビーツの持つパワー」がビンビン伝わってきます。
ビーツの栄養を見直すことによって、もっと日々の生活に取り入れていきたい気持ちになりましたので、紹介されているレシピを参考にしつつハーバルライフの中で定着させていきたいと思います。