先月(2020年6月)の山梨・長野旅行で行った「日野春ハーブガーデン」は、2か月経った今でも強い印象として残っています。
【過去の参考記事:初夏の山梨・長野旅行【日野春ハーブガーデン編】】
やはりその魅力は、販売しているハーブ苗の種類の多さなのですが、”私自身が今まで実際に足を運んだハーブ苗販売所”の中では、種類の多さにおいては断トツに一位です。心からお勧めしたい場所です。
※因みに、今まで訪問した中でその次に種類が多いと思うハーブ苗販売所は、小豆島の「HERB GARDEN」です。
【過去の参考記事:はじめての香川県・小豆島旅行記【種類が充実したハーブ苗販売所「HERB GARDEN」 編】】
ところで、冒頭の日野春ハーブガーデンでいくつか苗を購入したのですが、その一つに「パチュリ」がありました。そのパチュリが購入から約2か月経って、自宅ハーブガーデンで立派に育ってきました。
パチュリは、「香水素材」として古くから使われているということは何となく知っていたので、生の葉の匂いを嗅いでみましたが、目立った香りが感じられませんでした。
そこで、精油の香りはどうなのかが非常に気になったので、早速購入してみました。すると、ネット上でパチュリの香りとしてよく評されている「墨汁」の香りというのがすごく理解できました。
結構独特な香りだったので、「香水」に古くから使われてきたというのが、少し理解しにくい部分がありました。
そこで、香りの専門家のパチュリのコメントを見たいと思い、探したところ、パチュリ初心者の私にとって良記事を見つけることができました。(以下)
パチュリ
アロマテラピーでは”リラックス”や”リフレッシュ”を目的とする素材が、代表的に好まれる香りだったりするのですが、
パチュリ(Pogostemon cablin)はアロマテラピーの中でも紹介されるものの、いまいち使用シーンに困ってしまうような、少しマニアック向けな香りとして受け捉えられがちです。
ラベンダーやローズマリー同様のシソ科の葉から抽出されているとは思い難い、独特の香り。マニアックと言われるのも無理もなく、一番は「墨汁」を想起する香りと言われています。
他に表現するとすれば、「縁側の下の土の匂い」「古い日本家屋の梅雨時の押入れの中の匂い」、
もう少し良く言って「寺に生えた苔が雨に濡れたときに蒸す香り」といったとことでしょうか。
結局のところややカビ臭いわけです。
でも辛気臭いだけではなく、エキゾチックな雰囲気も併せ持ち、オリエンタルなパワーを持ちます。
瞑想時などのインセンスとしての活用を促しますが、正直瞑想を行う事は、私たちの生活の中で
そこまで一般的とは言えません。(もちろんヨガや瞑想時にパチュリはおすすめです!)一方フレグランスの世界ではパチュリはマスト素材。
雰囲気を出したければパチュリ! 色気を醸したければパチュリ! ドラマティックにしたければパチュリ!
と言っても過言ではありません。
この記事を読んでくださっている方に、ぜひ手元にエッセンシャルオイルがあったら、下記の手順で香りのハーモニー、ブレンドすることで織り成される香調の変化を実感していただきたと思います。●ラベンダー + パチュリ
まずはラベンダーだけを嗅いでみましょう(できればムエットで)。
非常に嗅ぎ慣れたフローラルハーバルの香り。洋風でソーピー(せっけん様)。
瑞々しさとパウダリックの混在がラベンダーの醍醐味です。
そこにパチュリーを少し加えて嗅いでみます。
厚みが出て、華奢な植物から生々しい生き物の香りになります。
“バーガンディー色の上質なベルベットを触る”ような香質に変わり、
香りの保留材的な用途もあるパチュリは、ポプリライクなクラシカルさを付与します。●イランイラン + パチュリ
イランイランは香りの中でも唯一無二な、眩い香り。
少しKYともとれるほどの華やかさを放ち、ファッティ―。
テンションの高さは他の素材より群を抜いています。
そこにパチュリを加えると、そのイランイランのファッティ―さをカットしてくれ、
キュートな甘さが浮彫りになります。表層的な華やかさの演出ではなく、格調高く
深みも伴う豪華さと色気を感じられるようになります。
●ジンジャー + パチュリ
アーシーとアーシーの共演です。
食品のイメージが強い香りのジンジャーは、単体ではフレグランスになり得ない物。
パチュリのインセンス要素がジンジャーの爽やかさに加わると、虎やライオンのような強く優しく
気高い黄金色に豹変します。同時に聡明で静かな空気が流れ、これこそヨガや瞑想時におすすめの香りです。パチュリのような、雰囲気や深みを出す香りというものはなかなか存在いないもの、故に重宝されるわけです。
分かりやすく馴染みのある香りもいいですが、これからの季節、コートの下に隠されている人間性を表現するように、
時には複雑な生き物であることを楽しむような香りもいいかもしれません。●パチュリ活用法
化粧品原料としても有用と言われるパチュリ精油。
お肌がカサカサ・ゴワゴワしやすい箇所に、パチュリ入りのバームや植物油を塗ると、
お肌が健やかに保てると言われます。
冬場の手作り油性化粧品にもぜひおすすめです。津田啓一郎 調香師
20代前半から装飾装花の仕事に携わり、生の植物から採られる香りに興味を持ち、調香師を志す。国内で調香を学んだのち、フランスにある調香師育成校 “Grasse Institute of Perfumery”にて本場の調香も勉強し、現在は講師活動など幅広く活躍中。
※生活の木ライブラリーの2017年11月6日の記事(https://www.treeoflife.co.jp/library/aromablendlab/essentialoil/201711063146.html)
この記事を見ながら、ラベンダー&パチュリ、そして、イランイラン&パチュリの組み合わせを試してみたのですが、パチュリを追加することで奥行きが出て格調が変化するのがよくわかりました。
調香師の津田さんの鼻の良さ、および、表現の才能には圧倒されるのですが、おっしゃっていることが伝わります。
アロマ調香の世界においては、「香りそのもの」よりも、調合することで「どのような働きかけをする香りなのか」が、香りの価値を決めていくというのが少しですが理解できました。
ところで、津田さん関連の記事は過去に2回取り上げているのですが、参考になる内容なので以下に貼ります。
【過去の参考記事:アロマテラピーと西洋占星術の歴史的な相関性について。”鏡リュウジ氏”と”生活の木チーフアロマブレンダー”の対談が興味深いです。】(2019年6月20日)
【過去の参考記事:「フランキンセンス(乳香)」に関する情報が昨年末から増えてきて、とても気になっています。】(2019年3月9日)