【エキナセア】”免疫力アップ・抗菌”に関連するハーブの説明をJAMHAのホームページでじっくりと読み返してみるシリーズ-Part1-

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感染症が流行している時こそ、ハーバリストとしては、ハーブ・アロマを最大限活用して、現状ふりかかっているリスクを極小化していきたいと思っています。

恐怖感に支配されてしまっては、ストレスがかかってしまい、逆に免疫力を落とす結果になってしまうので、頭をうまく切り替え、

「この時こそ、ハーブ・アロマの効果を試す時!」

という想いで日々を過ごしています。

今日、Amazonで、ウィルス対策として、生活の木の「エキナセア」と「タイム」を注文した際、日本メディカルハーブ協会(JAMHA)の「Medical Herb Library」で、”免疫力アップ・抗菌”に関連するハーブの知識を勉強していたのですが、非常に有益な情報が詰まっていることを再認識しました。

この状況こそ、改めてじっくりと読み返す必要性のある内容だと感じましたので、今日から数日間は、”免疫力アップ・抗菌”に関連するハーブの情報を一つずつ「Medical Herb Library」よりピックアップしていきたいと思います。

一回目は、「免疫力と言えばコレ!」というくらい、メディカルハーブ界では定番となっているハーブである「エキナセア」を取り上げます。

Echinacea

エキナセア

アメリカ原産の薬用植物であるエキナセアは、アメリカのハーブ市場では最も人気の高いハーブのひとつである。

エキナセア属の植物といくつかの他のハーブにより調製された製剤は、スーパーマーケットやダイレクト販売、そして自然食品店などの大衆市場で売られ、1997年の売上高は全体の9%に当たる36億ドルとなり、最も多く販売された。

2000年の市場では、エキナセア製剤は小売販売の第4位で、5800万ドルの売上があった。エキナセアを含む製剤は、いくつかの植物との混合やエキナセア属の3種(Echinacea purpureaE.pallidaE.angustifolia)の地上部、根、茎、葉などが含まれている。

これらには、薬理活性を持つ様々な成分が含有されており、それらの多様な組み合わせによって多くの疾病や不調が改善しているが、効能の中心となる成分が何であるかは正確には明らかになっていない。そのため、用いたエキナセアの分類学的な特質やその臨床試験で用いた処方など、事実を明確に記すことが重要である。

【適応】

内服

上気道感染症(Upper Respiratory Tract Infection: URTI)、免疫力低下、慢性カンジダ症

外用

外傷

【作用】

内服

免疫賦活活性:動物試験では、Thuja occidentalis(ヒノキ科ニオイヒバ)先端部とBaptisia tinctoria(マメ科 ワイルドインディゴ)根茎との併用で抗腫瘍活性が証明された。食細胞の増加、血清中のリンパ球増加、顆粒球移動促進、サイトカイン産生の促進、マウスでのインフルエンザAウイルス感染に対する予防効果が認められている。

外用

光損傷の予防、外傷の治癒促進、ヘルパーT細胞の割合減少を伴う総リンパ球数の増加

【主な使用法】

ドイツコミッションE はエキナセア製剤の内服、外用を最長8週間までとすることを推奨している。その理由は、通常エキナセア製剤は、比較的軽度であり一過性の症状の改善に適するからであり、連用での危険性によるものではない。8週間用いても症状が続くようであれば、より積極的な治療が必要であると考えられている。以下の用量・用法を推奨している。

内服

E.purpurea

  • 圧搾汁:新鮮な地上部を圧搾し、2.5:1の割合で22%アルコールと合わせて安定化させたものを1日6-9mL服用する。
  • 煎剤:上気道感染症、インフルエンザの症状に対して、乾燥ハーブ約1gに熱湯150-240mLを注ぎ、10-15分フタをして抽出したものを1日5-6回服用する。
  • チンキ剤: 1:10の割合で65%アルコールに浸す。5滴を1日1-3回服用する。急性時には5滴を30分から1時間毎に連続して服用する。

E.purpurea, E.pallida, E.angustiforia

  • 浸剤:1gに熱湯150mLを注ぎ、10分間抽出する。1日3回または食間に数回服用する。
  • チンキ剤:1:1の割合で45%アルコールにて抽出したもの0.5-1.0mLを1日3回服用する。または1:5の割合で55%エタノールにて抽出したものを30-60滴(約1.5-5mL)1日3回服用する。

外用

  • 軟膏剤:ワセリン、無水ラノリン、植物油の基剤に少なくとも15%の圧縮汁を含ませた半固形製剤を局所的に塗布する。
  • 湿布剤:少なくとも15%の圧縮汁を含ませた半固形ペーストやプラスター(硬膏剤)を局所的に塗布する。

【禁忌】

エキナセア製剤の内服はアレルギー反応を誘起しやすいので注意が必要である。エキナセアを含め、アルニカ、ジャーマンカモミール、マリーゴールド、ヤローなどのキク科植物は特にアレルギー反応を示す傾向が強い。理論的上の考慮から、ドイツコミッションE は進行性の全身症状のある病気、例えば結核、白血病、膠原病、多発性硬化症、AIDS、HIV感染やその他の免疫疾患にエキナセアを用いる場合は注意することを推奨している。エキナセアの外用での禁忌は現在のところ無い。

【副作用】

ほとんど報告されていない。E.angustifolia全草とE.purpurea根で調製された製剤の服用によりアナフィラキシーを起こしたという報告があるが、地上部から調製された製剤に含まれた花粉により誘起された可能性が考えられている。根だけを使っている製剤には花粉は含まれていない。

【薬物相互作用】

不明である。

【臨床的展望】

3,508名を対象とするエキナセアに関する21の臨床試験では、3つを除くすべての試験で、風邪、インフルエンザ、上気道感染症、カンジダ症に有効であり、妊婦に安全であることが証明された。以下に代表的な試験について記す。

  • 825名を対象とする4つの無作為、二重盲検、プラセボ比較試験では、急性の上気道感染やインフルエンザの治療(発病、症状の重さ,期間)にエキナセアの単一製剤が有効であることを示している。エキナセアと他のハーブとのブレンドの製剤による急性症状の治療も有効であることが、更なる6つの臨床試験で示されている。
  • 単一製剤あるいはブレンド製剤による上気道感染症の予防への有効性については1,209名を対象とした5つの無作為、プラセボ比較試験で調べられた。そのうち3つの試験で有効性が認められ、2つの試験では有意な有効性は認められなかった。認められなかった試験の1つでは、被験者数が少ないためであると論文の著者は考えているが、むしろ継続的な試験ではなかったことが原因であると思われる。もう1つの試験では、E. purpureaのエキスによる治療がプラセボと比較して、呼吸器感染、風邪の症状の度合いと罹患期間、及び発病を有意に減少させなかったことが報告されている。
  • 上気道感染症の予防と治療についての13の臨床試験においてエキナセアが有効な治療であることが示されているが、製剤と組成(他の植物を含むものとのブレンド)の多様性が推奨用量の特定を困難にしていると述べている。
  • スポーツ選手を対象とした免疫機能への影響に関する1つの無作為、プラセボ比較試験では、プラセボと比較してエキナセア群には上気道感染症が発症せず、予防効果が認められた。
  • 性器ヘルペスについての臨床試験では有効性は示されなかった。また、女性の慢性カンジダ症へのエキナセアの使用はその再発率を減少させた。
  • 妊婦に対するエキナセアの安全性に関する試験では、エキナセア群と対照群に有意差は見られず、特に影響がないことが示唆された。

免疫機能の調整についてエキナセア含有製剤が有効であることが26の臨床試験のメタ分析により示された。しかし正確な用量や特別な用法を推奨するためのデータが十分ということではない。ドイツコミッションEでは、エキナセア製剤を自己免疫疾患には禁忌としているが、現在の臨床での使用とエビデンスでは特に自己免疫疾患で長期にエキナセアを使用することを制限していない。そしてエキナセアは免疫賦活剤というよりも免疫調整剤として考えるべきであることが示唆されている。

2009年7月発行

編集:特定非営利活動法人 日本メディカルハーブ協会・学術調査委員会

提供:アメリカン・ボタニカル・カウンシル

このモノグラフはAmerican Botanical Councilにより2003年に発行されたThe ABC Clinical Guide to Herbs, Mark Blumenthal (senior editor), © を翻訳したものです.

 Translated from The ABC Clinical Guide to Herbs, Mark Blumenthal (senior editor), © 2003 by the American Botanical Council (www.herbalgram.org). Courtesy of American Botanical Council.

【現状と安全性について】

メディカルハーブの中には、先住民の知恵が科学的検証を経て先進国で使われるようになったケースがよく見られますが、エキナセアの場合もそうしたルートを経て、現在では欧米の植物療法において確固たる地位を築いています。ロッキー山脈の東に当たる米国とカナダにまたがる大平原に住む先住民(インディオ)は、エキナセアをさまざまな用途で用いてきました。そうした内容は民族植物学という領域で研究されていますが、世界初の民族植物学研究所を設立したメルビン. R. ギルモアは、ミズーリ河川に住むインディオにとってエキナセアがとても重要な位置を占めていることに気づきました。彼は調査の結果を「この植物は、毒ヘビなど毒をもったものに噛まれたり刺されて体内に毒素が入ったときの解毒剤として、これまで広く使われてきた。エキナセアは、インディオが苦痛を取り除くために他のどの植物よりも多く使う薬剤のようである。」と報告しています。

ところで、19世紀の米国には、通常医学の医師の他にホメオパシーの医師やエクレクティック派の医師など、さまざまなタイプの医師が存在していました。エクレクティック(折衷)派とはその言葉が意味する通り、さまざまな医学を組み合わせて用いる考え方ですが、特にアメリカ原産のハーブを用いることが多かったようです。このため、エキナセアはエクレクティック派の医師により活発に治療に用いられました。エクレクティック派の医師A. M. リーブシュタインは「医学界にはこれまで知られている限りにおいて、植物が生んだ最高の免疫剤という役割がエキナセアには運命づけられているのであろう。エキナセアは活力を維持させ、体の防衛力を整える薬として使われるようになるであろう。」という言葉を残しています。

さて、エキナセアにはいくつかの近縁種が知られていますが、医療用途に用いられるのはE. angustifolia、E.pallida、E.purpureaの3種に限られています。このうち英国ハーブ薬局方ではE.angustifoliaの根を収載し、ドイツのコミッションEモノグラフではE.purpureaの開花期の地上部とE.pallidaの根を承認ハーブ(approved herb)として収載しています。エキナセアの含有成分についてはエキナコシドやシナリンなどのカフェ酸誘導体やヘテログリカン類などの多糖類、それにイソブチルアミドなどのアルキルアミドや精油、微量のピロリジジンアルカロイドなどが確認されています。

そして、エキナセアは免疫賦活作用や抗菌、抗ウイルス作用、それに創傷治癒作用を有するため、適応としてはかぜやインフルエンザなどの上気道感染症や膀胱炎・尿道炎などの泌尿器系の感染症、それにヘルペスやカンジダ症、治りにくい傷の治療などに用いられます。なお、米国ではエキナセアとゴールデンシール(Hydrastis canadensis)の根茎とのブレンドが繁用されていますが、残念ながらわが国ではゴールデンシールの根茎は医薬品扱いであるため、入手することはできません。

安全性:E.angustifolia、E.pallida、E.purpureaの3種とも、「メディカルハーブ安全性ハンドブック」では、クラス1(適切な使用において安全)

※日本メディカルハーブ協会の「Medical Herb Library」のエキナセアの説明(https://www.medicalherb.or.jp/archives/3018より)抜粋

日々、免疫力を落とさないことに意識を配っていると、ここに記載されている情報の詳細な部分まで頭の中に残ります。

メディカルハーブ界において、このエキナセアが確固たる地位を築いている所以を理解できる内容ですね。

この時期は、できる限り「エキナセア」の摂取を増やし、平和が訪れるタイミングを待ちたいと思います。

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