昨夜は、家族全員でM1グランプリを楽しんでいたのですが、「もう今年も終わりなんだなあ」と強く実感していました。
今まで見たM1グランプリの中で最もレベルが高いと感じましたし、本物の漫才ができるコンビが頂点に輝いたことで、「原点回帰」というキーワードが個人的に頭に浮かびました。
ちょっと話が逸れましたが、年末年始は、クリスマスパーティー・忘年会・新年会で、お酒を飲む機会が増える人が多いと思いますが、私自身、年を重ねるごとに飲む量が減ってきていることもあるので、
酔わないようにする対策や、二日酔いにならないようにする対策という視点はほとんど持っていません。
ただ、先日、漢方医学の視点での「二日酔い」の理論、及び、その対策について医師が書いた記事があったのですが、今まで全く自分が持ち合わせていなかった視点であり新鮮でしたのでご紹介します。
医師が教える、忘年会・新年会で「二日酔いしない」簡単な方法…飲酒前にやるべき行動
文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士
年末年始は忘年会、新年会が続く。ついつい飲みすぎて、「二日酔い」で苦しむ人も少なくない。
「二日酔い」は飲酒により体内に入ってきたアルコールが肝臓で代謝されてできる「アセトアルデヒド」が嘔吐、下痢、頭痛などの症状を起こす、と西洋医学では考えられている。もちろん間違いではない。
しかし、漢方医学では「二日酔い」は「水毒(体内の過剰な水分)が原因とする。次の図は私が考案したので、「石原式“冷え”“水”“痛み”の三角関係図」と勝手に呼ばせてもらっている。
「寝冷えすると、下痢(水様便)する人がいる」(冷→水)、「雨に濡れると冷える」(水→冷)、「冷房に入ると頭痛がする人がいる」(冷→痛)、「雨が降る日は手足の関節が痛む人がいる」(水→痛)などから、「冷え」「水」「痛み」の事象はそれぞれ関連していることがわかる。
人間は36.5℃前後の体温で体内のあらゆる化学反応を遂行し、命の灯を燃やして生きている。よって、体が冷えると冷やす原因のひとつである余分な水分を体外に出して体を温めようとする。この反応が「下痢(水様便)」「(体温が下がる夜間の)頻尿」や「寝汗」「風邪(冷え)をひいたときの鼻水やくしゃみ」などである。
さて、二日酔いのときの症状、「嘔吐(胃液という水分の排泄)」「頻尿」「下痢(水様便)」「頭痛」を鑑みると、すべて水毒の症状であることがわかる。
なにしろビールの約93%、日本酒やワインの約85%が「水分」なのであるから、ビール(大瓶一本=633ml)を一晩で5本(約3リットル)飲む人はいらっしゃるだろうが、水を一晩で3リットル飲め」と言われても容易ではない。上戸にとって、アルコールはとてもおいしいので、ビール(またはワイン、焼酎、ウイスキー、日本酒)などのアルコールをつい飲みすぎて、ということは、水分を体内に取り入れすぎ(水毒)て、「二日酔い」で苦しむ羽目になるのだ。
「五苓散」
「二日酔い」の本態を「水毒」と考えると、漢方薬の「五苓散」が二日酔いの予防、治療に発効することが理解できる。【「五苓散」の成分】
茯苓(ブクリョウ:サルノコシカケ科マツホドの菌核)…利尿
猪苓(チョレイ:サルノコシカケ科チョレイマイタケの菌核)…利尿、下痢止め
蒼朮(ソウジュツ:キク科オケラの根茎)…利尿、健胃、下痢止め
沢瀉(タクシャ:オモダカ科サジオモダカの根茎)…利尿、下痢止め
桂皮(ケイヒ:クスノキ科クスノキの樹皮)…発汗、健胃
5つの成分の効能からわかるように、尿の出をよくする(利尿)、発汗(汗という水分の排泄)を促して、体内の余分な水分を排泄して「吐き気、嘔吐、頭痛、腹痛、水様性下痢、むくみ」などの「二日酔い」の症状に著効するのである。
薬剤師に相談して処方してもらい、飲酒前1~2時間、飲酒中、飲酒後(2時間前後。次の日は朝昼夕1包ずつ)に1包ずつ服用されると、少々飲みすぎてもかなりの確率で「二日酔い」が防げるはずだ。
なお、二日酔いのときに顔が赤くなったり、体がほてったりする人は、解熱、消炎、下痢止め作用をもつ「黄連(オウレン:キンポウゲ科オウレンの根茎)」「黄柏(オウバク:ミカン科キハダの樹皮)「黄芩(オウゴン:シソ科コガネバナの根)」「山梔子(サンシシ:アカネ科クチナシの実)」より成る「黄連解毒湯」を「五苓散」と併用されるとよい。
漢方薬なしの「二日酔い対策」
こうした「二日酔い」の本質を考えると、漢方薬なしでも自分でできる「二日酔い対策」として、以下を励行されるとよい。【飲酒前】
(1)サウナに入る
サウナに入り、体内の余分な水分を消化しておく。ただし、飲酒の次の日のサウナ浴で二日酔いの改善を図るのはよいが、飲酒直後は不測の事態発生の心配があるのでやめること。
(2)利尿作用の強力な食物を食べる
キュウリの生汁(すりおろしたものをしぼるかジューサーにかける)をコップ半杯~一杯飲む。柿を1~2個食べる。
【飲酒後】
(3)湯呑茶碗一杯の熱いお茶とともに梅干し1~2個を食べる
梅干しに含まれるクエン酸、リンゴ酸、コハク酸などの有機酸、ベンズアルデヒド、安息香酸などが消化促進、腸内の殺菌、防腐作用、肝臓の解毒促進作用を発揮する。
(4)シジミの味噌汁を飲む
シジミに含まれる強肝作用のあるタウリン、メチオニン、オクタデセン酸と味噌の浄化酵素の相乗作用で二日酔いに効く。シジミがない場合、アサリやハマグリの味噌汁でも可。両者ともにタウリンが大量に含まれる。
(5)カラオケで発散する
カラオケで歌うと大小胸筋、腹筋などの筋肉が活動して体温が上がり、発汗、利尿が促される。また、呼気からのアルコールと水分の排出も多くなる。横隔膜が上下するので肝臓をマッサージすることになり、肝臓のアルコール解毒作用を促してくれる。
(文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士)
※Business Journalの2019年12月20日の記事(https://biz-journal.jp/2019/12/post_133581.html)より抜粋
このような記事を見て、完全に鵜呑みにせずに、自分自身で検証していくというスタンスが大切だと思うのですが、
私自身、お酒を飲んだ後に、”発汗・利尿作用があるハーブ”を身体が求めるというのを経験として持っているので、この記事の内容について納得できる部分が多いです。
記事内で出てくる「水毒」という用語について、Wikipediaには以下の記載がありますので貼っておきます。
水毒(すいどく)、水邪(すいじゃ)とは、中国医学・漢方医学などの中国医学系伝統医学において、体液の偏在が起こった状態、つまり体内の水分の代謝障害(水の滞り、水滞、水気、宿水)が起こった状態を指す用語である。水滞によって病的な浸出液や異常分泌などを起こし、発汗、排尿などにも異変が起こるとされる。今日では一般的に水毒と言われるが、水邪とも言われていた。
中国医学系伝統医学では、気・血・水の不調が病気を起こすと考えるが、この水滞によって病気が起こったり、病気が治るのを妨げるという病因思想から生まれた言葉である
「二日酔い」というと、お酒の「アルコール」部分だけに意識が向いてしまいますが、お酒の「水分」も含めたトータルとしての視点が大切なんだということを教えてくれる記事で、個人的には刺激を受けた内容であり、今後のお酒と人体の相互作用における視点に広がりが出てくるように思います。