防虫・抗菌成分「ヒノキチオール」は、”ヒノキ”よりも”青森ヒバ”にたっぷり含有。白アリも寄せ付けない青森ヒバの威力に驚きました。

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昨日、デパートの中を歩いていると、T-factoryという千葉県の会社が、”青森ヒバ”を使った様々な商品を販売していました。

「シダーウッド」系の香りが空間全体に満たされる中、様々な商品が置かれています。
この香りの中で、商品を見ているとついつい欲しくなってしまいます。
ヒバチップの詰め放題も。私はこれを家の中や車の中で活用したいを思い、おもいっきり詰め込み購入しました。

青森ヒバのチップを購入したあと、妻とコーヒーを飲みながら、お店の人に頂いたパンフレットを眺めていると、青森ヒバについて面白いことがわかってきました。

シロアリを寄せ付けない建材として使用されており、800年超の埋れ木でも中が製材として使えるものがあるとは。。青森ヒバにたっぷり含まれる防虫・抗菌成分である「ヒノキチオール」は、日本のヒノキにはほとんど含まれないという情報もあります。。興味がどんどん湧いてきます。
青森ヒバ(左)、ひのき(中央)、杉(右)の抗菌力の違いを確かめる実験。青森ヒバの抗菌力の凄さが伝わります。

ここで、「”青森ヒバ”とはどんな木なのか?」について、わかりやすく書かれたページを確認してみたいと思います。

「青森ヒバ」とは
青森ヒバは、樹高30m、直径80cmに達する日本特有の針葉樹高木です。


ヒバ(アスナロ、ヒノキアスナロ)
1901年(明治34年)本多静六(日本で最初の林学博士)が、従来のアスナロと青森県のアスナロとの間に違いがあることを発見し、牧野富太郎がアスナロ属の中に、アスナロの一変種「ヒノキアスナロ」として命名しました。

アスナロは青森県内真部山国有林を北限とし、木曽地方を中心に九州鹿児島県に掛けて分布。ヒノキアスナロはアスナロの変種とされ、青森県を中心に北海道南部から関東北部に掛けて分布しています。

一般には双方とも「ヒバ」と呼ばれ、アスナロが南方系のヒバ、ヒノキアスナロが北方系のヒバとされています。なお、青森県内に生育しているヒバは「青森ヒバ」と呼ばれており、 青森県では昭和41年に県の木に指定し、県民に親しまれています。

学名は
アスナロ(ヒノキ科アスナロ属)

Thujopsis dolaburata SIEBOLD et ZUCCARINI(ツヨプシス・ドラブラータ、シーボルト・エト・ツツカリーニ)

ヒノキアスナロ(アスナロの変種)

Thujopsis dolaburata SIEBOLD et ZUCCARINI var.hondai MAKINO(ツヨプシス・ドラブラータ、シーボルト・エト・ツツカリーニ、ヴアル・ホンダイ・マキノ)

ヒノキアスナロの分布
「ヒノキアスナロ」は北海道渡島半島を北限とし、栃木県日光湯ノ湖付近を南限に分布していますが、青森県内では主に下北半島と津軽半島に集中しています。

北陸の能登地方を中心に、アテ(ヒノキアスナロ)の造林技術が確立され広く植林されており、石川県の県木に指定されています。輪島塗漆器の木地に使用されていることで有名です。

由来
アスナロ属の木は、古い時代は「アテ(貴)」あるいは「アテヒ(貴檜)」と呼ばれていました。その後、アテヒが転化して「アスヒ(阿須檜)」になり、一説にはアスハヒノキ、アスハヒノキニナロウ、アスナロと変化したといわれています。また、葉のボリューム感から、「アツハヒノキ(厚葉檜)」から転じたとの説もあります。

北方系のヒバ(ヒノキアスナロ)は、古くから社寺仏閣などの建築材料として珍重され、約890年前にヒバで立てられた、平泉の「中尊寺金色堂」は今なおその姿を残しています。

津軽藩や南部藩の古文書では、「青森ヒバ」は「檜」と記され、木曽のものは「上方檜」として区別していました。いつ頃から「ヒバ」という名前になったのかは、はっきりしませんが、宝暦7年(1757年)松平秀幸が書いた「吉蘇志」の中に、木曽5木のアスナロの別名として「ヒバ」が登場しています。また、嘉永七年(1854年)富田禮彦が取材した飛騨地方の運材図会の中にも「木屠(ヒバ) 」という文字があります。

ヒノキアスナロを指す方言は40種以上あり、明治の末、林業関係者が「ヒバ」と統一するようになって、ようやくその名は定着しました。

系譜
植物生態学者の山中三男教授が東北大学に在職中、青森県下北郡東通村尻屋の泥炭地から、約2万5千年まえのヒノキ科の花粉 (化石)を発見しました。山中教授は「現在のヒバの分布状況から見てこのヒノキ科の花粉はヒバに由来している」としています。昔は青森県一帯が「青森ヒバ」の大原生林だったのかもしれません。

「青森ヒバ」の祖先が誕生したのは、今から約百万年ぐらい前といわれています。その頃の地球は氷河期と間氷期を繰り返していて、科学的データから、うっそうとした針葉樹林の構成樹種として存在していたことが推測されます。

東北森林管理局のHPの「青森ヒバとは」(http://www.rinya.maff.go.jp/tohoku/syo/aomorizimusyo/aomorihibatoha.html)より抜粋

 

ヒノキ科アスナロ属の「アスナロ」の変種が”青森ヒバ”ということがわかったのですが、一般的に我々が「ヒノキ(檜)」と呼んでいるのは、ヒノキ科ヒノキ属で、日本と台湾にのみに分布するようです。

このWikipediaのリンクの「精油」の部分に、以下の記述があります。

樹木から採取される精油成分に「ヒノキチオール」と命名されているものがある。20世紀後半、日本産のヒノキには「ヒノキチオール」は含まれていないという認識が広まっていたが、これはタイワンヒノキから分離されたのが最初であり、国産のヒノキの含有量が少なかったためである。木曽産のヒノキからも発見されているが、日本ではヒバから得るのが一般的である。

少しわかりにくい記述ですが、ヒバの方がヒノキチオールの含有量が多いというのは間違えないと思います。

また、宮崎大学で行なわれた”青森ヒバの耐蟻性”に関する実験結果もネット上に存在していました。

青森ひばの耐蟻性青森ヒバだけの驚くべき抗菌効果!耐湿性にすぐれ軽くて丈夫、優れた抗菌作用

写真:宮崎大学農学部応用昆虫学研究室実験

青森ひばの耐蟻性が宮崎大学農学部の清水薫教授らの研究グループによって証明されている。この実験に使われたシロアリは、世界の中でも強烈な可外力で知られているイエシロアリでは天井裏の梁まで食い荒らすほどである。

実験の結果クロマツは心部まで食い荒らされ60%近く減量するほどの食害があり、シロアリに強いとされているヒノキでさえ食害されたのに対し、青森ヒバはまったく被害を受けなかった。

宮崎大学ではシロアリにもっとも強かった木である青森ヒバについて忌避性(嫌って避ける)と殺蟻性についての実験を行い、青森ヒバは、他の樹種には見られない強い忌避物質を持つと結論づけている。
また、殺蟻物質も持っていて材中にシロアリを挿入した場合製材後1年のもので120時間で100%が死滅し、製材後6年を経たものでも、240時間後には100%の死虫率であったという。

シロアリは食べた木材を消化器官内の原生動物で消化していますが、ヒバの殺菌作用で原生動物が死滅する事によりシロアリは食べた木材を消化できなくなります。

青森ひば 』は腐りづらく、抗菌、防虫効果に優れた木。実際に、岩手県中尊寺の金色堂や弘前市の弘前城など、約900年に渡って風雪に耐えてきた建造物にも使われており、耐久性は実証済みです。現在も県内の木造の橋に使用されています。

※青森県田子町のにんにくや株式会社岡崎屋のHPの「青森ヒバについて」(https://www.e-ninniku.com/aomori_hiba)より一部抜粋

最後に、針葉樹の香りとして人気の高い「シダーウッド」ですが、英語における「cedar(シダー)」はかなり広義なことが分かりましたので、以下にそのことが書かれたWikipediaのリンクを貼ります。

青森ヒバに対する認識が大きく変わり始めましたので、これから、さらに見聞を深めていきたいと思います。

 
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