九州旅行に行ったら必ず行ってみたい日本最古のハーブ園「開聞山麓香料園」

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先日、ハーブ関連の本をAmazonで見ていた時に、以下の本を見かけました。

日本で初めてのハーブ農園というタイトルが気になり、どこなんだろうと調べてみると、鹿児島県指宿(いぶすき)にある「開聞(かいもん)山麓香料園」というところでした。

開聞山麓香料園の情報を調べてみると、歩んできた歴史、及び、植えられているハーブが非常に特徴的で魅力が溢れる場所であることが強く感じられました。

九州へ旅行に行ったら必ず足を運びたいという想いがぐんぐんと強くなってきていますので、まずは事前にあれこれ調べてみました。

最初に、歴史について時系列を追って見てみました。
※下記の抜粋は全て、開聞山麓香料園のホームページからです。

≪はじまりは1本のローズ・ゼラニュームから≫

昭和のはじめ、それまで輸入に頼っていた香料が戦争の影響もあり、輸入が難しくなっていました。 このことに危機感を持った曽田香料の創始者・曽田政治氏は、国内での香料製造をするべく様々な香料植物の試験栽培を始めます。

同じころ、当園創始者・宮﨑巌は、珍しい植物を育て増やし、管理する仕事をしていました。その中に、バラのような香りをもつ「ローズ・ゼラニューム」がありました。この植物を曽田氏にすすめたところたいへん気に入り、曽田氏はローズ・ゼラニュームの栽培に乗り出します。 

昭和16年、栽培適地を探すため九州へ渡り現地調査が始まりました。

温暖な地を好むローズ・ゼラニュームの栽培適地を探した結果、薩摩半島の南端・開聞岳の麓が選ばれました。 そして宮崎巌は曽田香料・鹿児島農場長として、この地でローズ・ゼラニュームの増産を開始します。

当時、職員は徹夜で増産に努めました。その努力もあって、開聞岳の南斜面には広大なローズ・ゼラニューム畑が広がり、昭和18年には、日本で初めてローズ・ゼラニュームの精油の抽出に成功しました。その量は18kgでした。

もともと、開聞山麓香料園創始者の宮崎巌さんは、珍しい植物を増やして管理する仕事をしていたとはいい、曽田香料の社長との出会い無しには、現在の形は無かったということですね。香料の原料としてローズゼラニウムに目をつけたのは、先見の明があったと思います。

≪戦火に耐えて≫

しかし、戦況の悪化による食糧増産のため、ローズ・ゼラニューム畑はイモ畑への変更を余儀なくされました。巌も戦地へ赴くことになり、残された夫人は自宅の片隅でローズ・ゼラニュームの親株を守り続けました。

その甲斐もあり、戦後すぐにローズ・ゼラニュームの増産を再スタートさせることができたのです。その後はローズ・ゼラニュームの他にも、レモングラス、パチュリー、ヴェチバーなどの試験栽培が行われ、熱帯地域原産のこれらの植物は八丈島へと移植されました。またローズ・ゼラニュームも度重なる台風による損傷がひどく、瀬戸内へと移植されました。

昭和22年、それまで台湾で栽培していた芳樟を開聞へと移し、増産が始まりました。開聞産の芳樟精油は大変品質が良く、国内だけでなく海外(主にヨーロッパ)にも輸出されるようになりました。

このため開聞町だけでなく指宿、喜入、頴娃、枕崎と栽培地域は増え、最盛期には年間3トンものオイルを抽出するようになりました。

昭和22年から栽培が始まった芳樟(ホウショウ)とは、どんな植物なのでしょうか。以下のブログに詳細がまとまっています。

クスノキと比較して以下の4点が特徴的なようです。

①クスノキに比べて幹は小さい。
②クスノキに比べ葉の縁が波うつ。
③クスノキよりも花も実も小さい。
④材や葉には樟脳の含有量が少なく、リナロールを主成分としている。

この芳樟の精油は、ここのハーブ農園の目玉商品です。リナロールは、ラベンダーやベルガモットにも含まれるので、芳樟の香りは個人的に気になります。

≪食材としてのハーブへ≫

戦後、順調かと思われた国産天然香料も、輸入自由化による安価な輸入品や合成香料におされ、国産の精油は価格で太刀打ちできなくなり需要は激減しました。 そして昭和40年代の後半には、ほとんどの生産農場は閉鎖に追い込まれていきました。

曽田香料も開聞から撤退することになり、残されたハーブと芳樟の木々はそのまま巌が個人で引き継ぎ、開聞山麓香料園として再出発することになりました。それにあわせて精油抽出のためのハーブから食材としてのハーブへと栽培品種が移り変わっていきました。

当園からは、ローズマリーやタイム、ディルなどが築地市場へ空輸されるようになり、また、ハーブティーの普及とともに、これまで香料用として作られていたレモングラスなどは、お茶として飲まれるようになりました。

日本の天然香料市場で、このような出来事があったのは知りませんでした。

また、開聞山麓香料園のこのような背景を知っておくと、蒸留工場の釜の充実度の理由とかがスッと入ってきます。

≪そして再び天然香料の時代へ≫

平成に入り、ヨーロッパで盛んなアロマセラピー(芳香療法)が日本でも紹介されるようになりました。これは植物精油を心身の健康のために利用するもので、女性を中心に広がっていきました。

このアロマセラピーに使われる精油は化学合成されたものではなく、天然の精油を使うことになっているため、天然香料への需要が少しずつ増え、当園でも精油抽出が再開されるようになりました。

現在は芳樟をはじめ、レモンユーカリ、レモングラス、ローズマリー、カユプテなどの精油を抽出しています。なお、芳樟は鎮静効果が高いと言われていて、フランスのアロマセラピストからもたいへん注目されており、当園でもたいへん人気のある精油です。

この流れを見ると、日本における精油生産の原点がココということができると思います。精油抽出が再開してくれたのは非常にうれしいです。

次に、私がちょっと興奮したのは、蒸留工場の写真です。下の写真を見てみてください。

開聞山麓香料園の蒸留工場

いままで、フランスやスペインのラベンダーの水蒸気蒸留の工場でしかこの大規模な風景はみたことがなかったのですが、さすがにこれを見ると鹿児島に行きたくてうずうずしてきました。

最後に、園内のショップ、及び喫茶店と、園内の雰囲気についてです。

直売店:花と香りの店(9:00~17:00)

香水 
香りのスプレー・・・¥1700
オードトワレ・・・¥3000
久邇香水(角型)・・・¥2500
久邇香水(長型)・・・¥5000
香りの種類は、芳樟、ローズ、ジャスミン、ローズマリー、レモングラスの5種類ございます。

精油 
100mlビン・・・¥10000~
7mlビン・・・¥2000~
3mlビン・・・¥1000~

ハーブティー 各種
シングルハーブティー・・・¥400
ティパックタイプ・・・¥500

その他の商品
匂い袋・・・¥500~
お風呂の香水・・・¥500~
花梨の天然化粧水・・・¥1500
ハーブの種子・・・¥300 など

香水って、いままで自分用に買ったことはないですが、なぜか自分用に買ってみたくなりました。。妻に突っ込まれそうですが、、。

 喫茶コーナー (10:00 – 16:00)
ラストオーダー 15:00ハーブティー 350円
ハイビスカスのシャーベット 350円
コーヒー 350円
カボチャのプリン 350円
ハーブクッキー 200円
軽食 600円 ~

テイクアウトシャーベット.JPG

上の写真はハイビスカスのシャーベットなのですが、食べてみたいです。本当に美味しそう。

芳樟ガーデン

園内には約1万本の芳樟があり、その芳樟に守られるように数十種類のハーブが植えられています。
花の咲く季節には、蝶やミツバチなどが飛び交い、寒い季節には様々な鳥が越冬に訪れます。
植物だけでなく様々な生き物たちとも出会える芳樟ガーデンは、歩いているだけで森林浴ができ、都会の喧騒を忘れられる空間となっています。
芳樟の落ち葉を踏みしめながら、立ちのぼるリナロールの香りをお楽しみください。

芳樟ガーデン3.jpg芳樟ガーデン

ちょっと待ってください。。1万本ってすごすぎです。芳樟の木そのものが大きいですから、相当大きい面積じゃないと収まらないはずです。

そもそも、園内の広さってどのくらいなのでしょうか。ホームページには情報が無いので調べてみると、一万五千坪で、東京ドームより少し広い面積だそうです。
※情報源はコチラ

リナロールの香りが立ち上るガーデンはどんな感じなんでしょうか。とてもワクワクします。

仕事で鹿児島に行くという可能性は今のところ低いので、家族での九州旅行を企てたいと思います。。

開聞山麓香料園
〒891-0602
鹿児島県指宿市開聞川尻6229
Tel.0993-32-3321

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