昨年からブログを書いていく中で、ハーブ・アロマ絡みの「地域おこし」というキーワードの中においては、
◆オリーブ栽培
◆規格外の柑橘を利用した精油抽出
◆カンゾウ(甘草)などの漢方に使われる薬草栽培
上記の3つがすぐに思いつきます。
特に、漢方に使われる薬草栽培による地域おこしについては、取り上げた回数としてはあまり多くはないですが、以下に、過去の関連記事を貼ります。
【過去の関連記事:企業(産)と大学(学)のハーブに関する連携の動きの活発化は何を意味するのか】
【過去の関連記事:「市町村」と「産・学」の薬草協定。その後、どんな具体的成果が出ているのか4つのケースを調べてみました】
そして、この「漢方」と「日本」の関わりについて、中国メディアが取り上げていた内容で興味深いものがありましたのでご紹介します。
漢方薬の未来は日本にあり・・・「中国人としては複雑な思い」=中国メディア
日本の漢方医学は中国から伝わった中国医学をもとに日本が独自で発展させたものとされる。漢方医学をもとに処方される薬は漢方薬と呼ばれ、日本で西洋薬と同様に広く普及している。
漢方薬に使用される生薬や薬草は中国から輸入されることが多いのだが、日本で発展した漢方薬を購入するために中国人が日本に買い付けに来るという現象も見られており、こうした事態は中国人からすると複雑な思いを抱かざるを得ないようだ。
中国メディアの快資訊はこのほど、中国医学や漢方薬の未来は日本にあるという意見が存在することを伝えつつ、「中国医学は中国人の先祖が生み出した貴重な宝であったはずなのに、中国人が海外に媚びて西洋薬ばかりを重んじた結果、中国の漢方薬は廃れてしまった」と嘆く記事を掲載した。
記事は、近代以降の中国では西洋医学が重んじられ、中国医学はその効果のほどが疑問視される風潮が生じたと主張。今でも中国医学に対して猜疑心を持っている中国人は少なくないことを指摘する一方で、日本人は漢方薬を正しく評価しており、日本のドラッグストアでは簡単に漢方薬を購入できるし、街中には鍼灸院も数多く存在すると紹介した。
さらに、日本企業は漢方薬について数多くの知的財産権を所有していることを伝え、世界の漢方薬市場でも日本企業が圧倒的なシェアを獲得していると強調。中国は日本に漢方薬の原料を販売するだけに止まっていて、世界中で漢方薬が評価されるようになっていても「中国はその恩恵をほとんど受けられていない」と論じた。
また記事は、「日本は漢方薬で世界を舞台に大儲けしている」という論調が中国国内に存在することを指摘する一方で、中国が漢方薬の原料を供給するだけの役割となっている現状に「漢方薬の未来は日本にある」という指摘もあると紹介。漢方薬が世界に広まり、世界で評価されることは喜ばしいことであるものの、「日本が産業の主導権を持つ現状は、中国人からすれば複雑な思いを抱かざるを得ない」と論じている。(編集担当:村山健二)
※Searchinaの2018年8月19日の記事より
この記事の内容のほとんどは、中国メディアの「快資訊」が報じている内容を伝えているのですが、
「日本企業の漢方薬に対する取り組みってこんなに積極的なんだ」
という気づきがありました。
この記事を見て、昔のハイテク産業におけるアメリカと日本の関係性を思い出しました。
どういうことかを言うと、
「日本の町工場で凄い技術力を持っているところがあり、その技術力に対するビジネス上でのポテンシャルをアメリカが目をつけ、アメリカが稼ぐ」
という話を、昔、私自身がハイテク産業にいたときによく聞きました。
つまり、中国人自身が漢方薬のビジネスとしての可能性に気付いていない、もしくは、軽視し、日本人の方がむしろ、その部分(ビジネスとしての漢方薬)に対して積極的なのかもしれないということが読み取れると思います。
この記事に触れたことで、今後、漢方薬に対する日本企業の取り組みに関連する内容を見たときに、より深い考察をしてみたいという気持ちが沸いてきました。
様々な視点から見えている世界観を理解していくことは、自分自身の視野を広げる上で必須なことだと改めて感じました。