本日から、ブログを開始したいと思います。
新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
大晦日に見たテレビの中で個人的に一番印象に残ったのは、無人島生活のナスDのサメ釣りの企画でした。「覚悟とは何か」について、ナスDから学ばせて頂きました。
最近の元旦は、自宅で朝に妻のお節料理を食べた後、妻の実家(自宅から近い)へ家族と一緒に歩いていき、お昼は妻の両親が作ったお節料理を食べるという若干不思議なサイクルになっています。
妻の実家では、お節料理を食べながら必ず日本酒を頂くのですが、毎回、お節料理と日本酒のコンビの良さに感心しています。
私自身、正月に飲む日本酒のことを、「お屠蘇(おとそ)」と称しているのかと思っていたのですが、それは誤りで、「日本酒とみりんを使った薬草酒」という認識が正しいことが正月早々わかりましたので、本日はそのことが書かれた記事について取り上げたいと思います。
「お屠蘇(おとそ)の意味って何? 」お屠蘇の意味と由来、飲み方・作り方
お正月に飲む祝い酒の「お屠蘇」。なんとなく毎年飲んでいるけど、実際どういう意味があるのか気になったことはありませんか? そこで今回は、お屠蘇の意味や由来、作法、作り方などをご紹介します。
お屠蘇の意味と由来
お屠蘇とは、酒やみりんに5〜10種類の生薬を浸け込んだ薬草酒で、一年間の邪気を払い、長寿を願ってお正月にいただく祝い酒です。
屠蘇の「屠」は屠(ほふ)る、邪気を払うという意、「蘇」は魂を目覚め蘇らせると解釈し、邪気を払い生気を蘇生させるという意味だと言われています。
お正月にお屠蘇を飲む習慣は中国で始まり、平安時代に日本へ伝わったと言われています。嵯峨天皇の頃に宮中正月行事として始められ、江戸時代には一般庶民に広まったそうです。
屠蘇散(お屠蘇の材料)の中身と効能
お屠蘇を作るときに使う薬草を屠蘇散(とそさん)、屠蘇延命散(とそえんめいさん)といい、漢方薬に使われる5〜10種類の生薬が用いられています。一般的によく使われる生薬には、下記のようなものがあります。
白朮(ビャクジュツ):キク科オケラもしくは、オオバナオケラの根。
山椒(サンショウ):サンショウの実桔梗(キキョウ):キキョウの根。肉桂(ニッケイ):ニッケイの樹皮、シナモン。防風(ボウフウ):セリ科ボウフウの根。無病長寿を願って飲むだけあり、体に良さそうな素材ですね。お屠蘇の作り方
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準備するもの
・屠蘇散 スーパーやドラッグストアなどで手に入ります。
・日本酒
・本みりん 料理用みりんではなく、本みりんを使います。作り方
1. 日本酒と本みりんを合計300ml程度にし、そこに屠蘇散を浸します。
日本酒が多いと辛口に、本みりんが多いと甘口になります。お好みで調整してくださいね。
2. 7〜8時間漬け込みます。
3. 屠蘇散を取り出して完成です。※ 日本酒&みりんの量が多い場合は、屠蘇散を長めに浸します。
※ あまり長時間浸しすぎると濁ったり沈殿物ができたりすることがあります。
様子を見て調節してくださいね。伝統的なお屠蘇の作法
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地域や各家庭によって異なりますが、一般的なお屠蘇の作法をご紹介します。
お屠蘇を作るには時間がかかるので、大晦日の夜に屠蘇散を仕込み、元旦に屠蘇散を引き上げます。
お屠蘇は、おせちやお雑煮などを食べる前に飲みます。正式には、朱塗りまたは白銀や錫などのお銚子と、朱塗りの三段重ねの盃を使います。ご家庭にない場合は、お正月にふさわしい酒器や、それ以外でも構いません。
お屠蘇を飲むときは、若者の精気を年長者に渡すという意味で、年少者から年長者へと盃を順番にすすめます。さらに、東の方角を向いて飲むとよいとする説もあります。また、正月三が日の来客には、初献にお屠蘇をすすめて新年のお祝いの挨拶を交わすのが礼儀とされているそうです。
おわりに
今回は、お屠蘇の意味や由来、作法、作り方などをご紹介しました。無病長寿を願って飲むお屠蘇。お正月は、是非お屠蘇でお祝いしてみてはいかがでしょうか。
記事監修
監修:三浦康子/和文化研究家。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)ほか多数※ウチコトの2018年12月25日の記事より一部抜粋
今まで、味醂(みりん)ベースの薬草酒は飲んだことがありますが、日本酒とみりんをベースにした薬草酒は飲んだことがないので、どんな味なのかが非常に気になります。
【過去の参考記事:岡本亀太郎本店の薬味酒『保命酒』を飲んでみました。】
2012年11月に宝酒造が行なった調査では以下のデータが残っています。
「お屠蘇に関する意識調査 2012」
※リンクをクリックするとPDFのデータが見られます。
20代~60代のどの世代においても二人に一人は、お屠蘇のことを「正月に飲む日本酒」と認識しており、
お屠蘇が「本みりん」や「日本酒」に「屠蘇散を混ぜたもの」であるという古くから伝わる作り方を知っている人の割合は、50代以上や女性で比較的多いものの、全体では36.7%という結果だったようです。
抜粋記事にも、「お屠蘇の由来」のことに少し触れられていますが、上の宝酒造の調査のリンクの中に、由来についてもう少し掘り下げて書いていましたので、以下に貼っておきます。
お屠蘇は今から約1700年前、三国志で有名な劉備や曹操が活躍した中国の三国時代に、名医華佗(かだ)が一年間の災難厄除けのために山椒や桔梗、防風など数十種類の生薬を調合してお酒に浸して飲んだのが始まりとされています。正式には「屠蘇延命散」と言い、邪気を屠(ほふ)り(葬るという意味)、魂を蘇らせるところから「屠蘇」と名付けられたとされていますが、一説には「蘇」という鬼を屠るところからとも言われています。
日本には平安時代初期に中国の博士である蘇明によって伝えられ、嵯峨天皇の時代に宮中の正月行事の一つとしてお屠蘇を飲む慣習が定着しました。
やがてこの慣習が世間にも広がり、元旦の朝に一年の邪気を払い、延命長寿を願って飲まれるようになりました。
江戸時代の中期になると、お酒の苦手な人や女性が楽しむ甘いお酒としてみりんが人々に受け入れられるようになりました。
屠蘇散をみりんに浸して飲むようになったのはこの頃だと言われています。
ハーブのことに関わる前は、このような歴史的な事柄に対する興味が薄かったのですが、ハーブに関わっていくと「歴史」のことについてどんどん深く知りたくなってきています。
高校以来、歴史に興味が薄かった自分にとっては大きくプラスに働いていると思います。
来年は、大晦日に仕込んだお屠蘇を、正月に妻の実家に持参したくなってきました。