過去に3回ほど、富良野のラベンダーに関わる内容を記事で触れました。
【保存版】ファーム富田だけでなない、富良野(かみふ・なかふ・ふらの・なんぷ)のラベンダー畑16のスポット
北海道で相次ぐラベンダー畑の異変は一時的なものなのか、それとも、今後も発生しやすい状況になっているのか気になります
ドローン映像で見るラベンダーの聖地 南フランス・プロヴァンス地方に魅了されました
日本の中においては、北海道(富良野)のラベンダーは規模、知名度共にナンバーワンというのは多くの人が認識していると思いますが、世界的な視点で見ると北海道(富良野)のラベンダーはどにように見られているかあまりイメージできないと思います。
私は北海道生まれということもあり、富良野へラベンダー目当てで訪れる、台湾人、中国人、その他アジアからの観光客は多いという情報は知っていますが。。
今回、観光的な知名度というより、「アロマテラピー界の有名な専門家から北海道のラベンダーがどのように映っているのか」について認識できる書籍がありましたので取り上げたいと思います。
ラベンダーのすべて(マギー・ティスランド モニカ・ユーネマン / 高山林太郎 訳)【フレグナンスジャーナル社】という本です。
(Maggie Tisserand & Monika Junemann, Zauber und Kraft ans Lavendel 〔ラベンダーの魔術と力〕,Windpferd Verlagsgesellschaft mbH., Durach, 1989 を訳したもの)
初版が1989年ということで古い本ではあるのですが、ラベンダー精油の市場の動きは年ごとに大きく変わるというものでもないことが想像できるので、今にも影響力のある本だという想定で取り上げます。
著者のプロフィールは以下です。
マギーティスランドさんは、こちらのプロフィールでもわかるように、アロマテラピー界では大きな影響力を持っていて、且つ、日本のアロマテラピーの普及に大きく貢献されている方ということもわかります。
一方、モニカ・ユーネマンさんについては、ホームページは見当たりませんでしたが、こちらによると3冊のアロマテラピー関連の本を出されていることが分かります。
イギリス人とドイツ人のアロマテラピー界を代表するような人の共著の第3章のタイトルが、「どこで、どのようにラベンダーは栽培されているか」となっているのですが、その中で栽培地域として具体的に取り上げられていた地名が、
フランス
イギリス
ノーフォーク州のラベンダー(イギリス)
ジャージー・ラベンダー農園(イギリス)
日本
タスマニア
以上の6地域です。
この並びを見たときに、バランスが欠けているというか、恐らく、著者がその時点でのアロマテラピーにおける活動で深く関わったところを中心に取り上げているのかなと思いました。
そして、紹介のされ方を見てみました。以下です。
日本
ラベンダーはまた、日本をかたちづくっている主要な四島の最北の島、北海道でも生育しています。
ここの土壌は砂地が主体となっているらしく、北緯四二~四五度の地帯にあるために、その気候は南フランスのアルプスの海岸よりの地方に似かよっているようです。
北海道では、ラベンダーはその美しい濃い紫色をした花のために栽培されていて、人びとは茎の長さをそろえて手で刈りとります。
ラベンダーは茎をしばって小さい束にして、その束を水平にぴんと張ったロープに自然乾燥させます。
人工的な加熱は一切しません。
こうして、びっしりとつり下げたラベンダーの束は紫色の天井のようになります。これで花は完全な状態で保存されます。
ここのラベンダーは、精油をとるために栽培されているのではなく、その花のために植えられています
確かに富良野のラベンダーは観賞用がほとんどなので、、著者がアロマテラピーで北海道と深く関わったということは考えにくいです。
上記のマギーティスランドさんのプロフィールを見ても、京都、大阪、東京で何回もアロマテラピーに関する講演をしたという記述がありますが、北海道という記述は見当たりません。
なので上記の6地域を取り上げたのは、アロマテラピー界からみて、ラベンダー精油生産量の多い国ということではなく、ラベンダー栽培の観点で”特徴のある”地域を中心に取り上げられたと考えるのが自然なのではないかと思います。
ラベンダー精油生産量の観点で言うと、スペインも取り上げられるはずだと思いますし。。
また、各地域の取り上げられ方をまとめると、フランス、イギリス、タスマニアについては商用でラベンダー栽培されている一方で、日本は観賞用と説明されています。
恐らく、観賞用としてラベンダーが栽培されている地域という視点で見ると、富良野のラベンダーは規模的にトップクラスだからこの本の中で取り上げられているのではないかと考えています。
商用ではなく、観賞用としてラベンダーを栽培している地域は?と言われると確かにイメージできる国がないので、今後調査していきたいと思います。