先日、カルダモンが強烈に香るスパイス焼酎「カルダモン TAKE7」を購入して以来、スパイス・ハーブのお酒の魅力を改めて認識したばかりです。
ここ数年は、様々なハーブが入った香り高いクラフトジンの市場が徐々に活性化している印象がありますが、ハーブリキュールの世界も今後さらなる広がりを見せるのではないかと感じています。
今日は、奈良県のブリュワリーから生まれた「ハーバルクラフトビール」というジャンルについてのニュースを取り上げたいと思います。
【奈良】薬草のふるさと・大宇陀にある「奥大和ビール」で ハーバルクラフトビールを愉しむ
ハーバルクラフトビールの魅力を地元から発信する
「奥大和ビール」は、道の駅・宇陀路大宇陀のすぐそばにあります。店内がよく見える開放的な入口に、縁側のようなスペースも設けられた、フレンドリーな雰囲気のブリュワリー。ここで、“ハーバルクラフトビール”というまったく新しいジャンルのビールが日々醸し出されています。
代表の醸造家・米田義則さんはメディカルハーブコーディネーターの資格をもち、大和当帰(やまととうき)をはじめとする地元の和ハーブや世界中のスパイスをブレンドして数々のオリジナルビールを生み出してきました。米田さんはミュージシャンとして東京で20年間活躍されていましたが、2017年に地元・宇陀市へUターン。2018年3月にこのブリュワリーを開いたのです。
ブリュワリーに併設されたTAP ROOM(タップルーム)では、季節や仕込みに応じて常時8種類のビールがラインナップ。米田さんが醸したビールを自らの手でグラスに注いでくれます。それぞれのビールが出てくる8つのタップのハンドルは、宇陀の南の吉野地方で活躍する8人の木工作家さんのオリジナル。
宇陀産の和ハーブ・大和当帰を使用した「アンジェリカ」
さて、目の前のタップからオリジナルグラスに注がれたのは、宇陀産大和当帰を使用した「アンジェリカ」。大和当帰とはセリ科の多年草。根は生薬として、冷え性、鎮痛、血行不良などに効能があるといいます。グラスを顔に近付けると爽快な香りに包まれ、口に含むと奥深い植物の旨みが広がります。なんだか身体がぽかぽかしてきました。
キンモクセイやローリエなどをブレンドした「メディックビター」
続いては、アロマを閉じ込める効果のあるIPA(インディア・ペールエール)グラスに注がれた「メディックビター」。キンモクセイやクコの実、陳皮、ローリエにハイビスカスと、ワールドワイドなハーブをブレンドした薬膳ビールです。ホップがたくさん使われているため苦みが強く、クセになる味わいです。
「奥大和ビール」の定番ラインナップがこちら!
続いてご紹介するのは、「奥大和ビール」の定番レギュラービール。左から、カモミールやエルダーフラワーを使ったハーブのやさしい香りが漂う「アロマホワイト」。オレンジピールやレモングラスなどを使ったすっきりした飲み心地の「ハーバルエール」。黒豆やローズマリー、カルダモンなどをブレンドした味わい深い「スパイスダーク」。植物のもつ力に癒やされて、飲むほどに幸せ気分。もう一杯、が止まらなくなりそうです。
日本地ビール協会が毎年開催しているクラフトビールの品評会・インターナショナルビアカップで、「スパイスダーク」は2019年金賞受賞、「ハーバルエール」は2020年銀賞受賞の栄誉に輝くなど、その品質と味わいは高い評価を得ています。
ハーバルビールと相性抜群のスパイスカレーもぜひ!
ランチタイム(11~14時)にはハーバルビールととても相性のよいスパイスカレーがおすすめ。写真は15種類ものハーブ&スパイスを使ったバターチキンカレーです。添えてあるベビーリーフは地元のオーガニック農園のもの。もち麦は、米田さんの自家農園で収穫されたものです。自家農園では小麦やホップの栽培もしていて、年1回、自家製小麦とホップを使った“スペシャル醸造”ビールも登場するというから楽しみです!
一枚板の杉のカウンターが印象的なタップルーム。奥には小上がりの座敷、手前には縁側スペースが控えています。ガラス越しに見えるのが醸造室。ビールは量り売りもしていて、マイボトルをぶら下げてふらりと買いに来る常連さんも多く、自然と会話が弾みます。
飲んだら泊まろう!が合言葉 ゲストハウス「TAP to BED」
タップルームの隣には、なんとゲストハウス「TAP to BED」も備えています。車で大宇陀を訪れる人のために、“飲んだら泊まれるブリュワリー”にしたい、との想いから、隣接する古民家を改装して2021年にオープンしました。“薬草のふるさと”大宇陀は、近世には城下町として、また街道沿いの宿場町として栄えたところ。奥大和ビールは、まるで“現代の旅籠”のようですね。
代表の米田さんとともに客を迎えてくれるのは、ショップマネージャーの越智つかささん。越智さんはもと看護師さんで、大宇陀の魅力にひかれて大阪から移住してきたとのこと。
クラフトビールの魅力は、「醸した土地で、醸した人から、醸されたビールの話を聞きながら飲むこと」だと米田さん。今週末にでもまたすぐ訪れたくなる不思議な吸引力をもつブリュワリーです。■奥大和ビール
住所:奈良県宇陀市大宇陀拾生672-1
TEL:0745-88-9001
営業時間:11~20時(日曜は~18時、各30分前LO)
定休日:月~金曜 ※時期により平日営業もあり。営業日時は変動があるため公式WEBサイトで要確認
アクセス:近鉄榛原駅から奈良交通バス大宇陀行きで20分、終点下車すぐ『大人の日帰り旅 関西2023』2022年3月9日発売!
「近場で気軽に行ける、何度行っても楽める、京阪神発のいいところ」を紹介する大人の日帰り旅ガイドです。 話題のスポットや最旬情報を盛り込んだ、大人世代に向けた1冊です。
Text:長谷川ゆかり(パーソナル企画)
Photo:小檜山貴裕●新型コロナウイルス感染症対策により、記事内容・営業時間・定休日・サービス内容(酒類の提供)等が変更になる場合があります。事前に店舗・施設等へご確認されることをおすすめします。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。※るるぶMoreの2022年3月7日の記事(https://rurubu.jp/andmore/article/15967)より抜粋
魅力たっぷりで、この記事を見ているだけでウズウズして、今すぐ行きたくなってしまいます。
ゲストハウスもあるというのはタマラナイっす。
奧大和ビールのホームページを開いてみると、そのハーバルクラフトビールのラインナップがさらに広がっていることが分かります。(以下)
※オンラインショップで購入が可能です。
奈良県へ行ったら、奧大和ビールのブリュワリーへ必ず足を運びたいと思います。