酒造メーカーが本気でつくるクラフトコーラ(蔵元コーラ)が気になります。

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今から約3年前に、今ではクラフトコーラ界で有名になった「伊良コーラ」を初めて飲んだ時のことを記事にしました。

【過去記事:100年前のレシピを基にしたクラフトコーラ『伊良コーラ』をはじめて試飲。コーラの味のこと改めて考えてみました。】(2018年11月13日)

その「伊良コーラ」を初めて飲んだときの感動は、今でも鮮明に蘇ってきます。

それから時が経ち、、味は違うもののコンビニでクラフトコーラが販売され、気軽に買える時代が来ることは想像もしていませんでした。それだけ、クラフトコーラの美味しさというものが市民権を得た証拠だと思います。

今日は、酒造メーカーがつくるクラフトコーラの情報を取り上げたいと思います。

酒造メーカーが本気出した〝絶品クラフトコーラ〟 コロナ禍の挑戦

子どもから大人まで幅広い年齢層から人気がある「蔵元コーラ(CRAMOTO COLA)」

コロナ禍において、お酒の提供が求められる飲食店は、厳しい営業が続いています。そんな中、ノンアルコールにチャンスを見いだしたレストランがあります。経営元が酒造メーカーという特徴をいかし、日本酒造りのノウハウを詰め込んで作ったのは、クラフトコーラです。自分たちの価値を見直すことで、コロナ禍を乗り切ろとする挑戦について聞きました。(ライター・安倍季実子)

>>【画像】コロナで日本酒メーカーが取った決断「蔵元コーラーだ!」

老舗の酒造が開発した「蔵元コーラ」

お話をうかがったのは、神奈川県の茅ヶ崎にあるレストラン「モキチトラットリア(MOKICHI TRATTORIA)」のスタッフで、オリジナルクラフトコーラの「蔵元コーラ(CRAMOTO COLA)」を開発した山本慎さんです。

「蔵元コーラ」を提供している「モキチトラットリア」は、湘南唯一の蔵元である熊澤酒造が運営しています。

「熊澤酒造は、明治5年の創業以来、地域に根ざした物づくりにこだわってきました。おいしいお酒を作るために、酒米から自分たちの手で仕込んでいます」

そんな熊澤酒造、90年代からクラフトビール「湘南ビール」を手がけ、レストラン経営にも乗り出すなど、日本酒以外にも積極的でした。

熊澤酒造が手掛けるクラフトビール

世界初のクラフトコーラとまん延防止措置

そんな熊澤酒造が現在、力を入れるのが「蔵元コーラ」です。

「蔵元コーラは、5月に誕生したばかりの新商品です。実はこれ、前々から計画していたプロジェクトではなく、今年の春にお酒の提供ができなくなると決定してから超特急で開発しました」

蔵元コーラは、偶然が重なってできたと言います。

「たまたま、世界初のクラフトコーラと言われている『伊良コーラ』を飲む機会がありました。初めて飲むクラフトコーラには、市販とは違うおいしさがあって感動したのを覚えています。その後、まん延防止措置の発令により、茅ケ崎市でも終日酒類の提供停止が決定しました。ノンアルコールドリンクの商品開発を手伝うことになったときに、伊良コーラを飲んで感動したことを思い出して、熊澤酒造ならではのクラフトコーラを造ることにしました」

ピンチをチャンスに変えようと、まん延防止措置決定から約1週間というタイトなスケジュールでの商品開発になりました。

「急いで作り方の勉強や食材集め、試作に乗り出しました。スパイスなどの配合や作り方を自分なりにカスタムして味を整えた後で、料理長に試飲してもらいました。すると、『これでも十分おいしいけど、熊澤酒造っぽくするために練り粕を入れてみたら?』と言われて、試しに入れてみたら、すごくおいしかったんです!店長のチェックも1回でパスして、すぐにノンアルコールドリンクメニューのひとつに採用されました」

蔵元コーラに使われている練り粕とは、酒粕をより熟成させたもので、色は茶色っぽくなり、酸味とコクが深まると言われています。あまりスーパーには出回っていませんが、素材の味を引き出す発酵調味料のひとつとして知られています。

「もともと、酒粕自体にアミノ酸やビタミンなどが多く含まれ、おいしい上に健康にもよいとされています。それを熟成させた練り粕は酒粕よりも旨味がありますし、ほのかな酸味はクラフトコーラのシロップに使っている柑橘系フルーツとの相性がよく、味もうまくまとまるんです。蔵元コーラは練り粕のいい香りが特徴ですが、スパイスの中にもやさしい甘さとコクがある、どこか懐かしさも感じる味です」

オリジナルクラフトコーラの「蔵元コーラ(CRAMOTO COLA)」を開発した山本慎さん

蔵元コーラを自宅でも飲めるように

山本さんが、ノンアルコールドリンクの新商品作りを任されたときに、すぐにクラフトコーラを思いついたのは「流行っているからではなく、純粋に自分が飲んでみて、おいしいと思ったから」と振り返ります。

「蔵元コーラは、5月17日に発売したのですが、その後で次から次に、いろいろなお店がオリジナルのクラフトコーラを発売していたので驚きました。新しいクラフトコーラが発売される度にいろいろ飲み比べてみて、蔵元コーラをよりおいしくするために、少しずつアレンジしています」

改良を重ねる中で、ノンアルコールドリンクの奥深さにも気づいたそうです。

「うちで作った練り粕やスパイスの配合、使用するフルーツの量などを少しずつ変えているので、味が段々進化している気がします。来店するたびに蔵元コーラを頼んでくださる方もいますし、『蔵元コーラのファンです』『自宅用のシロップは売っていないんですか?』と言われることもあります。苦労して作ったものなので、こういったお声をいただけるのは本当にうれしいですね」

一方、ノンアルコールドリンク特有の課題も。

「ノンアルコールドリンクはおかわりされにくいんです。今はこの点が課題のひとつですね」

しかし、蔵元コーラの発売によって、ビールや日本酒の酒類提供ができない中、ノンアルコールドリンクだけで今までのドリンク売上の90%を維持しているそうです。しっかりと手ごたえを感じ、さらなる拡大を目指しています。

「今後は、姉妹店でも販売したいですし、持ち帰り用の商品も用意したいです。店外での販売となるといろいろとクリアしないといけない問題があるので、ひとつずつこなしていきたいと思います」

お酒にとどまらない酒造メーカーの財産――取材を終えて

おいしい食中酒の提案に努めるモキチトラットリアは、コロナによって業績が例年に比べて70~80%の間を推移しているといいます。その理由は、1組当たりの平均人数3.5~4人だったのが、2.5人に減り、メインターゲットだった40~70代の来店が減少した上に、婚礼などの団体予約がなくなったこと。そこに追い打ちをかけるようにやって来たのが「酒類の提供停止」の要請です。

要となるお酒が提供できなくなった時、すぐに自社で造っているお酒の原料を使ったノンアルコールドリンクの商品開発を考えました。

現在、市販されているノンアルコールドリンクは、基本的に「アルコールの入っていないお酒」という体をしています。アルコールは入っていないけど、お酒を飲んでいる気分を味わえることを重視した、二十歳以上の大人に向けられたものです。

しかし、モキチトラットリアで提供されているのは、蔵元コーラ、酒粕ミルクとバナナを合わせたスムージーと、米麴を使ったレモネードの3種類。どれも、「アルコールの入っていないお酒」という体に寄せておらず、一般的なドリンクと同じように年齢問わず誰もが飲めるようになっています。

これは、熊澤酒造が酒米から作っているお酒造りのエキスパートであり、食材としても活用する柔軟な発想を持ち合わせていたからでしょう。お酒の多様性に気づかなければ、老若男女が楽しめるドリンクにはならなかったはずです。

山本さんの造った蔵元コーラは、ノンアルコールドリンクにおいても、お酒造りに必要な原料、製法といった酒造の財産がいかせることを教えてくれました。

お酒を提供できずに苦労しているお店はたくさんありますが、お店の価値は、お酒を提供することだけではないはずです。自分たちにしかない価値を見つめ直す中で、新たな商品のヒントが生まれるかもしれません。

※withnewsの2021年9月19日の記事(https://withnews.jp/article/f0210919000qq000000000000000W0ev10301qq000023565A)より抜粋

山本さんも、伊良コーラに刺激を受けていた方の一人だったのですね。

蔵元の持つ発酵のスキルとクラフトコーラの相性は、実際に飲んだことはないですが、絶対にいいという感覚は沸き起こってきます。

クラフトコーラ界もどんどん進化(深化)しており、期待感が膨らむニュースです。

蔵元コーラは通販でも販売してくれると個人的に嬉しいです。。

モキチトラットリア

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